この記事では、フリーランスの収入を増やすための方法をお伝えしていきます。
もっと稼ぎたいときは、ここにある情報を取り入れて計画を立ててみてください。
フリーランスが収入を増やすための3つの施策
ここでは、フリーランスの収入を増やすための施策についてお伝えしていきます。
施策①:量を増やす
もっとも分かりやすい施策は、仕事量を増やすことです。
たとえばwebライターなら、文字単価1円の仕事を10本から15本に増やせば収入は1.5倍になります。
- 1円(単価)×5000文字(量)×10本(本数)=5万円
- 1円(単価)×5000文字(量)×15本(本数)=7.5万円
量を増やす施策の問題点は、労働時間も比例的に増えやすいことが挙げられるでしょう。
余白の時間や節約できる時間は限られており、すぐに天井に達してしまいます。
根性で収入を上げることも可能ですが、たいていは一時的なものにあり、その反動には大きなリスクが伴います。
例.無理に量を増やすことのリスク
・精神が病む
・身体が壊れる
・人間関係が悪化する

施策②:単価を上げる
もっとも理想的な収入の増やし方は、単価を上げることです。
無理に量をこなさなくてもよくなり、作業の質を高めることに専念できます。
単価が上がるほど自己肯定感や自尊心も高まりやすく、心理的にも元気な状態を維持しやすくなるでしょう。
- 1円(単価)×5000文字(量)×10本(本数)=5万円
- 2円(単価)×5000文字(量)×10本(本数)=10万円
特に低単価帯の仕事では、2倍の量をこなすよりも、単価が2倍の仕事を探したほうが効率的なことが多いです。
ただし、高い単価であるほど、求められるスキルの幅や質、実績などのハードルも上がります。
未熟な人が単価を上げようとしても断られるだけなので、まずは「高単価の仕事をこなせる自分」になることを目指してみてください。

施策③:収入源を増やす
収入源を増やすとは、本業とは別の仕事によって収入を得ることです。
収入源は主に、次の3つに大別できます。
- 安定的な収入源:パートや会社員として雇われる、配当金
→時給が安い、拘束時間が多い - 趣味的な収入源:自分が楽しめることの延長戦
→収入が不安定、設備投資にお金がかかる - 本業の派生としての収入源:本業で得たノウハウの活用、同業者の手伝い
→高いビジネススキルが必要
生きていけるほどの収入さえあれば、残りの時間をどのように使うかは自由です。
現状と理想を客観的に分析するとともに、自分が納得できる収入源を模索してみてください。
例.フリーランス初期のおすすめ目標
・第一目標:生きていけるほどの収入を得る
・第二目標:フリーランスとして稼げるようになる
・第三目標:リターンが大きい事業で成功する
・第四目標:収益の大きさとは無関係に挑戦したい事業に取り組む

量を増やすときの2つの方針
仕事量を増やそうと考えても、時間が足りないことがよくあります。
ここでは、仕事量を増やすための手段についてお伝えしていきます。
増量①:仕事の効率化
自分1人で完結したいなら、仕事の効率化をおすすめします。
「1時間分の作業を30分で終えられれば、作業を2倍こなせる」という単純な考え方です。
例.効率化の方法
・AIを活用する:情報収集、土台作り
・作業手順を変える:行き戻りが少なくなる手順
・テンプレを制作する:一から考えなくてもよくなる穴埋め式
・集中できる時間を増やす:悩んだりボーっとしたりする時間を減らす工夫
初心者のうちは量をこなすほど、自然と効率化されていきます。
しかし特定の効率で頭打ちになり、それ以上は伸び悩むようになるでしょう。
そこからさらに効率化をするには、無駄な部分を分析したり、他者の工夫を真似たり、新たなツールを活用したりする必要があります。
効率化のためには量をこなすことが最も重要ですが、作業に慣れてきたら他の工夫も併用するようにしてください。

増量②:下請けへの発注
大量の仕事を捌きたいなら、他者に割り振ることも有効です。
「タスクは苦手だけど人と接することが得意」という人は、仲介による増量が向いているかもしれません。
例.下請け先
・教え子:自分がスキル指導をしている相手に仕事を発注する
・仕事仲間:SNSなどで関係性が深い相手に仕事を発注する
・クラウドソーシング:仲介サイトで公に募集する
ただし、下請けに発注する際は、元請けに承諾を得るようにしてください。
仲介行為を禁止している元請けも多く、信用と仕事を失う危険があります。
また、下請けへの対応や価格設定など、仲介にも特有の知識とスキルが求められます。
特にお金のトラブルは友人であろうと絶縁のきっかけになるため、金銭面に関しては細心の注意を払いましょう。
★仲介の量における上限
資金よりも仲介する規模が大きいと、収益率だけではくリスクも増大します。
仲介の量における上限は、「元請けからの支払いがなくとも下請けにお金を払える額」がおすすめです。
規模が大きい元請けからの支払いは納品から2カ月~3カ月後であることが多く、下請けへの支払いは自分のお金で補填しなければなりません。
また、元請けが報酬を支払わずに飛んだ場合、こちらは下請けにお金を支払う必要があります。
下請けの情に訴えて値下げ交渉は可能ですが、信用を失い今後の付き合い方が変わることは避けられないでしょう。

単価を上げるときの2つの方針
ここでは、単価を上げるための手段についてお伝えしていきます。
単価①:価格交渉
契約している元請けと価格交渉をすることで単価を上げられます。
価格交渉では、次の交渉材料が用いられやすいです。
- 再審査:私のスキルはもっと高いと思う
- 大量受注:受注者を探すあなたの手間を減らせるよ
- 仕事の範囲を広げる:AだけでなくBやCもやらせて
フリーランスが価格交渉をするのは一般的であり、それが原因で契約を打ち切られることはほとんどありません。
むしろ好意的に受け取られて、「どうしたら単価を上げられるのか」を教えてくれる元請けのほうが多いでしょう。
ただし、どれほど単価を上げられるかは相手の予算次第です。
「元請けが求める成果物」と「それを得るための予算」によって報酬を配分しているので、基本的にはそのバランスを崩さない範囲での価格交渉になります。
ただし、元請けの目的と合致する実績がある場合は、「予算を引き上げるための交渉」もできるかもしれません。
- 通常の予算の上限:10万円で10本記事が欲しい(1本1万円が限界)
- 予算を引き上げる:1本あたり2万円払えばより読者に見られる記事が作れるよ

単価②:高単価の仕事の受注
現在の元請けから離れて、高単価の仕事を発注している相手を探す方法もあります。
低単価の納品物と高単価の納品物には明確な壁があり、どの納品物にも単価に上限があるためです。
例.低単価と高単価における納品物の違い
・文字単価1円の記事を求めている元請け:専門性が低く誰でも書けるような記事(上限は3円)
・文字単価10円の記事を求めている元請け:専門性が高く特定の実績やスキルが求められる記事(上限は20円)
低単価の仕事の延長線上に高単価の仕事は存在せず、まるで別の仕事かのように求められるスキルが変わります。
そのため、高単価の仕事を請けるには、多くの場合新たなスキルの取得が必要になるでしょう。
例.webライターにおけるスキル
・低単価:ネットでリサーチするスキル、情報をまとめて記述するスキルなど
・高単価:インタビュースキル、専門的なノウハウを言語化するスキルなど
仕事の単価を上げたいならば、単価の高い仕事についての理解を深めましょう。
そこで必要となるスキルと実績を分析して、それを得るための努力をすることに方針を変えてみてください。

収入源を増やすときの2つの方針
ここでは、「本業の派生としての収入源」を増やす手段についてお伝えしていきます。
いずれの手段も、商品づくりや販売などのスキルが必要です。
本業とは別のスキル習得が求められるため、稼げるようになるまでに多くの時間を要しやすい傾向があります。

収入源①:仕組みを提供する
仕組みとは、何かを達成するために必要な環境やツールのことです。
具体的には、次のようなツールが挙げられます。
- 管理アプリ:日記、スケジュール帳、進捗管理など
- コミュニティ:オンラインサロン、朝活、目標管理など
「目標達成で効果的だった工夫」や「達成後に気づいた補うべきだったこと」をツール化して売ってみましょう。
ただし、競合ツールとの差別化ポイントがないと、まったく売れずに作るリソースがほぼ無駄になってしまいます。
例.競合ツールとの差別化ポイント
・実績:私はこれによって大きく変化した
・性能:このツールは私のような現状にフィットさせた、競合ツールには〇〇が足りない
・価格:高いものを安く売るor安いものに性能を加えて高く売る

収入源②:できたことを教える
できたこととは、自分が達成した目標のことです。
コンサル業や情報商材屋などと呼ばれる稼ぎ方であり、学校の先生のようにティーチングやフィードバックにより相手の目標達成を支援します。
- ティーチング:ロードマップ、スキル、コツ、効率化、押さえどころを教える
- フィードバック:理想とのギャップを作っている課題(現状)を教える
会社員は上司や先輩がいるため、お金を払って仕事を教わる文化には馴染みがないでしょう。
しかし、フリーランスはこうした商品に自己投資をして、単価を上げるためのスキルアップを目指すことが一般的です。
一部からは「情報屋」と揶揄されますが、スキルアップへの需要は常にあり、質の高い商品を作れるならば誰かの役に立てます。
- 会社員:教わる側は無料で上司や先輩からスキルを教わる。勤続年数とともに収入が上がる
- フリーランス:無料でスキルを教えてもらえない。今の仕事を続けていても収入はほぼ上がらない
短時間で高額を稼げるのですが、それが原因で本業を疎かにしやすいことに注意が必要です。
大きく稼げるからと第一線から退くと教えられる情報が古くなり、商品内容の質が低くなって「詐欺商品」と評価されるようになるでしょう。
- 本業+指導業:現状にあったスキルを教えられる、悩みを一緒に解決できる
- 指導業のみ:現場の現状が分からず教えるスキルが古くなる、基礎的なものしか教えられずコスパが悪い商品になる
例.よくある指導系の商品
・稼げる方法を教えます:スキルゼロで月商30万円を稼ぐ方法
・スキル習得を支援します:セミナーの開催方法
・あなたの改善ポイントをお伝えします:文章の添削

前向きに価格交渉に臨むためのマインド3選
ここでは、価格交渉をするときのマインドについてお伝えしていきます。
価格交渉への恐れを小さくするためにも、ここで紹介するマインドを取り入れてみてください。
マインド①:お客様は他にもいる
価格交渉をすることを恐れる原因の1つは、契約が打ち切られる可能性です。
価格交渉はお客様の負担であり、図々しいお願いをすると嫌われて仕事なくなると感じてしまいます。
この恐れを小さくするには、お客様への依存度を下げることが有効です。
「たとえ契約が打ち切られてもいつでも仕事を見つけられる」という安心感を持つことで、お客様との契約に拘らなくなるでしょう。
- この契約が切れたらもうお終いだ:嫌われそうな価格交渉に強い恐れが生じる
- この契約が切れても他にお客様はいる:失うものはほとんどないと割り切れて価格交渉への抵抗感が小さくなる
仕事が失われることへの恐れがあるならば、まずはたくさんのお客様から仕事を受注できるようになってみてください。
「この価格帯なら探せば仕事が見つかる」と自信をつけることが、対等な交渉をするために必要な要件の1つです。
例.おすすめの価格交渉までのステップ
①仕事をこなせるようになる
②自力でお客様を探せるようになる
③価格交渉をおこなう

マインド②:価格交渉もスキルである
価格交渉をスキルの1つとして認識することで、交渉する抵抗感が小さくなります。
交渉の結果を「交渉スキル」でなく「自分の存在や能力」と結びつけると、拒絶されることに強い恐れが生じるためです。
- 「交渉結果=自分の存在」:私がダメな人間だから単価を上げてくれなかったんだ
→存在やがんばりを否定される可能性があるから、交渉したくない - 「交渉結果=交渉スキル」:交渉の手順や方法が悪かったから単価が上がらなかったんだ
→失敗してもスキル不足なだけだから、交渉はそれほど怖くない
「効果的な交渉」を知れば知るほど、価格交渉に対して前向きになれます。
効果的な交渉への理解を深めるためにも、価格交渉が成功する要素を因数分解して、自分が取り組むべきことを分析してみてください。
例.交渉の成功に影響を与える要素
・交渉態度:どのような口調や振る舞いだと単価が上げてもらいやすいか
・交渉材料の選定:単価を上げるための強調ポイント
・交渉余地の見極め:お客様の予算や要望を把握する
・交渉タイミングの見極め:お客様が単価UPを承認しやすいタイミング

マインド③:自分の能力を査定してもらう機会
価格交渉とは、「現在の自分がどれほどお客様の役に立っているか」を審査してもらえる機会でもあります。
もちろん、役に立っているから単価が上がるとは限りません。
しかし、単価が上がらない原因が「能力不足」と「お客様都合」のどちらなのかを明確にすることで、今後の自分の方針や目標を立てることに役立ちます。
- 能力不足で単価を上げられない:単価が上がるようなスキル習得が目標になる
- お客様都合で単価が上がらない:他のお客様を探すこと、お客様をもっと稼がせる提案をすることが目標になる
たとえ能力不足を指摘されたとしても、それは本来ならば数万円の価値あるプラスな情報です。
自分の能力を無料で審査してもらえる機会だと捉えられれば、交渉における成功の範囲が広がり、前向きに交渉できるようになるでしょう。
★交渉における成功の範囲
・成功の範囲が狭い:単価が上がることだけが成功
・成功の範囲が広い:単価が上がっても、単価が上がらない理由が分かっても、自分の課題をフィードバックされても成功

まとめ
フリーランスが収入を増やすには、主に次の3つの施策が挙げられます。
- 施策①:量を増やす
- 施策②:単価を上げる
- 施策③:収入源を増やす
効率化しつつ量を増やし、現在の仕事をこなせるようになったら単価を上げ、教えられるスキルが身に付いたら収入源を増やすというのがおすすめです。
ただし、「売上を増やしたい、でも行動できない」という葛藤状態が続いている場合は、本業スキル以前に目標達成スキルや行動への抵抗感が原因だと考えられます。
その状況ではノウハウを教わっても実行が困難であるため、コーチングなどの目標達成の過程を支援してもらえる自己投資を優先したほうがよいかもしれません。
- 本業スキルの問題:そもそも単価を上げるほどの実力がない
- 目標達成スキルの問題:1つの目標を達成する前に挫折してしまう
- 行動への抵抗感が問題:特定の行動に対して強い不安や恐怖がある
