この記事では、起業系コンサルの正体と選び方についてお伝えしていきます。
自分ビジネスを始めるために起業系コンサルの商品の購入に迷ったら、ここで紹介する情報も踏まえて再検討してみてください。
起業系コンサルとは?
起業系コンサルとは、「一般人が自分の商品を作り売れるようになるためのノウハウ」を指導する仕事のことです。
- 商品を作る:どうやったら人を変えられるのか、価値あるものを生み出せるのか
- 商品を売る:どうやったら価値を伝えられるのか、ファンを集められるのか
コンサルとはいってもほとんどは「既にできた人」であり、会社にあたる上司や先輩の立ち位置になります。
実際のコンサルとは毛色が異なり、「私ができたからその方法を教えるよ」という商品です。
- 起業系コンサル:私が実践したノウハウを教えます
- 実際のコンサル:現状から目標地点にたどり着くための個別化された戦略を練ります
また、起業系コンサルのほとんどはアマチュア指導者であり、商品の品質はアタリハズレが激しいです。
「私基準」で作りこまれている場合が多く、購入者側からの強い働きかけがないとコンサルはほとんど機能しません。
- 働きかける:現状と目的地を共有する、指示されたことは実行して疑問を抱いたら尋ねる
- 働きかけない:指示されたことすら実行しない、疑問を持たない、疑問を尋ねない
起業系コンサルの起用理由
起業系コンサルを起用する理由は、主に次の3つが挙げられます。
- 時間短縮:試行/思考する回数を減らせる(ツールや方法、成功者の考え方)
- 不安の解消:保証されることで失敗する恐怖が和らぐ
- 人脈の構築:起業系コンサルの人脈を活用できることがある(委託先、受講生など)
自分ビジネス界隈では、自力だとそのほとんどがPDCAを1回も回せられずに諦めます。
たとえ継続できたとしても、「何年もかけてようやくステップメール1本目が書けた」という人も少なくありません
自分ビジネスのやっていることは単純で簡単そうに見えますが、実は奥深く行動への抵抗感も非常に強いものです。
もちろん自力でできるとよいのかもしれませんが、お金の節約以外の価値はほとんどありません。
停滞感を抱いているなら、他者に頼って前に進むことも検討してみるとよいでしょう。
★コスパとタイパで考えてみる
たとえば30万円のコンサルを受講すればステップメールが書けるようになるとします。
これを高いと見るか安いと見るかは、その人の状況次第です。
A.独学でもすぐに書けるようになる→コスパの悪い商品
B.独学ではなかなか身につけられない→コスパとタイパの良い商品
C.独学でも身につくが調べる時間が惜しい→タイパの良い商品
まだ自分ビジネスでお金を稼げないなら、稼ぐための技術を自力で磨くよりも、他で稼いでその資金で他者に教わったほうが早いこともあります。
いずれにしても資金の問題で躓いているならば、まずは短期的に自力で試してみて、無理そうならば早く見切りをつけて誰かに教わるための行動をすることをおすすめします。
・コスパ:その結果をどれほど安く手に入れられるか、そのお金で何を得られるか
・タイパ:その結果をどれほど早く手に入れられるか、その期間でどこまで進むか
起業系コンサルの3つの種類
起業系コンサルは、主に3つの種類に大別されます。
複合して提供している人もいますが、ここでは個別のものとしてそれぞれについて説明していきます。
種類①:スキル指導型
スキル指導型とは、具体的なやり方が身につく、または向上することを目指した商品です。
正解となる方法を教えるだけにとどまらず、それを実践で使えるように磨くことを目的にしています。
例.スキル指導型
・提案文の書き方
・停滞している課題の発見
・SNSでの発信内容の作り方
・文字単価1円の記事の書き方
スキル指導型のコンサルは、技術的な理由で停滞しているときに役立ちます。
自分が不足している能力に直接的に働きかけるため、即効性があるためです。
しかし、目標達成の阻害要因が異なっていたり、他にもたくさんあったりすることもあります。
その場合は一向に目標達成に近づけないため、スキル指導型の商品を購入するときは本当に今それを習得すべきなのかを検討するようにしましょう。
例.スキル指導型の検討内容
・私はどの課題に躓いているのか?
・私はその課題を1人で乗り越えられないのか?
・その課題を1人で乗り越えようとするとどんな問題が生じるのか?
・スキル指導型商品を購入するとその問題は解決されるのか?
準備中:上達するには
種類②:ロードマップ型
ロードマップ型とは、現状から目標達成までのストーリーを理解するための商品です。
一般的に有効な成功に続く道を知り、前進と後退を実感できるようになることを目的にしています。
例.ロードマップ型
・読まれるステップメールを書く秘訣
・スキルゼロでも3ヶ月で月商30万円を稼ぐ副業方法
・プロも活用する初心者必見の小説を書くための5ステップ
ロードマップ型は、無駄な努力を減らし、正しい努力に資源を集中させたいときに役立ちます。
正しいKPIを配置できるため、安心感を持って実行できるようになることが特徴です。
ただし、教わったロードマップ自体が机上の空論だったり、自分の価値観と合わない道だったりすることがあります。
その場合は再び他のロードマップ探しを始めてしまい、一向に情報収集から抜け出せません。
ロードマップを探すときは、「正しい方法を知ること」よりも「同じ期間で最も前進できること」を優先することをおすすめします。
- 正しい方法:この方法は誰から見ても正しいと言えるのか?間違ってないか?
- 前進できる方法:私はこの方法を活用したいか?この方向に進みたいと思えるか?
例.ロードマップ型の検討内容
・私は何が理想だろうか?
・その理想にたどり着くために試行錯誤する余裕はないのだろうか?
・買おうとしているロードマップや提供者は私の価値観と合っているだろうか?
・この提供者を信じて助言をすべて実行できるだろうか?

種類③:マインドセット型
マインドセット型とは、より成功しやすい思考を知り定着させることを目指した商品です。
初めて挑戦することへの不安や恐怖と折り合いをつけ、行動量を増やすことを目的にしています。
例.マインドセット型
・動き出せるようになる目標の見つけ方
・情報発信をせずにはいられなくなる3つの鉄則
・成功者マインドを身につけよう。売ることへの抵抗感を取り除く思考とは
たとえば情報発信の目的が「みんなに好かれたい」と「たったひとりに届けばいい」では、行動への抵抗感が全く異なります。
行動できない理由は、「知らないから」「能力がないから」だけではなく、「折り合いをつけられないから」という心の葛藤が原因であることもあるのです。
マインドセットすれば万事うまくいくわけではありませんが、少なくとも前進することは容易になります。
もし同じ場所で長時間足踏みをしている状態なら、自分の心の葛藤と向き合ってみるとよいかもしれません。
例.マインドセット型の検討内容
・私が動けないのは抵抗感が理由か?
・実際にその行動を続けてみてもこの抵抗感は取れないのか?
・自分で内省してみてもこの抵抗感を取れないのか?
・買おうとしている商品の提供者の言葉を私は信じられるのか?
準備中:マインドセット
起業系コンサルの3つの関わりタイプ
ここでは、起業系コンサルのサポート方法についてお伝えしていきます。
自分の課題に必要そうなサポートから、起業系商品を選べるようになりましょう。
タイプ①:情報提供
情報提供とは、一方的に答えを教える支援方法です。
情報商材と言われる商品のほとんどが情報提供であり、もっとも身近な自己投資だと言えます。
例.情報提供
・Q&A
・セミナー
・指導動画
・書籍/教科書/PDF
対話する必要がほとんどなく、欲しい情報だけを得られます。
「ノウハウさえ分かれば後は自分でできる」という場合は、もっとも効果的な自己投資になるでしょう。
ただし、情報提供型だから安いというわけではありません。
コストを気にして妥協しないように注意してください。
タイプ②:一対一セッション
一対一セッションとは、家庭教師のようなマンツーマンでの支援です。
個別の課題に対して柔軟に対応しやすいため、よりリッチな支援を受けられます。
例.一対一セッション
・家庭教師
・ピアノレッスン
・個別英会話教室
しかし1人ひとりに対して時間を多く割くため、値段が高い傾向にあります。
また、指導者との相性がもっとも重要になる指導方法です。
たとえ指導内容が正しくても、教え方や価値観が合わなかったら無意味な自己投資になってしまうでしょう。
一対一セッション商品を購入する際は、特にその指導者の人間性をリサーチしてください。
「その人のようになりたい」と心の底から感じられないのであれば、購入を見送ることをおすすめします。
タイプ③:グループセッション
グループセッションとは、学校のような一対多による支援です。
グループ単位の指導になるため融通は利きづらいですが、仲間とサポートしあえる環境が手に入ります。
例..グループセッション
・塾/学校
・進捗報告会
・オンラインサロン
・部活/スポーツクラブ
情報提供とグループセッションの掛け合わせが最近のトレンドであり、もっとも多く見かける高単価商品でしょう。
しかし集まる仲間の質に商品価値が左右されやすく、セッションへの参加意欲も湧きづらい傾向があります。
グループセッションを購入するときは、他にどんな人が集まり、その人たちとともに成功を目指せるのかを検討してみてください。
「安いから」「環境を作れそうだから」という理由だけで購入すると、高い確率で幽霊部員のような存在になってしまいます。
起業系コンサルへのよくある4つの批判
ここでは、起業系コンサルへの一般的な批判を紹介していきます。
批判①:単なる商材屋
実践よりもコンサルを主軸に稼いでいる人も多く、「商材屋」と揶揄されています。
たとえば本業はwebライターと謳いながら、年に1本も執筆せずに指導ばかりしているような人が多いということです。
★コンサル化の流れ
①稼げるようになる(成功する)
②自分の成功方法を教え始める
③本業を指導業に切り替える
④指導内容が廃れていく
教えるという行為はやりがいを感じやすく、また本業とは比較にならないほど大きく稼げます。
その稼ぎを減らしたくないがために、自分に都合のよい言い訳をしてコンサル業に傾倒してしまうのです。
そのような商材屋は昔得た1つの成功だけを武器に戦っています。
すでに周知されている情報を高く売っていることもあり、情報屋どころか詐欺師と言われる人も少なくありません。
指導される機会の少ない個人事業主は、その機会を得るために起業系コンサルの力を借りることは有効です。
しかし少しでも良質な支援を受けるためにも、現在も最前線で戦っている人から学ぶことをおすすめします。
批判②:マルチ商法的な稼ぎ方
起業系コンサル界隈では、「コンサルがコンサルを作る」という流れが存在します。
「教わる→成功する→自分も他の人にその方法を教える」というこの一連の流れが、マルチ商法的だと言われる理由です。
- マルチ商法:自分が加入させた会員が商品を買うことで利益を得る
- コンサル化:稼ぎ方を教わりその方法を他の人に教えて稼ぐ
消費者からすれば「稼げるようになったなら自分でそれを続けたり増やしたりすればいいじゃん」と感じるのは自然でしょう。
しかし、1つの働き方だけによる利益には上限があり、会社のような拡大をするにも時間を要します。
限られた資源を最大限活用するには「本業+指導業」の組み合わせが優れているのです。
それが理解されることは難しく、やはりマルチ商法的で悪質だと認識されてしまいます。
例.家庭教師の月商
・家庭教師一本による収益:時給3千円×6時間×25日=45万円
・家庭教師+指導業による収益:時給3千円×6時間×15日+単価30万円×2本=87万円
この問題において重要なこととは、結局その商品で自分の課題が解決できるかです。
リサーチした結果その商品で課題を解決したほうがよいと結論を出したなら、「マルチ商法的」と揶揄されていても購入を決断したほうがよいでしょう。
批判③:アタリハズレが激しい
起業系に限らず自己投資商品は、玉石混交の傾向があります。
1つの正解しかない問題は少なく、また教え方や価値観によって吸収しやすさが変わるためです。
買ってみなければ自分に合っているかが分からないという性質から、自分にとってのハズレを引いてしまうことは避けられません。
例.ハズレ商品の特徴
・販売者側の要因:適切なものを売れていない
(例.正しい知識を教えていない、情報を整理できていない、体系化できていないなど)
・購入者側の要因:適切なものを買えていない
(例.価値観、教わる態度、自身の現状や課題への認識、モチベーション、信頼など)
しかし、アタリハズレが激しいのはどの買い物でも同じことです。
面白そうと思って買ったゲームがつまらなかったり、便利そうと思ったアイテムが役に立たなかったりした経験は誰もがあるでしょう。
自己投資商品も本質的にはそれと変わりません。
「しっかりリサーチする」といったリテラシーを高めれば、ハズレ商品を避けやすくなるというのも一緒です。
例.買い物リテラシー
・自己理解:自分のニーズや価値観を理解する
・情報分析:集めた情報を比較検討し、真偽を見極める
・情報収集:商品やサービスに関する情報を幅広く集める
・比較検討:複数の選択肢を比較し、最適なものを選ぶ
・情報発信:自分の消費行動を振り返り、必要に応じて発信する
・リスク管理:消費活動に伴うリスクを理解し、対策を講じる
ただし、そもそも誤った期待をして商品を購入すると、すべての商品がハズレになります。
商品を購入するときは、自分にとってのアタリとは何かを明確にして、その期待が現実的なのかを検討してみてください。
- 適切な期待:一般的な努力を許容した期待
(例.マッチョになるためにどのジムに通おうか) - 不適切な期待:一般的な努力を許容せずに魔法の杖を見つけることへの期待
(例.すぐにラクにマッチョになる方法はどこかに落ちていないかな)
批判④:高単価商品を売っている
高単価商品を売っていること自体を批判する人もいます。
一般的な習い事は高くても1万円程度であり、その数倍の価格が起業系コンサルの相場であるためです。
また、「詐欺=高価格」という思い込みも、起業系コンサルの風当たりを強めている要因の1つでしょう。
- 指導=1万円:相場から外れているということは怪しい、きっと詐欺だろう
- 高額=詐欺:普通の人になんでその価格を支払う必要があるのか、気っと詐欺だろう
しかし、価格の決定要因は「人件費」だけではありません。
「需要と供給のバランス」から、価格が大きく上昇することもあります。
例.ダイエット商品
・供給<需要:運動せずに痩せる方法は一般的ではなく高いお金を払ってでも実践したい
・需要<供給:単なるウォーキングなどの基礎知識は無料で手に入りお金を払う気にならない
自分が理想通りに変化するために、その商品がぴったりであり他に手段がないのであれば、自然と価格は高くなるということです。
「高単価商品を売っているから怪しい」という認識は、ビジネス素人の発想であり真に受けないほうがよいでしょう。
- 会社:無料で上司や先輩から指導を受けられる。「指導を受ける=無料」
- 起業家:実費で他者から指導を受けるしかない。「指導受ける=有料」
起業系コンサルの選び方
ここでは、起業系コンサル商品を購入するときのおすすめのステップについてお伝えしていきます。
直感も大切ですが、自分にとって不適切な商品の購入リスクを減らすためにも、この流れを取り入れてみてください。
手順①:自分の目的と目標を明確にする
まず考えたいことは、自分の目的と目標です。
どこを目指すのかによって、何をすべきでどんな課題が生じるのかが変わります。
自分にとって優先順位の高い課題を炙り出すためにも、目指す地点は明確にしておきましょう。
- 目的:何を果たしたいのか、それを果たすとどうなるのか
(例.孤児にも平等な学習環境が提供される世界にしたい) - 目標:目的を果たすために必要な条件とは何か
(例.孤児院専用の無償で授業を受けられるボランティア団体を孤児の1/10規模にすること)
(例.大手塾が提供しているオンライン講座を孤児に開示してもらえる仕組みを作ること)
目的も目標も、いつ変えてもよいものです。
新たな経験をすれば幸せの形は変わり、自分の意外な一面を発見すればより効果的な手段を見つけられることがあるためです。
しかし、変えるにしても変えないにしてもかならず目的と目標を明確にして、今自分がどこに向かおうとしているのか意識できるようにしてください。
- 目的の不足:言語化が難しい成功要素を漏らす可能性が高まる
(例.年商10億円の社長になるという目標を達成したが、誰も信用できなくなった) - 目標の不足:言葉ばかりで実行が伴いづらくなる
(例.幸せな家族を築きたいという目的があるが、何をすべきか分からず先延ばしを続けている)
手順②:課題と必要な支援を明確にする
目指したい地点を明確にしたら、そこにたどり着くために不足しているものを探します。
この不足しているものが課題であり、その課題を解決するための手段の1つが支援を受けることです。
「現状」と「数か月後の自分」との違いから「課題の仮説」が、その課題を乗り越える自分のストーリーを想像することで「支援の仮説」が見つかります。
- 課題:目的や目標を達成するために乗り越えるべき壁、いま達成できない理由
(例.数学の点数が足りないからこのままでは受験には落ちそうだ) - 支援:自力よりも早く、またはラクに課題を乗り越えるための手助け/介入
(例.数学の点数UPには「新たな参考書を買う/塾に通う/友人に教わる」などの支援が有効だろう)
(例.数学の点数が上げられたとしたら、その私はきっと「友人に教わる」によって変化しただろう)
ただし、課題はいくつもあり、またその本質は自分ではわかりづらいものです。
どの課題から取り組むべきか、取り組むべき課題はどうしたら解消できるのかを徹底的にリサーチしてください。
- 課題の優先順位:現状の次のステップに移行するための目の前にある障害物
(例.料理ができない人はまず調理過程をイメージできるようになることが最初の課題) - 課題の本質:その課題が課題として残り続ける本当の理由
(例.「方法が分からない」からではなく本当は「失敗することが怖い」から行動が止まっている)
また、多くの課題は並列的であり、取り組む順番に正解がないこともあります。
現状から一歩前進するのに妥当な課題なのかという視点で、判断するとよいでしょう。
- 並列的な課題:取り組む順番に正解のない課題
(例.高校の受験勉強では「数学」「国語」「英語」「社会」「理科」のどれから手を付けてもよい) - 直列的な課題:取り組む順番に正解のある課題
(例.数学で高得点を取るにはまず「算数」を習得しなければならない)
★課題の種類
起業における課題の種類は主に次の3つに分けられます。
ただし課題は玉ねぎのように複層的であるため、安易に決めつけずに本質を見極めるようにしてください。
・知識不足:分からないからできない(稼ぐには何をすべきかわからない)
・技術不足:できないから失敗する(ステップメールの品質が低いから売れない)
・実行不足:できることをやれない(調べればいいのにめんどくさくてできない、怖くて発信できない、どうせ売れないと思って動けない)
手順③:支援をしてくれそうな人をリスト化する
課題と有効そうな支援方法を明確にしたら、その支援を提供してくれそうな商品や人物をリスト化していきます。
リスト化することで、どの人の商品がもっとも自分に合っているのかを客観的に検討できるようになるためです。
今乗り越えたい1つの課題に対して、リサーチして最低10人の候補者を見繕いましょう。
★直感は危険
商品を購入しようとしているときは、ひどく落ち込んでいたり、激しく高揚していたりなどたいてい情緒が乱れています。
そのときにたまたま自分の課題に刺さりそうな宣伝を見ると、運命のように感じてその商品だけしか見れなくなります。
しかし、ろくに調べもせずに遭遇する商品は運命ではなく、その販売者が宣伝費を多く支払っているからです。
調べたキーワードに関連した広告が流れてきただけなので、候補の1つに入れるとしても、絶対視しないようにしてください。

手順④:リスト内の人物をリサーチする
リストが10人以上埋まったら、実際にその人物をそれぞれ調べていきます。
どのような商品を提供し、その商品や人物は信用なるのかを徹底的にリサーチしてください。
例.リサーチして比較したい項目
・信用:この人は詐欺師ではないか
・客層:この人に集まる客は私と似ているのか
・背景:この人はなぜこの商品を売っているのか
・経歴:この人は私に似た存在なのか
・実績:この人の商品でどれだけの人が変化したのか
・価格:この人の商品はいくらか
・期間:この人の商品は私が変化するまで十分に提供されつづけるか
・価値観:この人のように私はなりたいか、付いていきたいか
・フォロー内容:実際にどんな支援をされるのか、何を受け取れるのか
・具体的な作用機序(この商品を買うとなぜ変化するのかというロジック)
ただし、起業系コンサルの商品による成果の大きさは個人差が激しく、たいていのクチコミは上振れた成果を出した人によるものです。
「3日で100万円稼いだ人がいる」というような、現実離れしたクチコミは無視することをおすすめします。
★起業系コンサルの受講生の実情
クチコミにおいて、もっとも信用してしまいやすいレビューは悪評です。
しかし、どれほど単価の高い商品だとしても、その半数以上は途中で投げ出してしまいます。
目標が変わったり、そもそも課題が違ったり、本気ではなかったり、買って満足したりなど理由はさまざまです。
いずれにしても、受講生の責任で成果を出せないことも多いため、ネガティブなクチコミだけを信用してしまうことにも注意してください。
手順⑤:リスト内の人物に順位をつける
調べた情報をもとに、比較してリスト内で自分に必要そうな商品を売る人物を順位付けします。
「この人の商品は私の課題解消に役立ち、一歩前に進める」という基準で、少なくとも1位から5位までを決めてください。
また、自分なりに商品が有効であろう仮説を明確にすることもおすすめします。
これらをおこなうことで、自分の期待が明確になり、商品の提供物と自分の欲しいものが一致しているかを確かめられるためです。
例.仮説の要素
・どの商品を買うと
・私は何を知り
・どんな行動が促され
・その結果私のどんな課題にどう作用し
・私はどんな状況からどんな状況に変化するのか
・その変化までにどのくらいのリソースや期間が求められるのか
手順⑥:上位5名の商品を順番に買う
ランキングとそれぞれの仮説を明確にしたら、1位から順に購入していきます。
起業系コンサルの商品は玉石混交であり、かならずしもアタリを引けるわけではないためです。
失敗前提で、1つの課題に対して少なくとも5つ以上購入するつもりでいましょう。
ただし、1つの商品を購入することで、あらたな情報が手に入りリストやランキング自体が変わる可能性があります。
その場合は、再度「手順①」に戻り、自分の目的や目標の点検作業から始めてみてください。
★予算配分に気を付けよう
個人事業主として起業を志す人の最大の失敗パターンは、1つの商品に対して全額プッシュすることです。
100万円の予算しかないのに100万円の自己投資をしてしまい、ハズレを引いて撤退するという目に合う人が少なくありません。
100万円の予算しかないのなら、20万円程度を限度にして商品を吟味しましょう。
どうしてもそれ以上の価格帯の商品が欲しいなら、空いている時間があるならばバイトや副業、本業により予算を増やすことをおすすめします。
起業系コンサル選びにおけるよくある失敗
ここでは、起業系コンサルの商品購入時における失敗ケースについてお伝えしていきます。
失敗①:詐欺的商品
詐欺的商品とは、ほぼすべての人にとってまったく価格に見合わない内容のことです。
通常の商品は、一部の人には価値があり、その他大勢には価値がないという特徴があります。
しかし詐欺敵商品は、全ての人が「いや、これでこの値段はおかしい」という感想を抱きます。
例.詐欺的商品
・100万円を払ったのに一向にサービスが提供されない
・スキルゼロでも稼ぐ方法と謡っていたのにアフィリエイト仲介権利だった
・起業家育成コースという名で販売されていたのに「いいから動け」的なメッセージを語った動画だけだった
詐欺的商品を見分けるのに、フォロワー数やクチコミはほとんどあてになりません。
そうした商品提供者はマーケティングに精通しており、売るための施策を徹底しているからです。
本当にその人物を信用できるかを調べるためにも、実際の知人からの紹介や、フロント商品と呼ばれる安い価格帯の商品をその人物から購入してみてください。
★一般商品の合う合わない
一般的な商品も、その商品が必要な願望/課題/環境が整ったタイミングでない限り「高い」と感じるものです。
しかしこれは人によっては価値あるものであり、たまたま自分には価値を感じられないだけにすぎません。
詐欺かどうかは、その見極めが大切になります。
・塾→学力を上げたい人には意欲が出る場だが、親に通わされている人は退屈なだけ
・ホスト→必要な人はいくらでもお金を貢ぐが、不必要な人は居酒屋以上の価値を見出せない
・ブランド商品→欲しい人は大金を払うが、欲しくない人はまったくの無価値

失敗②:価値観が合わない
価値観とは、自分が大切にしたい本質的に求めていることです。
数値目標では表せないニュアンスであり、意欲的になる原動力でもあります。
- 数値目標:売上20%UPを目指す
- 価値観:本当に必要な人にだけ商品を売り、相手の人生を良い方向に変える手助けをしたい
たとえば売上第一主義の価値観を持つ人は、数値目標を上げる最短ルートにこだわります。
格好良さや美しさを犠牲にしてでも、早く大きく稼ぐことを目指すでしょう。
この価値観に賛同できるならば、それはあなたにとってピッタリな商品なのかもしれません。
しかし、もし「正しいかもしれないけどやりたくない」と感じるならば、いくら有効な指導をされたとしても、嫌悪感ばかりが増してあなたのビジネスの役には立たないはずです。
★欲求は区別しよう
価値観とは純粋な欲求であり、満たされることで充足感が生じます。
しかし、満たしたいという欲求にも種類があり、これらは区別して考えなければなりません。
混同させると、自分にとって本当は必要ないものを過度に追い求め、目標達成の足かせになってしまいます。
・保身:周りからバカにされたくないから安定を追求するべきだ
・不公平:私はがまんしているのだからルールを破った人には厳しい処罰を科すべきだ
・価値観:私は心の底からみんなの居場所を作りたいと感じる
・不安感:一人になりたくない。だからみんなの居場所を作りたい
・高揚感:楽しい!もっとやりたい!!
・興味関心:気になって仕方がない。もっと知りたい。これを試したらどうなるんだろう
失敗③:うまく活用できない
他者からの支援を受けるとき、双方向からの働きかけが求められます。
塾や部活でもそうであったように、ビジネスにおいても「支援者」と「被支援者」が協働しなければ成果は出ません。
もし被支援者が支援者と協働するスキルが未熟なら、どれほど熟達した支援者であっても何の役にも立たないのです。
例.非支援者に求められるスキル
・意欲的であること
・支援者を信頼すること
・自分の頭で考えること
・支援者の言葉を理解できるまですり合わせること
・教わったことを能動的に試し、課題を発見し、支援者と共有すること
非支援者における最も非効果的な態度は、「お客様感覚」を保持することです。
相手にやる気も理解もすべて託し、「私を動かすこと」を丸投げする態度だと、支援者は何の力にもなれません。
「成功するために支援者を活用する」という態度を持ち続けましょう。
この態度を保てないうちは、自己投資すべきタイミングではないと割り切ることをおすすめします。
★支援者も答えを知らない
支援者を活用するうえで大切な考えは、「支援者も答えを知らない」という前提を持つことです。
ビジネスには1つだけの正解は存在しません。
答えは人や環境、時代によって異なり、あるとしても目標達成に近づくための適切な方向性ぐらいです。
「早く答えを教えてよ」という考えを持っていると、支援がじれったく感じて意地悪されている気になり、支援されることへの抵抗感が強まります。
支援者に対しては「一緒に答えを探していくパートナー」ぐらいの位置づけが健全でしょう。
失敗④:支援への期待値が高すぎる
支援への高い期待とは、商品を購入しても得られないであろう成果を求めることです。
期待を下回る支援には不満を抱き、どれほど適切な支援であっても役に立たなかったと判断してしまいます。
例.支援への高すぎる期待
・基礎を学ぶ商品なのに、これだけで一流に追いつくと信じる
・やり方を学ぶ商品なのに、やる気を出させてもらえると信じる
・マインドを身につける商品なのに、正しい稼ぐための方法を教われると信じる
「これさえ買えば状況が好転してすべてうまくいく」という期待は、たいていが高すぎる期待です。
その期待で商品を買うと、むしろ資金が減ることによって状況が悪化するばかりでしょう。
このような高い期待をしないためには、その商品が自らの目標にどう機能するのかという「作用機序」を把握することが重要です。
そのためにも、「なぜ今の自分では目標を達成できないのか」という深い考察が求められます。
- 浅い考察:上辺の課題に対する考察。その課題を解消しても前に進めない
- 深い考察:核心的な課題に対する考察。その課題さえ解消すれば前に進める
まとめ
起業系コンサルとは、上司や先輩のような立ち位置の人であり、あなたの事業を前進させるために必要な答えを一緒に探すパートナーです。
起業系コンサルが提供する課題解決は、主に次の3つに分類されます。
- 種類①:スキル指導型
- 種類②:ロードマップ型
- 種類③:マインドセット型
起業系コンサルの関わり方は、以下の3つのうちの1つ、または複数を組み合わせたものです。
- タイプ①:情報提供
- タイプ②:一対一セッション
- タイプ③:グループセッション
起業系コンサルさえ雇えば上手くいくのではなく、価値観の合う人物から、現状の課題に合った商品を購入しなければ意味がありません。
闇雲に直感的に起業系コンサルを雇わずに、少なくとも以下のような手順によって慎重に選ぶことをおすすめします。
- 手順①:自分の目的と目標を明確にする
- 手順②:課題と必要な支援を明確にする
- 手順③:支援をしてくれそうな人をリスト化する
- 手順④:リスト内の人物をリサーチする
- 手順⑤:リスト内の人物に順位をつける
- 手順⑥:上位5名の商品を順番に買う

