個人で稼ぐ方法の1つに、自分ビジネスがあります。
自分で商品を作り売る働き方のことですが、個人事業主やスタートアップとは何が違うのでしょうか。
この記事では、自分ビジネスについてお伝えしていきます。
一連の流れや躓きポイントについても紹介するので、自分ビジネスを始めてみたい人はぜひとも読んでみてください。
自分ビジネスとは何か
自分ビジネスとは、企画・商品開発・販売を自分でおこなう稼ぎ方のことです。
資本が少ない個人による商売であるため、商品はサービス系が多い傾向にあります。
★よくある自分ビジネス
・落ちこぼれ救済専門の家庭教師
・自信を持つためのダイエット指導
・目標達成を支援しあうグループ運営
・年商1千万円を稼ぐためのブログ運営
・スキルゼロの人が稼ぐための営業技術の伝授
自分ビジネスにおける最大の特徴は、自分で商品を作ることです。
すでにある商品を代わりに売るのではなく、自分が提供したい商品を生み出すのです。
宣伝力が弱いためよりニッチな市場を開拓することになり、お客様の悩みによりフィットするサービスの開発と提供が肝になります。
例.ブラジャー販売
・マス市場:女性用ブラジャーの製造と販売(競合多)
・ニッチ市場:大きい胸専用のブラジャーの製造と販売(競合少)
個人で新しい商品を作り、大きく稼ぐことが可能な界隈です。
自己実現の手段として人気がありますが、実際に成功できている人はそれほど多くありません。
安定した収入が欲しい場合は、正社員やアルバイト、フリーランスなどの選択肢のほうが現実的でしょう。

自分ビジネスと類似した働き方
ここでは、自分ビジネスと類似する働き方との違いをお伝えしていきます。
類似①:自分ビジネスと独立
自分ビジネスと独立の違いは、主に企画部分にあります。
独立とは属していた組織から離れ個人事業主、または会社を起こして稼ぐことです。
元の組織とは多少の違いがあれど、本質的には同一の企画を実施しています。
- 独立:たこ焼き屋さんの従業員が、同じ顧客向けにたこ焼き屋さんで開業する
- 自分ビジネス:たこ焼き屋さんの従業員が、高所得者向けのたこ焼き屋さんを開業する
独立はフランチャイズのようなものであり、消費者は同じような会社が増えたという認識を持ちます。
対して自分ビジネスは独立よりも起業的なニュアンスが強く、消費者は新しい選択肢が増えたという認識を持ちやすいです。
★キャッチコピーだけの市場の開拓
自分ビジネスが起業的な側面があるのは、宣伝力が小さいことから競合が少ない市場で商売する必要があるためです。
普通には売れないから、売るための工夫として商品を尖らせています。
しかし、なかには「めんどくさがり専用の稼ぐノウハウ」と謳いながら「めんどくさがり専用」に最適化されていない商品を売る人もいます。
このようなキャッチコピーと商品の不一致があると、商品が売れてもお客様の不満が強まるため、ビジネスの継続は困難になります。
類似②:自分ビジネスとフリーランス
フリーランスとは独立と同じような概念であり、自分ビジネスとは企画部分に違いがあります。
ただし、フリーランスは独立家よりも自分ビジネスとの距離が近いです。
フリーランスは比較的新しい市場であり、先駆けのフリーランサーがフリーランス初心者に対してノウハウを伝授するというビジネスが流行っているためです。
この指導業は最近では目新しさがなく起業というニュアンスは弱いですが、「フリーランス→コンサル起業」という流れは未だに廃れていません。
例.webライターにおけるコンサル起業の流れ
①実際にwebライターで30万円を稼ぐ
②自分が稼いだ方法やスキルを初心者に指導するコンサルを始める
類似③:自分ビジネスとスタートアップ
自分ビジネスとスタートアップの違いは、主に企画の規模感にあります。
スタートアップは短期間で数億円~数十億円の売上を狙える革新的アイデアの実施であり、社会に大きなインパクトを与える傾向があります。
対して自分ビジネスは社会的課題よりも個人的課題に焦点が当たりやすく、そのインパクトはあまり大きくありません。
例.勉強支援
・自分ビジネス:偏差値を30上げる勉強方法の指導
・スタートアップ:塾に行かなくても一流講師から学べる動画サイト開発
スタートアップのほうが起業的なニュアンスが強く、社会に対して新たな選択肢を提供します。
破壊的イノベーションを実現しようとする組織がスタートアップであり、自分ビジネスとは企画の規模感が全く異なります。
★スタートアップ成功例
・メルカリ
・Facebook
・スマートニュース
自分ビジネスの流れ
ここでは、自分ビジネスで稼ぐための基本的な流れについてお伝えしていきます。
流れ①:全体のコンセプトづくり
全体のコンセプトづくりでは、「私は誰にどんな影響を与えたいか」を明確にしていきます。
具体的な手段やスキルよりもまず、自分の情熱が大切です。
「できる/できない」ではなく「ワクワクする」「関心がある」という軸で検討してみてください。
★全体のコンセプト例
・毒親で不幸な人が自分なりの幸せを見つける支援
・自分迷子の人が1つの軸を見つけ人生に没入するための支援
・シングルマザーが子供との時間を大切にしながら稼ぐための支援
全体のコンセプトの候補を複数出したら、次はそれぞれの市場調査をおこないます。
本当にそのターゲットは存在し、ターゲットはその影響を望み、競合他社には誰がいるのかを調べてみましょう。
もしも強力な競合他社がいる場合は、その競合他社では救われづらい人を探すことで、競合の少ないニッチな市場を見つけられます。
★自分がそれをする意味
すでに強力な競合他社がいる場合、スキル0かつ個人であるあなたが市場に参入する旨味は多くないかもしれません。
たとえ商品が売れたとしても、自分の上位互換がすでにいることが頭をよぎり、「自分よりも他の人の商品を買ったほうが相手のためだろう」と考えるようになるためです。
お金の面だけではなく、精神衛生上もデメリットが多くなります。
自分ビジネスをするときは、自分なりに納得できる「私がそれをする意味」を見つけることをおすすめします。

流れ②:入口づくり
入口とは、お客様候補であるターゲットがあなたを認知する場のことです。
個人ビジネスにおいては、SNSやブログなどが該当します。
商品やスキルがなくとも、全体のコンセプトが決まったら入口づくりを始めましょう。
一朝一夕で入口を作ることはできず、少なくとも3カ月〜半年の時間を要するためです。
★入口の役割
・ターゲットに自分を認知してもらうため
・ターゲットが関心を持つネタを知るため
・ターゲットと接触して本当の悩みを知るため
入口づくりでは認知度を上げることも大切ですが、集まる人を制限することも同じくらい大切です。
万人受けを狙うと、商品に興味はないのにヤジだけを飛ばす人ばかりが集まります。
「全体のコンセプト」や「将来作るであろう商品」に関心を持つ人だけが集まるような情報発信を心掛けることをおすすめします。

流れ③:商品づくり
入口づくりと並行しながら、商品づくりをおこなっていきます。
全体のコンセプトのうち、今の自分が役に立ちそうな部分を切り取り商品を構築しましょう。
例.全体のコンセプト「スキル0の人がwebライターで30万円稼げるようになる」
・商品案①:webライターで30万円を稼ぐ方法
・商品案②:AIを活用した文章術を身につける支援
・商品案③:平均点を取れる導入文の書き方の指導
・商品案④:やる気を60点で維持するための環境づくり指導
商品をつくるときは、未解決な重要な困りごとをリサーチすることをおすすめします。
その困りごとを放置せざるを得ない理由や、既におこなっている非効果的な努力などを調べることで、効果的な商品が出来上がっていきます。
「どんな介入をしたらどんな状況の人がどう変わるのか」というロジックができあがったら、モニターを実施して効果を検証してみてください。
★需要を確認しよう
実際に商品を作り上げる前に、本当にその商品が求められているのかを確認することをおすすめします。
渾身の商品が実は誰も求めていなかったという事態になると、その開発期間がまるまる無駄になってしまうためです。
需要を確認するには、たとえば次の3つの方法でターゲットの反応をうかがってみるとよいでしょう。
・作ろうとしている商品に関する情報発信をSNSでする
・無料相談会をおこなって集まった人に商品案を提案してみる
・作ろうとしている商品に関するセミナーやウェビナーを開催する

流れ④:導線づくり
導線とは、ターゲットの購買意欲を高めるための仕掛けのことです。
あなたに興味を持った人が、商品購入までのステップを移行するための工夫をしていきます。
★一般的な導線(お客様目線)
A.メルマガ式導線
①SNSであなたを認知する(入口)
②無料特典が欲しくてメルマガに登録する
③ステップメールで重要な課題を理解する
④LPでその課題を解決するための商品が必要かを判断する
⑤申し込みページから商品を購入する
B.セミナー式導線
①SNSであなたを認知する(入口)
②今ある問題を解決したくてセミナーに参加する
③セミナーで重要な課題を理解する
④個別相談で相手の問題を解決する
→問題次第で自分の商品を紹介する
導線づくりでは試行錯誤が重要になります。
たたき台を短期間で作り、実際に提供してみて、打率をもとに改善点を見つけ修正しましょう。
自分ビジネスに挑む大半の人は、この導線づくりで躓き1度の失敗で諦めます。
最低でも10回のトライアンドエラーを繰り返さないとまともな導線は出来上がらないため、質より量をモットーに大量行動をすることをおすすめします。

流れ⑤:入口拡大
ある程度導線の質が高まったら、入口を拡大して認知を広げていきます。
商品がたくさん売れるまでは時間が有り余っていると思うので、入口拡大にリソースを注ぐことをおすすめします。
★入口拡大の例
・広告を活用する
・別のSNSを始める
・今取り組んでいるSNSの投稿頻度を増やす
・ココナラなどでフロントを売ってみる(個別相談やセミナー)
流れ⑥:商品販売とフォロー
導線が改善されて人が流れるようになったら、だんだんと商品が売れるようになります。
商品の内容次第ですが、可能な限り購入者へのアフターフォローを徹底するようにしてください。
自分ビジネスは信用が命であり、不評が増えると継続が困難になります。
始めのうちは手間がどれだけ増えようとも、相手の人生を好転することへの労力を厭わないほうがよいでしょう。
「商品を売ること」ではなく「相手の人生を変えること」をゴールにすることで、お客様と関わること自体から報酬感が得られやすくなるのでおすすめです。

流れ⑦:商品改善
ある程度商品が売れるようになったら、お客様に不満をもたらす部分を修正しましょう。
もっとも重要な修正点は、お客様が商品によって変化しないことです。
この場合の原因は、次の4つが考えられます。
- ロジック自体が甘い
- フォローの質が低い
- フォローの量が少ない
- 商品が効かない人に売っている
お客様に変化を起こせる再現性が低いときは、まずは変化量の大きい人の共通項を見つけて、そのターゲットのみに商品を販売するようにしましょう。
変化量の小さい人は、変化を大きくするための仮説を立てながらモニターとして試験的に検証してみてください。

流れ⑧:効率化と新規開拓
商品をある程度売ったら、だんだんと売れる数量が減っていくものです。
これは今声を届けられる範囲の人にあらかた売りつくし、需要が尽きたサインになります。
この場合は、主に次の2つの指針が挙げられます。
- 認知を広げる→声を届けられる範囲を広げる
- 別の商品を作る→今の声を届けられる範囲で別の商品を売る
いずれの方針を選ぶとしても、今取り組んでいることを可能な限り効率化するようにしましょう。
今の仕事を7割程度のリソースでおさめなければ、新しいことを始めてもキャパオーバーになってしまうためです。
★時間の経過で需要は回復することもある
売れる数量が減ったとしても、時間の経過でまた売れるようになります。
同じお客様でも、商品を必要だと思うタイミングはそれぞれだからです。
どのタイミングで必要性を感じるかは、誰にも分りません。
何度も宣伝してウザいと思われないかと心配せずに、同じ商品を定期的に販売することをおすすめします。

自分ビジネスにおける躓きポイント
ここでは、自分ビジネスに失敗する原因についてお伝えしていきます。
躓き①:自己理解の不足
自己理解の不足とは、資質や願望などの自分の傾向が分かっていないことです。
たとえば自分ビジネスを通じて実現したい目的が明確でないと、ラクに成功することばかりを考えてしまい粘り強さが弱まります。
最初は短期的な結果のために努力しますが、しばらくするとそのビジネスをする意味を見出せなくなり途中で挫折するでしょう。
★よくある短期的な結果
・自由であること
・好きなことでお金を稼ぐこと
・一人で稼げるようになること
・周りからすごいと思われること
・今の苦しい職場から解放されること
何を活用するとうまくいきやすいのか、どんなことから報酬感が得られるのか、どこを目指したいのか。
そういった自分の傾向を理解しなければ、自分をうまく活用できずに不幸になる方向に進んでしまいます。
今取り組んでいることに違和感を感じたら、「方法を変える」だけではなく「自分と向き合う」こともおこなってみてください
★自分ビジネスをする目的
自分ビジネスをする本当の目的を、最初から的確に見極めることは難しいです。
新しい経験をすることで、自分の本当の気持ちがようやく分かるということも少なくありません。
まずは短期的な結果を求めて大量行動をおこない、そこで燃え尽きて方向転換することを考えたときに、「私は何をしたいのだろうか」と自分を探求してみてください。

躓き②:目標達成能力の不足
目標達成能力とは、目標を達成するときに共通するスキルのことです。
たとえば以下のようなスキルから構成されています。
- 目標設定能力
- 自己管理能力
- 目標管理能力
- 計画策定能力
- 計画実行能力
- 環境作り能力
- 問題解決能力
自分ビジネスをすることに強い情熱があっても、目標達成能力が低いとがんばっている風止まりになり、求める成果を得られません。
自分には解決困難な課題が立ちふさがると、すべて精神論や才能論で片づけてしまうようになるでしょう。
- 精神論:がんばれば報われるはずだ!行動量が少ないんだ!
- 才能論:私にはセンスがないから立ち止まっているんだ。諦めよう
「目標設定・計画策定・実行・振り返り」の一連のサイクルを回しつつ、都度生じる問題を解決する能力が目標達成能力です。
「がんばっているけど成果が出ない」「そもそもがんばれていない」という人は、目標達成能力の低さが原因なのかもしれません。

躓き③:ビジネス能力の不足
自分ビジネスでは、幅広いビジネススキルが求められます。
企画・商品開発・販売・フォローなどを1人でおこなわなければならないためです。
★ビジネス能力不足による問題
・商品があっても売れない
・作った商品の効果性が小さい
・的外れな商品を作ってしまう
・効き目が低い人に商品を売ってしまいクレームになる
不足したスキルの外注には多額のお金が必要であり、あまり現実的ではありません。
たいていは一定の成果を出した人が、効率化のための手段として外注を用います。
昔も現在も、自分ビジネスをおこなうさいは自分ですべてを回せる幅広いビジネススキルが必要です。
不足したスキルを伸ばすことが無駄だと感じる場合は、組織の一員として働いたほうがよいでしょう。

自分ビジネスの注意点
ここでは、自分ビジネスをおこなうさいの注意点についてお伝えしていきます。
注意点①:寿命が短い
自分ビジネスは、成功したとしても寿命が短く一発屋になりやすい傾向があります。
その理由は、主に次の2つです。
- 商品寿命が短いから:声の届く範囲の人にはすぐに売りつくしてしまう、競合が増える
- モチベが低下するから:自分ビジネスをする意味や目的を見失ってしまう
商品を作って売るというサイクルを、たくさん回さないと継続的に稼ぎ続けられません。
しかしたいていは一度の成功で満足してしまい、新規企画へのモチベーションが湧かずに離脱してしまいます。
自分ビジネスをすると決めるときは、「その忙しいサイクルを永遠と回し続けること」を覚悟する必要があります。
その覚悟が出来上がるまでは、今の会社で働きながら副業として自分ビジネスをおこなうことをおすすめします。

注意点②:時間がかかる
自分ビジネスでまとまった金額を稼げるようになるまでに、とにかくたくさんの時間を要します。
スキルが未熟だったり、そもそもやることが多かったりするためです。
早くとも3カ月、1年で稼げるようになっても優等生の部類に入ります。
★成功までの期間が短い人の特徴
・精神的課題が少ない人:売ることや失敗することへの抵抗感が小さいなど
・需要と供給が一致している人:トレンド商品など
・必要なスキルが備わっている人:マーケティング能力、目標達成能力、商品開発能力など
ビギナーズラックでたまたますぐに成功できたという人もいますが、そのような人は失敗を恐れて継続することが難しくなる傾向があります。
早く成功すればよいというものでもないので、焦らずにじっくりと実力をつけるようにしましょう。
幸運や実績に頼らずに少しでも早く稼ぐためには、試行回数をいかに増やすかが大切になります。
恥を感じるかもしれませんが、「ざつにざっくりやって改善点を見つけて修正する」というサイクルを意識してみてください。

注意点③:怪しい業界の一員になる
自分ビジネスの最大のデメリットは、怪しい業界の一員として認識されることです。
「メルマガの書き方を教えています」と言ったら、親や友人のほとんどは「なにそれ怪しい…」という反応になるでしょう。
自分ビジネスは高単価商品かつ玉石混交であり、マルチ商法のようにも見えるため世間からはまっとうな稼ぎ方とは認識されづらいのです。
★高単価商品
自分ビジネスの戦略は、基本的に厚利少売です。
販売力が弱いことから、企業のような薄利多売では体力が持ちません。
単価が高い商品をいかに作って売るかが、自分ビジネスに求められるスキルです。
どれほどまっとうな商品を作っても、この界隈をよく知らない人からしたら怪しい業界の一員です。
自分ビジネスを始めるときは、そんな奇異の目で見られる覚悟をあらかじめ持っておく必要があります。
また、怪しい業界の一員になるからこそ、自分ビジネスをすることへの信念や情熱がより一層重要になります。
★自分ビジネスのマルチ商法的な側面
もっとも人気のある自分ビジネスは、コンサル業(指導業)です。
商品を作って売るためのスキルやノウハウへの指導はいつの時代も需要があり、比較的簡単に売れるためです。
しかし、「コンサルに教わる→成果を出す→自分がコンサルになる」というように、コンサルが次々に誕生する1つの流れがあります。
これが端から見ると、「なんだかマルチ商法っぽい」という感想につながってしまうのです。

注意点④:教えはお金で買うしかない
自分ビジネスのメリットとして謳われているものに、「資本金0円で始められる」があります。
たしかに指導業のような自分ビジネスであれば、元手がなくとも事業を始めることは可能です。
しかし実際は、自分ビジネスのノウハウやスキルを身につける必要があり、それに多額の出費を要することに注意しなければなりません。
★コンサル業の相場
一般的な自分ビジネスのノウハウ系商品は、50万円~100万円が相場です。
しかも多くの人は、複数のそうした高額商材を買っても満足いく収入を得られずに終わります。
起業である以上稼げないというリスクを受け入れなければなりませんが、その覚悟を持たずに参入する人が非常に多いです。
今は良質の情報が無料で転がっている時代であり、情報を得ること自体はそれほど難しくありません。
それでも保証されていないノウハウの実践は、失敗可能性が頭をよぎらせ抵抗感を強めるものです。
例.知識があっても動けない人のパターン
・ノウハウコレクターになる
・1つの課題を解決するために悩み調べるが行動しないため立ち止まり続ける
・「保証されたい」「早く答えを知りたい」という欲求から、高額商材を購入するようになる
自分ビジネスを始めるときは、予算と活動期間をあらかじめ見積もっておくことをおすすめします。
活動期間に余裕があるならば、自己投資をしなくてもよいかもしれません。
すぐにでも稼げるようになる必要があるならば、少しでも成功確率を高めるために自己投資が必要になるでしょう。

注意点⑤:マーケティングが本職になりがち
自分ビジネスの問題点の1つに、マーケティングが本職になってしまうことが挙げられます。
売れるか売れないかを決める最大の要因は、「商品の中身」ではなく「商品の売り方」だからです。
商品の売り方を疎かにすると売上が立たなくなるため、次第にマーケティングのタスクばかりをおこなうようになります。
- 商品の中身:商品を利用することによる実際の効果性
- 商品の売り方:認知活動、教育活動、セールスなど
「お金」や「困難な目標達成体験」を目的に自分ビジネスを始めたならば、それもよいかもしれません。
しかし、それ以外に目的を持っていた場合、マーケティングばかりにかまけている自分に不信感を抱くようになります。
これじゃない感が生じて、自分ビジネスへのモチベーションが次第に落ちていくでしょう。
- お金が目的:大金を稼げれば満足
- 目標達成体験が目的:難しい目標を達成するためにビジネスをしたい
自分の働き方に疑問を抱いたら、本来の目的を思い出してみてください。
そして、「稼ぐため」ではなく「その目的を実現するため」の計画を立て直すことをおすすめします。

自分ビジネスと自己投資商品
ここでは、自分ビジネスでの成功確率を高めるための自己投資商品をお伝えしていきます。
商品①:情報商材
情報商材とは、ロードマップやテンプレ、コツのような情報を提供するような商品のことです。
たとえば、自己投資として最も人気のある商材である「書籍」は、情報商材に含まれます。
動画・文章・音声などのコンテンツがありますが、そこに指導やフィードバックが含まれていないのであれば情報商材に分類されます。
他者と関わる必要がないため、気軽に商品を購入できることがメリットです。
しかし、スキルがゼロのうちはノウハウを学んでも実行に結びつきづらい傾向があります。
あくまで知識を補完するものであり、実践的なスキルは習得しづらいものであることを覚えておきましょう。

商品②:コーチング
コーチングとは、対話による目標達成の支援をおこなう技術のことです。
特に大手の会社ではコーチングの研修がよく組み込まれており、馴染み深い人も多いでしょう。
最近では「コーチ・エィ」という会社が上場したこともあり、一般的にもコーチングを知る人が増えてきています。
コーチングが自分ビジネスに有効な理由は、主に次の3つです。
- 自己理解力が高まる:本当の願望や目的が明確になる
- 目標達成能力が高まる:目標設定、計画策定、実行、振り返りの一連の流れを一緒におこなう
- 自己変容に焦点を当てる:よりよい選択ができない理由を探求する
ただし、コーチングが有効なのは「知識やスキルが足りているのに達成が困難な目標」だと言われています。
知識やスキルが足りていないうちは、まずは指導系商材や情報商材を購入して実践経験を得たほうがよいかもしれません。
「指導系商材や情報商材を買ったのになんかうまくいかなかった」という悩みを持ったら、ようやくコーチングが選択肢の1つとして有効になります。
★コーチングによる支援
「方法が分からない」という問題に対して、コーチングでは答えを教えません。
「方法が分かってどうなりたいのか」という理想や目的を明確にして、「方法が分かるための行動」を模索し、「その行動を実行するための心理的障害の解除」をコーチングではおこないます。
遠回りしているように感じるでしょうが、この一連の流れこそが目標達成能力の向上に役立ちます。

商品③:指導・フィードバック
指導・フィードバックとはティーチング技術であり、家庭・学校・会社でおこなわれている一般的な教え方です。
何をすべきか、どう考えたらよいのか、何が間違っているのかなどを指導・指摘してもらえます。
- 指導:有効な方法の助言
- フィードバック:現状を評価し、改善点や良点を伝えること
初心者のうちは、指導系の商材を購入することが無難です。
何が良くて何が悪いのかを1つずつ教わったほうが、自分で試行錯誤するよりも早くスキルが身に付きやすいためです。
ただし、ビジネスには正解がないため、教え手をどれほど信頼できるかが重要になります。
教え手に不信感を持つと、せっかくのアドバイスにも疑念を持ち行動が止まってしまうでしょう。
指導系商材を買うときは、「その相手の言葉を信じて行動できるか?」を最優先の判断基準にすることをおすすめします。

まとめ
自分ビジネスとは、自分で企画・商品づくり・販売をおこなう働き方のことです。
厚利少売が基本的な戦略であり、高単価商品を売るためにもよりニッチな市場を開拓する傾向があります。
自己実現のための働き方として人気がありますが、起業的側面があり成功確率、とくに長期的に稼ぎ続けられる可能性は非常に低いです。
「ラクに稼ぐ」とは真逆の働き方になるため、よほどの情熱がない限り本業にすることはおすすめできません。
自分ビジネスを本業にするときは、「なぜその働き方でなければならないのか?」をとことん考えつくし、苦難を乗り越える覚悟を持つようにしてください。