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理想の自分像とは?理想の自分を見つけて目指す方法

自分の人生を考えたとき、「何をするのか」ばかりに囚われてしまいがちです。

しかし、「どのようにありたいのか」も併せて考えることで、より納得できる本当にやりたいことが見つかります。

この記事では、理想の自分像を見つけるための方法をお伝えしていきます。

今後の人生を有意義にするためにも、ぜひとも理想の自分像を明確にしてみてください。

目次
  1. 理想の自分の正体とは?
  2. 理想の自分を見つけるための土台を育むステップ
  3. 理想の自分を見つける方法
  4. 理想の自分を実現する手順
  5. 理想の自分を目指したいタイミング
  6. 理想の自分を目指すときのコツ
  7. 理想の自分を目指すことを阻むよくある落とし穴
  8. 理想の自分に成長するためのツール
  9. まとめ

理想の自分の正体とは?

ここでは、理想の自分像について検討していきます。

正体①:理想の自分は本当にありたい姿

理想の自分とは、制限せずに望む自分のありたい姿のことです。

次の2つの要素の掛け合わせによって、理想の自分が見えてきます。

  • 自分は自分をどのような人だと思いたいのか
  • 自分は周りからどのような人だと思われたいのか

理想の自分像の条件は、「他人からの評価」ではなく「自分が望んでいること」です。

他人からの期待や反応を強く反映させている場合は、理想の自分ではありません。

【例.理想の自分のパターン】
・私は先輩のように人に優しくできる自分でありたい
・私はお母さんのように誰かを守れる自分でありたい
・私は挑戦する自分が好きだから挑戦的な自分でありたい

【例.理想の自分ではないパターン】
・皆に期待されているから人に優しくありたい
・人に愛されたいから頼りがいのある人でありたい
・ズルい人を許せないから人を裁ける清廉潔白な自分でありたい

 

正体②:理想の自分と現状の自分の違い

理想の自分と現状の自分の違いは以下の通りです。

  • 理想の自分:こうありたいと思える最高の自分
  • 現状の自分:現在のありのままの自分

理想の自分と現状の自分とが一致しているほど、自己受容が高まります。

自己受容が低いときは、次の3つのことを意識してみてください。

  • 現状の自分を分析する
  • 理想の自分と現状の自分の一致部分に注目する
  • 夢想でも義務でもない理想の自分を見つけて目指す

準備中:自己受容の方法

正体③:理想の自分と夢想の自分の違い

理想の自分と夢想の自分の違いは以下の通りです。

  • 理想の自分:心の底から望む自分
  • 夢想の自分:なんとなくいいなと考える自分

理想の自分と夢想の自分とでは、望む本気度が異なります。

「そこまで欲しくないけどあったらいいな」程度の望みである場合は、夢想の自分だと考えてよいでしょう。

正体④:理想の自分と義務の自分の違い

理想の自分と義務の自分の違いは以下の通りです。

  • 理想の自分:周りに関係なく本心から望む自分
  • 義務の自分:周りの期待や反応に強く影響された自分

理想の自分は多くの場合、「〇〇でありたい」というように表現されます。

また、そのような理想通りの自分をイメージすると、ポジティブな感情が湧いてきます。

対して義務の自分は、「〇〇であらなければならない」「〇〇であるべき」と表現されることが多いです。

義務の自分をイメージすると、次のような特徴が表れます。

  • 顔がこわばる
  • 視野が狭まる
  • 頭が固くなる
  • ネガティブな感情が生じる

正体⑤:理想の自分と理想の未来の違い

理想の自分と理想の未来の違いは以下の通りです。

  • 理想の自分:心から望んだ自分のありかた、振舞い方
  • 理想の未来:心から望んだ未来の状態、状況

理想の自分は自分のキャラクターのことであり、理想の未来は物語のとある地点のことです。

理想の自分と理想の未来は別々の要素であり、未来について考えるときは両方の理想を描いてみてください。

例.理想の未来と自分
理想の未来:家族でいつも楽しく談話して、月に1度は思い出づくりしている
理想の自分:優しいけれどいざというときには頼りになる存在

正体⑥:理想の自分と仮初めの自分の違い

理想の自分と仮初めの自分の違いは以下の通りです。

  • 理想の自分:自分という認識を持てる、未来の自分の先取り
  • 仮初めの自分:自分以外の誰かを演じているという感覚

理想の自分と仮初めの自分を分ける最大の特徴は、現在の自分とつながっているか、切り離しているかです。

「背伸びしている」ではなく「自分ではない誰かを演じている」という感覚がある場合は、仮初めの自分であるといえるでしょう。

仮初めの自分は他者や自分を欺くことであり、「素の自分は受け入れられない」という感覚を強めて、誰にも自分を見せられなくなります。

「演じていてもそれは自分だ」と認識しつづけるためにも、偽るのではなく背伸びすることを意識してみてください。

例.自分について考える太郎くん
理想の自分:私は次郎くんのような太郎になりたい
仮初めの自分:私は太郎ではなく次郎くんになりたい

準備中:否定的な目標は悪いのか

理想の自分を見つけるための土台を育むステップ

理想の自分を見つけるためには、まずは判断基準を見直すことから始めていきます。

「こうありたい」と「こうあるべき」という自分像は相反することが多く、それぞれを分けて考えないと本当の願望を認められなくなるためです。

ここでは、判断基準を見直すための方法についてお伝えしていきます。

ステップ①:いい自分と悪い自分を書き出す

まずは、自分のなかにある良し悪しの判断を言語化していきます。

自分のことを振り返って、「いいor好きな自分」と「ダメなor嫌いな自分」をそれぞれ書き出してみてください。

多ければ多いほど自分の判断基準が分かりやすくなるため、最低でもそれぞれ10個書くことを目標にしてみてましょう。

例.いい自分と悪い自分
・いい自分:責任を果たす自分、約束を守る自分、好奇心旺盛な自分、フットワークが軽い自分
・悪い自分:嘘をつく自分、利益を優先する自分、仕事ばかりな自分、怠けようとする自分

ステップ②:いい自分と悪い自分を分ける理由を見つける

いい自分と悪い自分を書き出したら、それぞれの自分をそう判断する理由を考えていきます。

  • いい自分:なぜこの自分を「いい自分」と判断するのか?
  • 悪い自分:なぜこの自分を「悪い自分」と判断するのか?

「だから私はこう判断するのか」と納得いく理由が見つかるまで、深く内省してください。

次の問いは、内省することの手助けになります。

  • その判断は周囲の人も同じ?
  • その判断をするようになったきっかけは?
  • その判断と反対の自分になると何が起きる?

ステップ③:判断基準を再検討する

納得いく判断理由が見つかったら、それを持ち続けるか手放すかを決めていきます。

周りの評価基準によって判断している場合は、手放さないと自分を制限してしまい理想の自分が見つけづらいです。

いきなり手放すことは難しいため、周りの評価基準とは異なる自分を許すことから始めてみてください。

ただし、周りの評価基準のように見えても、本心から「こうありたい」という理想の自分も存在します。

手放すかどうかは、周りの評価基準であるか否かだけではなく、その判断基準を自分の本心から好んでいるか否かで決めるようにしましょう。

理想の自分を見つける方法

ここでは理想の自分を見つける方法を8つお伝えしていきます。

方法①:物語から見つける

「物語から見つける」とは、自分以外のストーリーを参考にするということです。

自分以外の人やキャラクターを観察することで、トキメク人物像のヒントが見つかります。

具体的には物語として次のものが挙げられます。

  • 他者の生き方
  • 過去の偉人の生き方
  • マンガの登場人物の生き方

物語から理想の自分を見つける手順は次の通りです。

  1. 物語のキャラクターを観察する
  2. キャラクターの好き嫌いを言語化して理由を内省する
  3. 自分がキャラクターの好きなありかただったらどうなるかを想像する

例.物語から見つける
1.坂本龍馬を観察する
2.坂本龍馬の変革を恐れない勇気が好きだ
3.勇気を持った自分だったらどう生きるだろう?

準備中:ロールモデルの見つけ方

方法②:理想から見つける

「理想から見つける」とは、自分の思い描いた最高に幸せな瞬間にいる自分を想像するということです。

この方法は自分の人生を俯瞰するため、他者からの影響を受けずに理想の自分像を考えやすいという特徴があります。

理想から見つける手順は次の通りです。

  1. 理想の地点を描く(最高に幸せな瞬間)
  2. 現状から理想にたどり着くまでのストーリーをざっくりと描く
  3. ストーリーをもとに理想の地点にいる自分像を想像する

例.実現したい理想の未来から自分像を逆算する
1.在宅で納得する仕事を優雅にこなして、夜は家族で談笑している
2.仕事軌道に乗せたり、家族関係をよくしたりするために泣きながらもやりきったのだろう
3.そんな自分はきっと勇気ある行動ができて、何よりも好きな人との関係性を一番大切にしている

準備中:理想の描き方

方法③:自分史から見つける

「自分史から見つける」では、自分の過去から得たヒントをもとに理想の自分を想像していきます。

強く刻まれている記憶には、自分が大切にしたい譲れない価値観が隠れていることが多いため、理想の自分像が見つかりやすいのです。

自分から見つける手順は次の通りです。

  1. 「x軸=年齢」「y=充実度」の折れ線グラフを作成する
  2. 充実度が低い地点の理由を探索する
  3. 充実度が高い地点の理由を探索する
  4. どういう自分でありたいのかを過去と切り離して言語化する

方法④:不満リストから見つける

「不満リストから見つける」では、自分が感じる不満をヒントにして理想の自分を想像します。

現状や他者、自分自身に対する強い不満の中には、「こうあるべき」「こうありたい」という自分の価値観や本音が隠れていることが多いため、本当に望んでいる自分像が見つかりやすいのです。

不満リストから見つける手順は次の通りです。

  1. 不満に感じたらすぐにメモをする
  2. あとでメモを振り返り不満に感じた理由とどうあって欲しかったのかを言語化する
  3. どういう人間性が好ましいと感じるのかを言語化する
  4. 自分はどんな人間性を目指したいのかを言語化する

例.親への不満から理想の自分像を明確にする
1.人の話をすぐに否定する親にモヤモヤする
2.否定することで自分が優位に立とうとしているから
2.背景に共感して受け止めてほしかった
3.問題に焦点を当てるのではなく一個人と向き合える人が好ましい
4.私は相手を尊重しながら関係性を作れる自分でありたい

方法⑤:価値リストから見つける

「価値観リストから見つける」では、自分が大切にしている価値観を参考にしながら理想の自分を想像します。

価値観とは、満たすことで充実感を抱かせる源泉です。

大切にしている価値観は人によって異なり、その価値観をないがしろにする出来事には不満や怒りが生じます。

自分にとっての価値観が明確になることで、何を大切にできる自分でありたいのかがイメージしやすくなり、進みたい方向のヒントが見つかるでしょう。

価値観リストから見つける手順は次の通りです。

  1. 価値観リストを眺める
  2. 価値観リストから大切だと感じるものを選ぶ
  3. 大切な価値観TOP5を作る
  4. 大切な価値観TOP5におけるそれぞれの価値観を定義化する
  5. 定義化した価値観を大切にできる自分を想像して言語化する

例.価値観リストから理想の自分像を明確にする
・私が大切にしたい価値観は「冒険」だ
・冒険とは、未開の地に訪れ未知を既知にする行動である
・冒険感を充実させるには、好奇心を開放して、その好奇心を十分に活用できる実行力が必要である
・私はどんなときでも興味あるものに飛びつき、全力で走り続けている人間でありたい

準備中:価値観の見つけ方

方法⑥:自分の遺書から見つける

「自分の遺書から見つける」では実際に遺書を書き、先延ばしにしている大切なことを見つけるワークです。

先延ばしにしている大切なことをやれなかったときの感情を味わうことで、今からどんな自分でありたいのかを見つけるヒントが得られます。

自分の遺書から見つける手順は次の通りです。

  1. 自分は明日までの余命でこれから誰とも会えないと仮定する
  2. 「やらなくて後悔したこと」「誰かに伝えたいこと」を遺書として記述する
  3. 遺書を1日置く
  4. 遺書を読み返して自分にとって大切なものを言語化する
  5. その大切なものを大切にできるような自分を言語化する

例.遺書から理想の自分像を想像する
・もっとも後悔することは親に感謝を伝えられなかったことかもしれない
・私は人とのつながりが大切だと感じるんだ
・私は「感謝」と「好意」を素直に伝えられる人間でありたい

方法⑦:自分のお葬式から見つける

「自分のお葬式から見つける」とは、数十年後の自分のお葬式を上から眺めて、そのときどういう感情を抱くかを想像することです。

理想の自分の良し悪しは、次の2つの視点が判断基準になります。

  • どんな人生を過ごせるか
  • 誰にどんな影響を及ぼせたか

自分のお葬式とは人生の集大成でもあり、周囲にどんな影響を与えたのかを考えるのに役立つでしょう。

自分のお葬式から見つける手順は次の通りです。

  1. 何年後にどんな死因で亡くなったのかを設定する
  2. お葬式の風景をイメージして、③④を「嬉しいパターン」と「悲しいパターン」で想像する
  3. どんな人にお葬式に来ているのかをイメージする
  4. その人たちは自分のことをどんな人間だったと言っているかをイメージする
  5. どういう人と関わりどんな人だったと言われたいのかを言語化する

例.お葬式から理想の自分像を想像する
1.10年後に交通事故で亡くなる
2.小規模のお葬式がおこなわれている
3.友人と家族が悲しんでくれている
4.「一緒にいて楽しい人だった」と言ってくれている
3.会社関係者ばかりで誰も悲しんでくれていない
4.「仕事が遅かった」「信用できなかった」と言っている
5.私は深い関係性を作りそれを大切にしつづけられる人間でありたい

方法⑧:最悪の未来からタイムスリップして見つける

「最悪の未来からタイムスリップして見つける」とは、最悪の未来から現在に戻ったと想像するワークです。

最悪の未来で後悔を味わい、その後悔を抱えて現在と向き合うことで、自分にとっての望みが見えるようになります。

また、長期的視点も手に入るため、実行力が高まるメリットもあります。

最悪の未来からタイムスリップして見つける手順は次の通りです。

  1. すべてがうまくいかなかった最悪の未来を想像する
  2. その未来で感じる不快な感情を味わい後悔を言語化する
  3. その後悔を抱えた状態で現在に戻る
  4. 自分はどうありたいのか、何をなし得たいのかを言語化する

例.最悪の未来から理想の自分像を想像する
1.フリーランスになったが一銭も稼げずほぼニート状態
2.周りから逃げるように引きこもり、もう結婚するのも難しい年齢でこのまま孤独に生きていくことが辛い
3.まだ周りとの関係性も維持できており結婚するのも難しくない現在に戻る
4.目先の困難に屈しないような、周りと肩を並べられる人間でありたい

理想の自分を実現する手順

ここでは、理想の自分へと成長していくための手順をお伝えしていきます。

手順①:理想を描く

まずは、自分にとっての理想的な人生を描きます。

理想の未来と理想の自分が一致するほど、心から理想の自分像になりたいと感じるようになるためです。

理想の人生を描くには、15年後の充実感のある最高な生活を想像してみてください。

現在のリソースを切り離し、お金も時間もいくらでもあるという前提で想像すると、本心からの理想を描きやすくなります。

準備中:理想の人生

手順②:理想の自分を設定する

「こんな生活を送りたい」という理想の人生が描けたら、その人生を送るにふさわしい理想の自分像を設定します。

どのような人間性であれば、その生活を難なく送れているのかを想像してみてください。

理想の自分を明確にするときは、過去と現在を切り離して、本心から望む自分像を自由に描きましょう。

上述した「理想の自分を見つける方法」を活用すると、より詳細な理想の自分が明確になります。

手順③:2つの目標を設定する

理想を実現するために必要な目標を設定していきます。

目標を設定しないと、進むべき方向性と課題が明確にならず、理想を実現することが難しくなるためです。

理想の実現と理想の自分への成長をするために、次の2つの目標を設定してみてください。

  • 結果目標:何が達成されれば理想が実現するのか?
  • 成長目標:どんな成長が促されれば理想が実現するのか?

目標の設定方法によってその実現可能性が変動します。

特にこだわりがないのであれば、SMARTの法則に則った目標を設定することをおすすめします。

準備中:目標の設定方法

手順④:計画を立てる

目標を達成するための計画を立てていきます。

何をすれば目標が達成されるのかというストーリーが明確であるほど、目標達成確率が高まるためです。

計画を立てるときは、目標を細分化して時系列順に並べていきます。

15年後の理想を実現するための目標を設定している場合は、次の手順をおこなってみてください。

  1. 大目標の設定:15年後の理想を実現するための目標(3~5個、3年~15年単位)
  2. 中目標の設定:大目標を達成するために必要な要素(3~5個×大目標数、1~5年単位)
  3. 小目標の設定:中目標を達成するために必要な要素(3~5個×中目標数、半年~1年単位)
  4. 行動目標の設定:小目標を達成するために必要な要素(小目標ごと、1日~1ヵ月単位)

準備中:計画の立て方

手順⑤:マインドを整える

計画を遂行して目標達成できるようなマインドを設定していきます。

人は論理だけではなく感情で動くものであり、その感情はマインドによって発生するためです。

たとえば次のようなマインドは、理想の自分を目指すことを後押しするでしょう。

  • 人はいつまでも変われる
  • 他者の評価は後からいくらでも変えられる
  • 失敗をするほど価値の高い成功が手に入る

準備中:精神的な成長を遂げる5ステップ

手順⑥:環境を整える

計画を遂行しやすい環境を整えることで、実行力の強化を図ります。

マインドや行動量は、環境に強く影響を受けるためです。

緊張感のないラクな環境であるほど、理想から遠のく未来を作る行動を促します。

ラクであることと効果的であることは別ですので、それらを分けて環境を整えてください。

準備中:成長環境の作り方

手順⑦:実行しながら成長する

ここからは、実際に行動して計画を進めていきます。

行動するときは理想の自分を判断基準にして、「理想の自分だったらどうするか?」と自問自答してください。

この目標はあくまでも理想の自分を目指すためのものであり、現状の自分であり続けるためのものではないためです。

理想の自分を演じながら計画を進めることで、理想の自分になるために必要な課題が明確になります。

その課題と向き合い乗り越えることを繰り返せれば、目標達成をするころには理想の自分像に限りなく近づいているはずです。

ただし、理想の実現は自分にとって困難な挑戦になりやすく、途中で行動が止まりやすいです。

自分1人では計画を遂行できないと感じたら、理想の実現を支援してくれるコーチングに自己投資することをおすすめします。

準備中:目標達成にコーチングが有効な5つの理由

手順⑧:定期的に振り返る

計画を遂行したら、定期的にそこで得た経験を振り返りましょう。

振り返りをおこなうことで、より多くの教訓が手に入り成長が促されるためです。

ただし、成長が促されないような振り返りは百害あって一利なしです。

自分を責めるのではなく、次に活かせる何かを探すことを目的に振り返ってみてください。

主に次の3つの成果物を得るために振り返ることをおすすめします。

  • 新たに得られた教訓:この思い込みは〇〇のときはよいが××のときは悪影響
  • 次に乗り越えるべき課題:この課題を解消できるようになれば理想に向けて一歩前進できる
  • 理想の自分と一致した成果:理想の自分像と同じ振る舞いができた

準備中:振り返りの方法

理想の自分を目指したいタイミング

ここでは、理想の自分を目指したいタイミングについてお伝えしていきます。

ここで紹介するタイミングが訪れたら、一度立ち止まって自分はどうありたいのかを想像してみてください。

タイミング①:新しく何かを始めるとき

進学や就職、結婚などの機会では、理想の自分になることを目指してみるとよいでしょう。

新しく何かを始めるタイミングでは、いままでの固定化されたパターンから開放されて、新しいパターンを作るタイミングとして最適だからです。

「どの方向にどう進んでいくか」は最初が肝心であり、自分で方向性を決めておかないと周りに流されて自分を大きく変えられなくなります。

新しい環境をスタートさせると目先の忙しさで理想の自分像と向き合えなくなるので、新しい環境が決まった時点で一度理想の自分を想像してみてください。

タイミング②:何をすべきか分からなくなったとき

退屈感や停滞感など、現状のままではよくないと感じたら、理想の自分を想像してみましょう。

どの方向が自分にとってのゴールかを見定めるには、自分の理想を明確にする必要があるためです。

選択の良し悪しは自分が規定しなければならず、待っていても誰も教えてくれません。

「何かいいことが起きないかな」という感覚は、自分の本音と向き合い、そのために自ら行動しなければ取り払えないのです。

どの方向性に力を注げばいいのか分からないときは、理想の未来とその理想を実現できている自分を明確にしてみてください。

「今より充実した自分ってどんな感じだろうか?」という問いに答えられるようになることで、何をすべきかが見えて日常に活気が生まれます。

準備中:やりたいこと探しを終わらせる方法

タイミング③:今のままではうまくいかないと感じたとき

このまま続けてもうまくいかないなと感じたら、理想の自分を目指すことで状況が改善することがあります。

現状維持では成功しないだろうという感覚は、理想へのレールに乗れていないことから生じるためです。

成功するためには、てこ入れをして理想へのレールに乗れるように軌道修正する必要があります。

「どの方向に、どうやって軌道修正すべきか」の答えを見つけるためにも、理想の未来や自分像と向き合って本当の課題を見つけてみてください。

次のような問いは、理想へのレールに軌道修正するために有効になりやすいです。

  • 理想の自分だったらどんな行動をするだろうか?
  • 理想と現状とのギャップを作る要因は何だろうか?
  • 理想と現状とのギャップはどうすれば解消されるのだろうか?

準備中:計画を後ろ倒しにしないためには

理想の自分を目指すときのコツ

ここでは、理想の自分に成長していくためのコツをお伝えしていきます。

理想の実現をするためにも、ここで紹介するコツを取り入れてみてください。

コツ①:頭・心・体を使おう

理想の自分を目指すときは、「頭・心・体」をフル活用しましょう。

理想と現状の自分は「当たり前」という感覚が異なり、その当たり前の更新には「頭・心・体」のすべてを使って納得する必要があるためです。

  • 頭:論理で納得する(調べる、考える)
  • 心:感情から納得する(感じる、内省する)
  • 体:体感によって納得する(行動する、振り返る)

特に体感による納得は、挑戦的な行動が必要であるため疎かにされがちです。

しかし、実際に行動しなければ心の底から腑に落ちないものですので、理想の自分を目指すときは体感することを意識してみてください。

準備中:勇気を出す方法

コツ②:小さな行動から実験しよう

理想の自分を目指すときは、現在の自分では難しく感じるような挑戦的な行動が求められます。

しかし、いきなりリスクの大きな行動をするのではなく、小さな行動から段階的に検証するようにしてください。

大きな痛みが生じると挑戦意欲が低下して、現状維持で満足してしまうことを促してしまうためです。

理想の自分になるには長い年月が必要であり、一長一短に成長できるものではありません。

長期的視点を持って焦らず実験を続けることで、安定的に成長が促されて理想の自分へと近づいていきます。

準備中:自己成長とは

コツ③:毎日目的地点を思い出そう

理想の自分を目指すときは、可能な限り理想の目的地点を思い出す工夫をしてください。

理想の実現のために目標設定をすると、視野が狭まって目標達成が目的だと誤認してしまうためです。

理想の自分になり理想を実現するための手段が、目標設定や目標達成であるべきです。

ビジョンボードを眺めたり、コーチングを受講したりして、目的のすり替わりが起きることを防ぎましょう。

コツ④:改善ではなく成長に意識を向けよう

成長に意識を向けることで、より早く理想が実現していきます。

成長を実感することはポジティブな感情を生み出しやすく、理想を実現する過程を楽しめるようになるためです。

目標設定や振り返りにおいて成長と改善のどちらに焦点を当てているかは、理想を実現する可能性やスピードに強く影響を及ぼします。

理想を実現することが単なる苦痛と感じている場合は、強みや成長にフォーカスするように心がけてみてください。

準備中:挑戦過程の楽しみ方

コツ⑤:周りからどう見られたいかを意識しよう

理想の自分になることを目指すときは、周りからどう見られたいかを意識してみましょう。

自分のありかたの良し悪しは、良くも悪くも周りの評価に影響を受けるものだからです。

「こうありたい」と「こう見られたい」は強く関連していることが多く、この結びつきをほどいてしまうと動機づけが弱まってしまいます。

ただし、「周囲がそう評価してくれるだろう」と期待して他者評価に振り回されるのではなく、「周囲からそう見られる自分」へと成長するように心がけてみてください。

そのように他者評価を捉えることで、周囲からの評価は重要なフィードバックになり、理想とズレを確かめる情報源として活用できるようになります。

準備中:アドバイスを受け取れない人の心理とは

理想の自分を目指すことを阻むよくある落とし穴

ここでは、理想の自分を目指せなくなる原因についてお伝えしていきます。

落とし穴①:失敗を恐れて行動が止まる

理想の自分を目指すには挑戦的な行動が必要であり、その分失敗する回数も増えていくものです。

そのため失敗への耐性が低いと、挑戦できなくなって現状維持に甘んじるようになります。

失敗に挫けずに挑戦するためには、失敗を乗り越える術を身につけることが有効です。

恐れているのは「失敗」ではなく「失敗によって生じる損失」だと理解して、自分が回避したい本当の問題と向き合ってみてください。

その検証作業を繰り返していくことで、失敗への耐性が高まり挑戦的な態度で理想の自分を目指せるようになります。

準備中:失敗の乗り越え方

落とし穴②:真の理想探しをやめられない

「もっとトキメク理想の姿があるはずだ」というように、真の理想探しを始めると理想を実現できなくなります。

計画段階から一生前に進められなくなり、実行が疎かになるためです。

理想を明確にすることは大切ですが、どれほど考えても真の理想は見つかるものではありません。

試してみなければ分からないことが多く、その情報なしでは何が正しいのかを判断できないのです。

たたき台程度の理想を描いたら、後は行動しながら修正していきましょう。

落とし穴③:理想の自分と比較して虚無感を抱く

理想を強く意識しすぎると、虚無感を抱いてモチベーションが低下することがあります。

遠くにある理想に焦点を合わせることで、前進していないように感じてしまうためです。

理想は目指す方向性を明確にするだけではなく、内発的なエネルギーが生まれる原動力でなければなりません。

そのように理想を活用してモチベーションを保つためにも、理想と現状の比較では「ない」ではなく「ある」に注目してください。

  • ない:足りないもの、課題
  • ある:得られたもの、成長、すでにあるもの

準備中:モチベーションの高め方

落とし穴④:過去・現在・未来の自分は変わらないと考える

「今までの自分は変えられない」という思い込みは、理想の自分を目指すことを阻みます。

何をしてもどうせ自分は変わらないと考えてしまい、努力することは無駄だと感じてしまうためです。

しかし、人は何歳になっても精神的にもスキル的にも変容できることが分かっています。

過去や現在の自分が未来の自分を規定するわけではないので、自分の可能性に見切りをつけないでください。

理想の自分に成長するためのツール

ここでは、理想の自分の成長を促すツールをお伝えしていきます。

ツール①:書籍

理想の自分へと成長するとき、もっともコストパフォーマンスが高い自己投資が書籍です。

読書で得られる知識は、今までの常識を更新して自分の殻を破ることに役立ちます。

他者の人生を知ることもでき、自分の人生やありかたと向き合う機会にもなるでしょう。

ただし、書籍をいくら読んだとしても、理想の自分になれるわけではありません。

100の知識を詰め込むよりも、1の知識を得て実行することの方が役に立ちやすいため、実行するための読書を心がけることをおすすめします。

ツール②:コーチング

コーチングとは、現状から理想に向けて歩み続けることを支援する専門家です。

対話により自己探求と、そこから得た気づきの検証を促すことが主な支援方法になります。

自分にとっての理想を見つけ、その理想を実現する過程を前進することに役立ちます。

次のような悩みがある人にはおすすめの自己投資先です。

  • 知識はあるけど行動できない
  • そもそもどこを目指したいか分からない

ただし、コーチングではノウハウを教えてもらえないことに注意してください。

コーチングを受ける前に、自分には何が足りていないのかを今一度確かめることをおすすめします。

準備中:コーチングとは

ツール③:コンサルティング

コンサルティングとは、問題解決を支援する技術です。

現状を分析して課題を見つけ、どうやったらその課題を解消できるのかを指導してくれます。

次のような悩みがある人にはおすすめの自己投資先です。

  • 行動はできるけど正しい努力の仕方が分からない
  • 進みたい方向は分かるけど何をすべきか分からない

ただし、一見ノウハウ不足が原因に見えても、実は精神的な課題によって前進できない場合があります。

ノウハウが分かればすべてうまくいくのかどうかを確かめてから、コンサルティングを受けるかを決めることをおすすめします。

準備中:コンサルとコーチの違い

まとめ

理想の自分とは、制限せずに自分が望む自分のありたい姿のことです。

現状の自分を受容することは大切ですが、よりよい自分へと期待することも同じくらい大切です。

充実した理想の未来にふさわしい自分になれるように、目標を設定して自己成長を促してみてください。