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【学生症候群】ギリギリ族の改善方法とは?実はギリギリ族は強みだった

締切間近にならないとやる気が出ない。

そんな学生症候群とも呼ばれるギリギリ族を改善するには、次の3つの方針が有効です。

  • コツコツ型になる
  • 先延ばしパターンを活用する
  • その作業への実行意欲を高める

この記事では、ギリギリ族の改善方法についてお伝えしていきます。

コツコツとした作業が苦手な方は、ぜひここの情報を取り入れてみてください。

目次
  1. ギリギリ族の先延ばしパターン
  2. ギリギリ族を改善するための3つの方針
  3. コツコツ型になるための工夫5選
  4. 先延ばしパターンを活用するための工夫5選
  5. 作業への実行意欲を引き出すための工夫5選
  6. ギリギリ族になる理由4選
  7. ギリギリ族のよくある勘違い
  8. ギリギリ族の個人事業主によくある悩み
  9. まとめ

ギリギリ族の先延ばしパターン

ギリギリ族には、作業に取り組むまでの大まかな段階が存在します。

自分の状態を俯瞰するためにも、まずはどのように先延ばしにしているかを見ていきましょう。

出典:https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/3603/%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%83%9E%E3%83%B3%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4.pdf

第一段階:余裕期

余裕期とは、作業をしなければならない状況で、根拠のないゆとりがあることを認識する段階です。

たとえば、テスト勉強前に机の上を片付けたり、テレビを見たりする行為が該当します。

作業を先延ばしにしたいがために、普段は捗らない行動にもモチベーションが高まることが特徴です。

何らかの作業に没入すると作業興奮によりドーパミンが分泌されるため、「私は余裕期である」と我に返ることは容易ではありません。

第二段階:後悔・狼狽期

没入していた作業に何らかの区切りが着くと、ドーパミンが途切れて我に返ることができます。

「私は何をしていたんだろうか」と費やした時間を後悔し、取り組むべき作業の段取りをあたふたと始めるのが後悔・狼狽期です。

たいていこの段階では、もう普通にやっても間に合うかどうかの余裕しかありません。

その危機的状況を感知して、アドレナリンが分泌されてやる気が湧いてきます。

もしもまだ余裕があると感じたら、再び余裕期に戻ります。

第三段階:高能率期

作業に取り組んでみると、改めて間に合わないことを思い知ります。

危機感が現実的なものとして捉え、焦りからさらにアドレナリンが分泌されて一種の興奮状態になるのが高能率期です。

ゾーンに入ったかのような集中力により、やる気がないときの何倍ものスピードを出せます。

目先の作業をただ終わらせることに没入し、楽しさと苛立ちの半々で黙々と作業を進めていきます。

このペースなら終わるという目途が立つと、再び余裕期に戻ることもあります。

第四段階:諦念期

どう足掻いても間に合わないと予測が立ったら、アドレナリンが低下して再び我に返ります。

そして「ガムシャラな努力」ではなく「失敗を受け入れる準備」をするのが諦念期です。

諦念期のマインドとして、たとえば次のようなものが挙げられます。

  • 次回がんばればいいか
  • 今回は60点取れれれば上々か
  • 何か言い訳さえあれば今回は凌げるはず

失敗を受け入れる準備が整ったら、心に余裕ができて安寧が生まれます。

締め切りまでの残り時間によっては、ここで再び余裕期に戻る場合もあります。

例.テスト勉強における諦念期からの余裕期
①後悔期:やばい、がんばらないと80点取れない!
②高能率期:うぉーがんばるぞー!!
③諦念期:いや80点とるのは無理だ。まぁ60点採れればいいか
④余裕期:60点分の勉強なら明日からで間に合う。休憩がてらゲームしよ!

ギリギリ族を改善するための3つの方針

ここでは、ギリギリ族を改善するために3つの方針をお伝えしていきます。

人によって合う方針は異なるので、いろいろお試しください。

方針①:コツコツ型になる

もっとも分かりやすくて採用されがちな方針が、ギリギリ族の対極にあるコツコツ型になることです。

  • ギリギリ族:夏休みの宿題を最終日間際に取り組む
  • コツコツ型:夏休みの宿題を毎日等量で取り組む

しかし、ギリギリ族がコツコツ型になることはあまり現実的ではありません。

コツコツすること自体にストレスが生じるため、コツコツを前提に計画を立てると日々ストレスを感じてしまいます。

作業時間を増やすことは大切ですが、ただ漠然と作業時間を確保しても計画の実行は難しいでしょう。

方針②:先延ばしパターンを活かす

上記で紹介した「先延ばしの4段階」を活かす方法も考えられます。

先延ばしパターンを組み込んだ計画を立てることで、ストレス少なく日々を過ごせるようになるでしょう。

ギリギリ族の習性を強みと認識して、その強みを活かすためのスキルを高めることが重要です。

具体的には、ギリギリ族にあった次の2つのスキルが肝になります。

  • 計画立てスキル
  • 環境づくりスキル

方針③:その作業への実行意欲を引き出す

作業へのやる気を高めるという方法も挙げられます。

ギリギリ族は締切間際になるとモチベーションが高まりますが、それ以外のタイミングでもやる気が生じることがあるためです。

自分のやる気が生じる要因を理解して、それを意図的に活用できるようになると、締切にかかわらず行動できるようになります。

実行意欲を引き出すには、まずは自分のやる気が出た瞬間を認識することが重要です。

「あっやる気が出てる!」と自覚できたら、その要因を洗い出して再現実験をしてみましょう。

コツコツ型になるための工夫5選

ここでは、コツコツ型になるための工夫についてお伝えしていきます。

コツコツ①:記録をつける

コツコツ型になるためには、自分の状況を認識することが大切です。

ギリギリ族は気持ちばかり焦り、「実際にやったこと」と「やったと思っていること」のつり合いが取れないケースが多いためです。

  • 実際にやったこと:実際に費やした努力、行動
    例.)私は資格を取るために100時間英語の勉強をした
  • やったと思っていること:感覚的に費やしたと感じる努力、行動
    例.)私は資格をとるためにたくさん英語の勉強をした(実際は10時間)

このつり合いが取れないと、次のようにストレスばかりが溜まってしまいます。

  • こんなに頑張ったのに何も進まなかった(実際にやったこと<やったと思っていること)
  • 私はいつもこれくらいしか進められない(やったと思っていること<実際にやったこと)

自己認識力を高めるには、次の要素において日々記録することが有効です。

  • 作業時間
  • 作業内容
  • 健康度合い
  • やる気度合い
  • 作業当たりの所要時間

健康ややる気などの数値化が難しい項目の記録は、10段階評価がおすすめです。

項目の数が多いと記録の継続が困難になるため、3〜5つ程度に留めるとよいでしょう。

準備中:仕事におけるやらされている感の解消方法

コツコツ②:日々の目標を設定する

日々の目標を設定することで、ダラダラと作業をすることを抑止できます。

目標により締切を作れるため、それまでに終わらせなきゃと危機感が強まるためです。

日々の目標は「時間」ではなく「成果物」で設定することをおすすめします。

  • 時間:マーケティングを4時間頑張る
  • 成果物:ターゲットリストを100人作る

また、設定した目標は他者に宣言することで達成確率が高まります。

宣言できる相手が身近にいない場合は、日誌やSNSなどを活用するとよいでしょう。

準備中:目標の設定方法

コツコツ③:スケジュールを立てる

コツコツ型になるためには、1日の流れを習慣づけることが有効です。

午前中や午後のテーマを固定することで、悩む隙がなくなりストレスが小さくなるためです。

この習慣化には、次の2つのスケジュールを作ることをおすすめします。

  • 通常のスケジュール:起床、仕事テーマ、家事、休憩、雑用、就寝を配置した基本の1日
  • 今日1日のスケジュール:通常のスケジュールをもとにした今日の予定

今日1日のスケジュールを作るときは、休憩や夜の「癒しの時間」から立てることがコツです。

プライベートの内容を先に配置することで、メリハリがついた1日を過ごしやすくなります。

準備中:理想のスケジュールの立て方

コツコツ④:小さな達成感と充実感を味わう

コツコツ継続するためには、コツコツするためのエネルギーを毎日補充することが重要です。

次の2つの小さな報酬感を感じることで、翌日の活力を満たしましょう。

  • 達成感:今日成長したこと、今日の目標達成
  • 充実感:今日も1日を健全に働いたこと、家族との過ごす平和な時間

小さな報酬感を味わう行為を、ギリギリ族は苦手としやすい傾向があります。

「できたこと日記」と「感謝日記」を付けて、小さな報酬を認知することから始めてみてください。

準備中:挑戦過程の楽しみ方

コツコツ⑤:コツコツによるストレスと向き合う

ストレスを生じさせている原因と折り合いをつけることで、コツコツすることへの抵抗感が低下します。

ただし、精神的な課題の克服には最低でも3ヶ月程度の内省と検証が求められるため、原因療法的な解決策です。

ストレスの原因と向き合うときは、対症療法的な解決策と併せておこなうことをおすすめします。

★.コツコツすることが嫌な理由例
・自分の時間を浪費しているから
・後でやったほうが上手くできそうだから
・変更が起きたらすべてが無駄になるから
・本気になればいつでも結果を出せるから
・コツコツは努力しているみたいで自尊心が低下するから

準備中:精神的な成長を遂げる5ステップ

先延ばしパターンを活用するための工夫5選

ここでは、ギリギリ族を改善するために先延ばしパターンを活かすための工夫についてお伝えしていきます。

先延ばしパターンを活かすときの戦略は、1つの目標に対して複数回の先延ばしのサイクルを組み込むことです。

活用①:余裕期を減らす

余裕期が生じる条件は、「作業に必要な時間<締め切りまでの時間」です。

そのため、余裕期を減らすには次の3つの方法が考えられます。

  • 作業できる時間を減らす→勉強できる日は今日しかない
  • 作業に必要な時間を見直す→先輩は20時間かかると言っていた
  • 締め切りまでの時間を縮める→毎日進捗を報告しよう

ギリギリ族の最大の宿敵は、ざっくりとした計算による余裕です。

ずさんな計画になりがちなため、計画立てを慎重におこなうことをおすすめします。

準備中:計画の立て方

活用②:後悔期を減らす

後悔期が増える理由は、「自責→決断からの行動」が早く切り替えられないことにあります。

  • 切り替えが遅い:「なんで早く取り組まなかったんだろう」と悩み続ける
  • 切り替えが早い:「まだ間に合うから全力で取り組もう!」と作業にすぐ取りかかる

「とにかくやるしかない」といかに早く決断できるかが後悔期を減らすカギです。

決断を促すには、次の2つの方法が考えられます。

  • 振り返りをする:教訓の抽出
  • 残るリソースを全活用した計画の策定:希望を持つ

「がんばればなんとかなるかも」という希望がないと、高能率期を飛ばして諦念期に突入します。

「ただ宿題をやらなかった人」にならないためにも、あらかじめリソースを最大活用した計画も作っておくとよいでしょう。

準備中:失敗の乗り越え方

活用③:高能率期を増やす

高能率期を増やすには、次の2つの要素が重要です。

  • 体力が続くこと
  • 集中を切らさないこと

高能率期はアドレナリンの分泌によって、全力疾走をしている状態です。

休憩せずに走り続けたい欲求が湧きますが、それでは最後まで体力がもちません。

ポモドーロテクニックを導入するなどして、適度に休憩を入れることをおすすめします。

★ポモドーロテクニック
ポモドーロテクニックとは、25分間の作業と5分間の休憩を交互に繰り返す時間管理術のことです。
4回繰り返したら、15分から30分の長めな休憩を取ります。
①「25分間作業+5分間休憩」×4回
②15~30分間休憩→①に戻る

集中力が切れると「もういいか」と諦念期に進んでしまいます。

走ることに集中しながらも、長時間走り続けれるような休憩をしてください。

準備中:在宅ワークに集中するには

活用④:諦念期を受け入れる

諦念期を受け入れるときは、次のような前向きな諦めをしましょう。

  • 自分を責めない:私はやっぱり出来損ないだ→次はこの経験を活かそう
  • 二極化思考で考えない:間に合わないからやめよう→60点は目指そう

負けが確定していても最後まで諦めず、負けても次回の教訓にすることで有意義な経験となります。

勝ち負けや成功失敗の軸だけではなく、成長や経験などの軸でも捉えてみてください。

準備中:自己受容の方法

活用⑤:強みと弱みを受容する

先延ばしパターンを活用するときは、ギリギリ族が強みであると受け入れることが重要です。

弱みと認識していると、ギリギリ族である自分にストレスが生じて活用できなくなります。

ギリギリ族の強みは、締切を意識したときの責任感です。

その責任感を使いこなせれば、どのようなタスクも高い質で納品できるでしょう。

ただし、締切を意識すること自体は苦手であるため、危機感を早く持つことが課題になりそうです。

準備中:強みと弱みの関係性

作業への実行意欲を引き出すための工夫5選

ここでは、ギリギリ族を改善するために作業の実行意欲を高めるための工夫についてお伝えしていきます。

意欲①:嫌な予定を作る

「AよりもBの作業の方がいい」という状況を作ることで、Bの作業が捗るようになります。

具体的には次のようなケースが挙げられるでしょう。

  • 人との交流が苦手だから裏方の仕事に没入する
  • 家に帰りたくないから嫌だった仕事に専念するようになる
  • テスト勉強前だと普段はやらない掃除にモチベーションが高まる

嫌な作業から逃れるためなら、それ以外の作業はなんでも没入できるものです。

この傾向を活かすためには、「作業をする or しない」ではなく「作業A or 作業B」という選択をすることが重要になります。

  • 作業する or しない:しないを選択したらラクできる
  • 作業A or 作業B:もっともラクな選択にモチベが高まる

似た工夫としてペナルティがありますが、「嫌な予定」とは全くの別物です。

前向きな気持ちで行動するには、ペナルティよりも嫌な予定を避けるための作業にすることをおすすめします。

  • 嫌な予定:Aを選べばBを実施しなくて済む
  • ペナルティ:Aを選ばないならCの損失が発生する

準備中:モチベーションの高め方

意欲②:改めて決断する

目標設定後や変わると決断した後は、行動意欲が高まるものです。

変化した自分へのトキメキや現状への怒りなどから、「どんな行動もやりきってやる」という高いエネルギーが生じます。

しかし、この行動意欲は持続せず、多くは三日坊主で終わります。

ダイエットや筋トレでも分かるように、道具を買うだけで満足したり、雨が降っただけで気持ちが途絶えたりと、意志力はそう長く続きません。

★目標別・30日以内に挫折する割合
勉強:87.7%
ジムに行く:94.9%
ストレッチ:85.0%
家でできる筋トレ:83.9%
出典:https://amzn.asia/d/dECjomD

この持続性のなさを解決するには、定期的に決断を繰り返すことが有効になります。

その目標を決意した理由を思い出し、「まだその目標を持ち続けるのか」を自問自答するのです。

行動が止まる前にその決断を繰り返すことで、高いエネルギーを安定して維持できます。

準備中:決断を促す方法

意欲③:報酬と罰を設定する

行動を継続するには、報酬と罰が有効になります。

行動すればよい思いができ、行動しなければ嫌な目にあうと認識することで、行動することへの動機づけが高まるためです。

  • 罰:行動しないことへの意欲を低下させる、締切効果を高める
  • 報酬:期待により行動意欲を高める、行動したことに満足感を与える

ただし、単純に強い報酬と罰を設定すればよいわけではありません、

自分が前向きな意欲を持ち続けられるようなものを探してみてください。

  • 強すぎる罰:義務感が生じて作業を楽しめなくなる
  • 強すぎる報酬:報酬に慣れてインフレ現象に歯止めが効かなくなる、報酬のための行動と捉えてかえってモチベーションが下がる

★アンダーマイニング効果
アンダーマイニング効果とは、報酬が発生することで目的がすり替わり、行動へのモチベーションが低下する現象のことです。
「言語的な報酬」よりも「形ある報酬(お金など)」で発生しやすい傾向があります。
・ボランティアだったがお礼として500円もらう
→これは500円の価値しかないのか。じゃあやらない
→今回は500円もらえなかった。なんか不満だからもうやめよう

準備中:意味づけ力を培う方法

意欲④:作業を始めるルーティンを作る

作業意欲が最も低下しやすいタイミングは、作業開始直前です。

作業における労力を予測してストレスが溜まり、やろうかやらないかで悩んでしまいます。

  • 労働:あと8時間がんばらなきゃ、休日までまだ3日ある、上司に怒られるのか
  • 筋トレ:筋トレすると疲れるんだよなぁ、筋トレしてもすぐ筋肉つかないしなぁ

そのため、悩まずに迷わずに作業に取り組むためのルーティンを作れれば、作業意欲を損なわずに取り組めるようになるでしょう。

作業を始めるルーティンを作るには、次の3つのことを意識してみてください。

  • きっかけ:何が起きたらルーティン開始か
  • 流れ:ルーティンの内容
  • 作業開始:ルーティン終了→作業開始の行動

例1.ダイエット
・きっかけ:会社からの帰宅
・流れ:帰宅後ご飯を焚く→ジャージに着替える→外に出る
・作業開始:5分歩いて公園でストレッチ

例2.在宅ワーク
・きっかけ:起床
・流れ:顔洗う→ご飯食べる→歯を磨く→パソコンの前に座る
・作業開始:昨日の振り返り5分→今日のスケジュール調整5分

準備中:習慣化の方法

意欲⑤:作業意欲が高い状態を再現する

作業意欲の高まる条件が人によって存在します。

その条件を満たす術を身につけることで、常に作業意欲が高い状態に戻れるようになるでしょう。

まずは、自分の作業意欲が高まる瞬間を探すことが重要です。

過去を振り返ったり、新しい挑戦をしたりして、再現するための条件を探してみてください。

例.よくある作業意欲を高める要素
・刺激:旅行、読書、人との交流
・休憩:寝る、スポーツ、アニメ・ドラマ
・言語化:目標設定、ジャーナリング
・リズム運動:散歩、料理、歯磨き
・振り返り:目的を思い出す、進捗確認

準備中:成功体験の作り方

ギリギリ族になる理由4選

ここでは、ギリギリ族を助長させてしまう理由についてお伝えしていきます。

理由①:完璧主義

完璧主義者は高い結果を期待しますが、これが先延ばしの原因になります。

高い結果を出すには困難で過酷な努力が必要であり、それを実行するストレスに耐え切れなくて「今よりもコンディションがよいだろう未来」に託してしまうためです。

★先延ばしに隠れた高い期待
・なんか頭が働かないから明日から勉強しよう→高効率な勉強への期待
・今日は疲れたしランニングはやめておこう→長距離を短時間で走りぬくことへの期待

高い目標を設定することはよいことですが、それによって行動できなくなっては元も子もありません。

いきなり満点を出そうとするのではなく、まずはたたき台としての30点を取ることを最初の目標に設定することをおすすめします。

準備中:完璧主義を手放す方法

理由②:見積りの甘さ

見積りが甘いことで、締切に追われるケースも挙げられます。

遅刻癖がある人は、この理由によるギリギリ族であることが多いです。

一般的に見積りが甘くなる原因は、主に次の2つです。

  • もったいない:早く到着しても待つ時間が無駄になる
  • 所要時間誤認:5分で終わると思ったら30分かかった

「もったいない」が原因である場合は、次の2つの解決策が考えられます。

  • 余白の活用:その時間を有意義に使う方法はないの?
  • 解釈の変容:本当にもったいないの?誰のための余裕なの?

「所要時間誤認」が原因である場合は、次の4つのスキルを高めることが有効になるでしょう。

  • タスクを「have to」で細分化するスキル
  • 根拠となる情報を集めて分類するスキル
  • 客観的事実を活用して所要時間を類推するスキル
  • 効率が高まるようにタスクを配置するスキル

準備中:時間見積もりの方法

理由③:強力な成功体験

締め切り間際という危機的状況を打破した経験は、次の2つの強力な成功体験を作り出します。

  • 没入感:モチベーション高く作業を素早く処理できる感覚
  • 報酬感:危機を脱したことによる高揚感

この2つの成功体験を得てしまったら、締切間際以外の作業は「没入感」と「報酬感」を妨げる行動として捉えます。

日々の作業がストレスになり、ギリギリでないと動けない身体になってしまうのです。

ギリギリ族の理由がこの強力な成功体験によるものであれば、コツコツ型になることは諦めて、没入感と報酬感を得られるような計画を立てることをおすすめします。

★没入感への期待による先延ばし
没入感を一度でも体験したら、日頃のコンディションが悪く感じるようになります。
高能率期と比べてやる気も作業効率も低いため、先延ばしのよい口実になるでしょう。
例.)なんか集中できないから勉強しても意味ないか

★報酬感への期待による先延ばし
危機を脱したことによる報酬感は、ギャンブルで大勝ちしたときと同じような強力な快感を与えます。
再びその快感を得たいがために、無意識的に締め切りギリギリまで粘ろうとするでしょう。
例.)明日から学校だ!1日で夏休みの宿題終わらせるぞ〜!→終わった!快感!!

準備中:他人と比較する癖をやめる方法

理由④:行動への抵抗感

行動に抵抗感があるほど、その行動を先延ばしにします。

「未来の自分なら今よりももっとよくできるかもしれない」と未来の自分に希望を持つためです。

行動への抵抗感には、主に次の要素が挙げられます。

  • リスクの大きさ:失敗または成功時の損失が大きいほど抵抗感が増す
  • リターンの少なさ:成功時の利益が少ないほど抵抗感が増す
  • 成功確率の小ささ:成功できる自信がないほど抵抗感が増す

これらの要素は、「客観的な事実」よりも「主観的な事実」が優先されます。

たとえ傍から見れば損失は小さいように見えても、「損失が大きい」と本人が解釈したら抵抗感が増すということです。

そのため、まずは自分の内側と向き合い、その論理と妥当性を検証することが大切です。

  • 論理:なぜストレスが発生するのか、本当はどうなって欲しいのか
  • 妥当性:その論理と解釈は客観的事実か、単なる思い込みか

1人では内省や検証が難しいという場合は、その専門技術であるコーチングやカウンセリングを受講してみることをおすすめします。

準備中:コーチングとは

ギリギリ族のよくある勘違い

ここでは、ギリギリ族の改善を妨げる思い込みについてお伝えしていきます。

勘違い①:ギリギリ族は悪である

ギリギリ族は、自分の先延ばし癖を悪いものだと捉えがちです。

「コツコツ型は偉くて、私は怠惰なだけ」というように、先延ばし癖を弱みとして捉えているようなケースです。

たしかに、コツコツ型のようにモチベーションに振り回されずに作業ができたら、現状はもっとよい結果になっていたかもしれません。

しかし、コツコツ型だから成功するわけではなく、自分の特徴を活かしているひとが成功するのです。

ギリギリ族なりの戦い方があり、ギリギリ族そのものが善とも悪とも言えないでしょう。

ギリギリ族の改善を目指してもよいかもしれませんが、効果がないと分かったら自分の特性として受け入れてみてください。

ギリギリ族の特性を活かすことに振り切れれば、それは強みとなり目標達成に役立つはずです。

勘違い②:モチベーションが低いだけ

ギリギリ族は、「ただモチベーションが低いだけ」と自分の実行力不足を正当化することがあります。

しかし実際は、「モチベーションが低い」のではなく「モチベーションを高める技術が未熟」なだけです。

偶発的にモチベーションが高まることを期待していると、本当の危機的状況にならない限り何もしない人になるでしょう。

ギリギリ族はモチベーション依存になりやすいため、どうやったらモチベーションが高まるのかを研究しつづけてください。

自分なりの方法が確立されたら、どんな困難で過酷な挑戦も前向きに挑めるようになります。

ただし、そのためにもまずは「本気を出せばいつでもできる」という思い込みを手放すことをおすすめします。

準備中:自己正当化の直し方

ギリギリ族の個人事業主によくある悩み

ここでは、ギリギリ族の個人事業主が抱えがちな悩みについてお伝えしていきます。

悩み①:準備不足

個人事業主はすべてのタスクを自分で管理しなければなりません。

進捗管理をしてくれる相手がいないため、危機感を持つタイミングは締切の当日周辺です。

多くのギリギリ族は、あたふたしながら一夜漬けでタスクに取り組むでしょう。

しかし、所詮は一夜漬けです。

学生時代の宿題とは異なり、一夜漬けで終えられるタスクではないことも少なくありません。

その結果、顧客の期待を下回る成果物を納品する羽目になり、信用が落ちて機会を失うことになります。

ギリギリ族によって準備時間が不足してしまう問題には、次の2つの解決策が挙げられます。

  • 早く危機感を持つ:作業量と作業工程の見積りを正確におこなう
  • 小さな目標に分解する:1度ではなく複数回に分けた計画を作る

とはいえ、いずれにしても簡単な解決策ではありません。

自分1人では難しいときは、締め切り前にフィードバックをもらう機会を作るなどして、適切なペース配分になるような環境づくりにこだわってみてください。

例.期末テスト
・普段:前日にあわてて勉強を始める
・早く危機感を持つ:60点とるために必要な勉強時間を調べる
・小さな目標に分解する:毎週の小テストで高得点を取ることを目指す

悩み②:種まきができない

ギリギリ族は衝動的で刹那的な働き方をします。

自分のやりたいことが明確にあるときを除くと、他者に設定された締切以外でモチベーションを高められません。

事業計画を立てることも、進めることも難しく、自転車操業のようなその日の稼ぎのための働き方になります。

ギリギリ族が未来のために種まきをするには、結果と行動を分けて考えることが有効です。

どんな結果が欲しいのかをニヤニヤしながら妄想して、その結果を得るための行動は他人に教わり管理してもらうとよいでしょう。

  • 結果:欲しい未来、理想を実現するための目標
  • 行動:結果を得るために必要なプロセスやマイルストーン、計画

結果と行動を同時に考えると「めんどくささ」や「無力感」が生じてしまい、現状維持を選んでしまいます。

妄想しても途中で萎えてしまう場合は、コーチと一緒に目標達成を目指すことをおすすめします。

  • めんどくささ:あれもこれもやらなきゃならないのか、なら諦めよう
  • 無力感:できる気がしないから諦めよう

準備中:コンサルとコーチの違い

悩み③:一定のパターンで仕事に取り組めない

ギリギリ族が在宅ワークをおこなうと、その習性から仕事に取り組むことに強い抵抗感が生じます。

作業を始めれば集中できることが分かっていても、心の中で「嫌だ!やりたくない!こんな毎日繰り返したくない!」と強い絶叫をしてしまうのです。

どうやらギリギリ族は、繰り返される日常にストレスを感じやすく、日常がパターン化することを避けようとします。

作業内容や目標云々ではなく、そのパターン化した日常が嫌悪の対象らしいです。

日常をパターン化しないためには、頑張る日と頑張らない日のメリハリをつけることをおすすめします。

一定量の自由が担保されることで、めんどくさい作業との折り合いをつけやすくなるためです。

  • 頑張る日:全力疾走する自由のない日
  • 頑張らない日:自由に何をしてもよい日

たとえば1週間の目標を決めたなら、次のようになるかもしれません。

  • 前半2日は全力で働き
  • 後半4日間は遊び惚けて
  • 最後の1日は品質を高める日にする

「5連勤+2連休」のような働き方は、ギリギリ族の個人事業主には不向きです。

可能であれば「その日以外は働いてはならない」というルールを作り、頑張る日には「休む」という選択肢が消失するように工夫してみてください。

「働く or 働かない」の葛藤が消える工夫が施せれば、ギリギリ族でも主体的な締切でモチベーションが高まるようになります。

まとめ

ギリギリ族を改善するには、次の3つの方針が挙げられます。

  • 方針①:コツコツ型になる
  • 方針②:先延ばしパターンを活かす
  • 方針③:その作業への実行意欲を引き出す

おすすめは先延ばしパターンを活かすための能力を高めることです。

ギリギリ族を強みとして認識することで、自分に適した働き方になり、高いモチベーションで作業に取り組めるようになります。

コツコツ型を目指してもよいですが、多くのギリギリ族にとってコツコツは弱みの活用です。

一定期間試しても成果が得られないのであれば、致命傷を負わない程度の対策に留めて、ギリギリ族の特性を活用することにシフトしてみてください。