ビジネスにおいて、大量行動は正義です。
ビジネスで躓いたときは、「必要な行動を十分におこなえているか?」が真っ先に考えるべきチェック項目になります。
特に初心者のうちは、大量行動なくして成功はほぼ不可能と言ってもよいでしょう。
この記事では、大量行動をおこなうための方法についてお伝えしていきます。
大量行動に抵抗感があるときは、ここで紹介する方法を踏まえてもう一度検討してみてください。
最初に大量行動が必要な理由
そもそもなぜ大量行動が必要なのでしょうか?
ここでは、初心者に大量行動が必要な理由についてお伝えしていきます。
理由①:失敗への抵抗感が小さいから
失敗への抵抗感は、取り組み始めた初期段階であるほど小さい傾向があります。
「初心者のうちはどんな失敗も当たり前」という信念を多くの人が持っているためです。
「時間や能力、実績は相関関係であるべきだ」と私たちは考えやすく、一般的な水準から下回るほど行動しづらくなります。
例.コンビニバイト
・1年目:分からないことは何でも聞ける(分からないことが当たり前だから)
・3年目:未だに配送の仕方が分からず他人に任せている(できないと言えないから)
失敗や挑戦、学びへの抵抗感が小さいのは「初心者」のうちだけです。
「初心者」という免罪符を使える期間を逃すと、「今更できないとは言えない」と感じてしまい失敗を見せない方法ばかりを選ぶようになるでしょう。
★苦手意識を持つ前に
できないことを放置していると、次第に「苦手意識」が芽生えはじめます。
できない理由を「苦手だから」と才能の責任にすることで、自分の努力不足ではないと弁明しようとするためです。
苦手意識のあるものを克服するには、苦手意識がないとき以上のエネルギーが必要になります。
そのため「改善する努力」よりも「今ある痛みを受け入れる」ことを選びやすく、自己の可能性を大きく抑制してしまうのです。
自分の可能性を最大化するためにも、初動では大量行動でできる限り多くのことに挑戦してみてください。

理由②:成果が出るまでが苦しい期間だから
初期の継続が困難な理由の1つは、成果を得るまでの距離が遠いことです。
がんばっても報酬感は得られず、先行きの見えない不安によるストレスばかり蓄積して行動が止まってしまいます。
この期間によるストレスは、最初の報酬が得られるまで、または挑戦をやめるまで蓄積され続けるでしょう。
例.「50時間で成果が得られるとき」のストレス量の傾向
・趣味感覚:1カ月で50時間の行動<1週間で50時間の行動(負担の大きさと相関しやすい)
・仕事感覚:1週間で50時間の行動<1カ月で50時間の行動(成果の距離と相関しやすい)
だからこそ、仕事においては大量行動によってこの苦しい期間を一気に駆け抜けることが有効です。
特に初動は不安よりも成功への期待による意欲が高く、やる気に満ちている傾向があります。
その勢いのままに成果が出るまで猪突猛進できれば、苦しい期間を短く済ませられます。
★ゲームはすぐに報酬が得られる
テレビゲームの継続が容易な理由は、初心者でもすぐに報酬感を得られるからです。
きれいな映像、レベル1でも倒せる敵、レベルアップによるスキル習得など、初心者が獲得しやすいように報酬が配置されています。
これがもしも現実のようにレベル1では倒せない敵ばかりで永遠とつまらないトレーニングを続けなければならなかったら、マニアックな人以外はすぐに飽きてしまうでしょう。

理由③:悩みへの答えを出すための情報が不足しているから
挑戦の初期段階では、たくさんの悩みが生まれます。
しかし、どれほど悩んでも実は答えを出せることがほとんどありません。
なぜなら、答えを出すためのデータがそもそも不足しているためです。
例.挑戦初期のよくある悩み
・本当にこれで成功できるのか?
・本当に私はこれをやりたいのか?
・もっといい選択肢があるのではないか?
・私にはこの挑戦に成功するだけの資質や資格がないのではないか?
どれほど悩んでも答えが出ないのなら、行動したほうが情報が得られるし経験値も稼げてお得です。
挑戦の種類にもよりますが、たいていの挑戦なら悩むよりも答えを見つけるための検証として行動したほうが効率的でしょう。
「成功するための大量行動」ですが、「自分の悩みを解消するための大量行動」でもあります。
はじめのうちは答えが出せないことで悩みがちなので、データを集めるためにも大量行動に専念してみてください。
★やってみなければ問題は分からない
「できる気がしない」という感覚は、行動をとめるよくある悩みです。
しかし、「なぜ失敗するのか」「成功するための課題は何か」を具体化しない限り、この感覚は一生ついて回ります。
不安を取り除こうと自己投資やインターネットで情報を集めても、自分の課題が不明確なのであれば「できる気」がしてもそれは一瞬だけのものです。
自分の本当の課題を見つけるためには、実践して何に躓いているのかを明確にしなければなりません。
やってみなければ問題は分からず、失敗することばかりをなんとなくの感覚だけで考えてしまいます。

理由④:経験が増えるほど土台が安定するから
1度の挑戦で成功することは「成功の感覚」をつかむことに有効ですが、「長期的な成功」を阻む原因にもなり得ます。
きれいな成功体験は1つの方法に固執する原因になり、柔軟性が欠けてしまうためです。
状況や問題が変わっても同じ方法だけで対処しようとして、対応できる範囲が狭いまま固定されてしまいます。
- 1度の成功だけでよい挑戦:プロポーズのような非日常的なイベント
- 繰り返しの成功が必要な挑戦:本業のような複数パターンへの対処が必要なこと
失敗や成功などのたくさんの経験をするほど、地盤が固まり安定的に成功できるようになります。
「単発の成功」だけではなく「持続した成功」をするためにも、大量行動によって多様なパターンを経験してみてください。
★成功と成長
成功とは能力と運の要素の掛け合わせであり、「成功=能力が高い」わけではありません。
ビギナーズラックのように、能力が未熟でも成功や勝利することはときどき起こります。
そのため、持続可能な成功をするには「成功を目指すこと」と「成功にふさわしい自分に成長すること」の2つの軸で行動していくことが重要です。
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大量行動における2つの問題
大量行動の失敗パターンとして、主に次の2つが挙げられます。
- 生産性が低い
- 行動量が少ない
ここでは、それぞれがどのような問題なのかということをお伝えしていきます。
問題①:生産性が低い
生産性が低いとは、大量の行動をしているのに、それに見合った成果物が得られていない状況です。
生産性の高さは、周りとの比較で浮き彫りになります。
★生産性が低いときのよくあるパターン
・非効果的な努力を永遠と続けている
・時間は費やすが作業がまったく進まない
問題なのは「生産性が低いこと」ではなく「生産性が低いままであること」です。
はじめから高い生産性を求めてしまうと、今度は完璧主義的になり行動量が低下してしまいます。
周りと比較して生産性の低さを認識するとともに、その改善のために思考錯誤することが重要です。

問題②:行動量が少ない
行動量が少ないとは、主にPDCAにおけるD(実行)が少ない状態です。
タスクを進める行動が少なければ、成功する可能性は小さくなり、獲得できる経験値量も少なくなります。
★行動量が少ないときのよくあるパターン
・調べてばかりいてその情報を活かさない
・挑戦内容と向き合う時間がそもそも少なすぎる
・やりはじめても継続できず異なる方法を探し始める
・会社を辞めて時間がたくさんあるのに仕事に集中できない
人によって使えるリソースには違いがあり、何をもって行動量が多いかはそのリソースに依存します。
そのため、「行動量が少ないこと」というよりは「計画通りに行動できていないこと」が問題です。
「時間をつくること」だけではなく、「時間を有効活用できること」にも注目してみてください。
- 時間をつくる:1カ月50時間ではなく1カ月100時間の勉強時間を確保する
- 時間を活用する:確保した100時間のうち勉強時間に費やす割合を増やす

生産性が低いことへの対処法5選
ここでは、生産性が低いことへの対処法についてお伝えしていきます。
大量行動をしているのに結果が出ない場合は、ここで紹介する方法を取り入れてみてください。
生産性①:理想と目標を明確にする
生産性を高めるためには、タスクに取り組む態度が前向きである必要があります。
やる気やモチベーションが高ければ高いほど、タスクに集中できて生産性が高まりやすくなるためです。
★やる気がないときのサイン
・退屈感:面白みがなくつまらないと感じる
・強制感:自分ではなく他者にやらされていると感じる
・虚無感:挑戦に成功してもよいことはない、または単発的だと感じる
特にビジネスにおいては、理想と目標がやる気を出すための土台になります。
欲しい成果が明確でなければ、タスクは苦しみしか生まず単なる罰ゲームと変わりありません。
やる気のなさを感じたら、目の前のタスクではなく、まずは自分がどこに進みたいのかを検討してみることをおすすめします。
★衝突する目標
目標が衝突している場合、叶えることが不利益になると捉えてやる気が失われます。
衝突している複数の目標を見つけたら、それらを両取り、もしくは優先順位決めをおこない折り合いをつけてみてください。
目標に対する「でもな」という感覚は衝突を知らせるサインになるため、その感覚を大切にしましょう。
・目標A:年商1千万円稼ぎたい
・目標B:時間的にゆとりのある生活をしたい
・両取り:毎日3h労働で年商1千万円を稼ぐ
・優先順位決め:まずは資産形成に全振りすると決める

生産性②:計画を立てて締切を守る
タスクにあるのは「完成」ではなく「完了」だけです。
完了させないかぎり、いつまでも品質を上げようとして重箱の隅をつつこうとしてしまいます。
- 完成:完璧でそれ以上手を加えらえない状態
- 完了:締切や意思によってタスクを手放すこと
いつまでも品質にこだわってしまうと計画が後ろにずれ込むだけではなく、いずれは計画そのものが消失してしまいます。
そのため生産性を高めるには、目標が達成されるような計画を立て、その締切を遵守することが大切です。
30点の完成度でもいいので、まずは一旦タスクを完了させてから改善ポイントを検討してみてください。
★パーキンソンの法則
パーキンソンの法則とは、タスクは締切まで拡張し続けるという人間傾向のことです。
締切がないと人はタスクを終わらすことができず、いつまでも手放せません。
特例として締切を伸ばすことはあってもよいかもしれませんが、普段は可能な限り締切にはシビアになることをおすすめします。

生産性③:徹底的に調べて仮説を立てる
大量行動とはいえ、「どれほどするか(量)」だけではなく「何をするか(質)」も重要です。
先人がたくさんの思考錯誤をしており、特に初心者の段階におけるたいていの努力は検証されています。
努力の質を徐々に高めていくことは重要ですが、最初に情報収集をして有益な仮説を見つけてみてください。
例.野球が上手くなりたい
・質の低い努力:絵を描く練習をする
・質の高い努力:キャッチボールをする
・さらに質の高い努力:成長を阻む課題に対する練習をする
成功に必要なスキルと、それを身につけるための方法を調べましょう。
たとえ自己流をするにしても、その自己流はすでに検証されていないのかを確認することをおすすめします。
★正解と仮説を混同しない
質の高い努力を探すとき、成功するための正解を探そうとしてしまうことがあります。
「これだけやっていればいいんだ」という安心感を求めて、確実に成功する方法を求めてしまうのです。
しかし、人によって課題は異なり、その解決方法もさまざまです。
情報収集ではあくまで「自分に有益そうな仮説」を探すことを目的にして、「絶対の正解」は見つからないと考えましょう。
ただし仮説を検証するときは、「疑いながら行動する」よりも「正解だと思い込んで行動する」ことをおすすめします。

生産性④:フィードバッカーを見つける
フィードバッカーとは、現状の能力や課題を明確にしてくれる存在のことです。
フィードバッカーがいることで、努力すべき方向性が明確になります。
例.受験生
・フィードバッカー:模試
・努力の修正:模試で数学の点数が一番低かった。高得点の英語を勉強するよりも数学に時間を割いたほうが総合得点は増加するだろう。
ただし、あくまでフィードバックの内容は単なる情報であり、それ以上でもそれ以下でもないことに注意しなければなりません。
その情報をどのように解釈して活用するかは、受け取り手が責任をもって決める必要があります。
たとえフィードバッカーに「〇〇をしたほうがいいよ」と言われても、それを採用するかは自己判断するようにしましょう。
★フィードバックの頻度
練度が低いほど、フィードバックの頻度は少ないほうがよいと言われています。
最初は慣れることが大切であり、まだ右も左も分からないうちは指摘されても解釈が難しくモチベーションも下がりやすいためです。
最初の壁に行き詰まったら、フィードバックをもらうとよいでしょう。
行き詰まったときに投げ出さないためにも、あらかじめ誰にいつごろフィードバックをもらうのかを決めておくことをおすすめします。

生産性⑤:振り返ることで修正と学習を促す
「何にリソースを割くべきか」を実施前に検討することで、生産性が高まります。
しかし、実際におこなってみることで初めてわかることもあるため、実施したらその情報をもとに再び計画を修正しましょう。
やったらやりっぱなしにするのではなく、少しずつ生産性を向上させていくことが大切です。
- やったらやりっぱなし:仮説は作るが振り返りをしない
- 少しずつ生産性を向上させる:仮説構築→検証→仮説の再構築を回す
「常に仮説を検証しているのだ」という前提が、生産性を高める勇気と熱意を生み出します。
振り返りタイミングをあらかじめ設定して、仮説をメンテナンスする期間を取り入れてみてください。
★振り返りと学習
実行するだけで分かることもありますが、あとから振り返ることで気づけることもたくさんあります。
理想と結果、そのギャップを生み出す原因を振り返り、どうしてそうなったのかをパターン化させましょう。
そこで得られる気づきをもとに解決策となる新たな仮説を作り実施していくことで、徐々に生産性が高まっていきます。

行動量が少ないことへの対処法5選
ここでは、行動量が少ないことへの対処法についてお伝えしていきます。
行動量①:視座を高める
1日の行動量が多くて大変だと感じているときは、成功者の基準を取り入れてみてください。
時間や作業量などの基準を上書きすることで、精神的な疲労が軽減して行動量を増やせる可能性があります。
★行動量の基準
・時間への基準:何時間働くことが当たり前か?
・才能への基準:成功に欠かせない才能とは何か?
・失敗への基準:1つの目標に対して何回失敗するのか?
・成果への基準:その期間でどんな目標の規模感を目指すべきか?
・成長への基準:その成果が得られるほどの成長をするにはどれほど労力が必要か?
・作業量への基準:1日や1時間でどれほどの作業を完了させるべきか?
「こんなにがんばっている」という感覚は主観的なものであり、成功者の半分も努力していないことがよくあります。
満足いく結果が出ていないのであれば、方法論だけではなく行動量についても成功者を分析してみましょう。
「普通はこんなにやるのか」「こんなにできるものなのか」と分かれば、結果が出ていない現状を受け入れられて本気になる覚悟が決まります。
- 普通はこんなにやるのか:目標達成に必要な行動量の把握
- こんなにできるものなのか:行動量や作業量に対して人間として可能か不可能かの把握
★休むたびに基準はリセットされる
基準を更新しても、休むたびにその基準を上げるための工夫が必要になります。
成功者を観察して視座を高めても、その瞬間に湧き出るやる気は休日でリセットされるものだからです。
特に正月休みのような連休があると、普段の自分よりちょっと下の基準に戻ってしまうものです。
戻った基準を回復させるためにも、「休んだ翌日は精神的な疲労が大きくなるのは当たり前だ」と覚えておきましょう。

行動量②:環境を整備する
行動しやすい環境を作ることで、行動量が高められます。
意志の力よりも環境の力のほうが、はるかに強く私たちを動機付けているためです。
- 意志の力:将来のために勉強しよう!
- 環境の力:ノルマがあるから勉強せざるを得ない
行動を促す要因を取り入れ、行動を阻む要因を取り除くことがポイントです。
行動量が最も多かった過去の状態を再現することは、自分にあった環境を作り出すヒントになるでしょう。
- 行動を促す要因:スケジュール、目標、やることリストなど
- 行動を阻む要因:ゲーム、SNS、スマホ、ベッドなど

行動量③:ルーティンを確立する
行動量が増えない理由として、行動を妨げる葛藤が挙げられます。
- 行動を始められない:「仕事しなきゃ」vs「もっとダラダラしたい」
- 行動を続けられない:「集中しなきゃ」vs「そろそろ休んでもいいかな」
葛藤を生じさせないためには、ルーティンを確立することが有効です。
ルーティンとは特定のトリガーによって発動する一連の流れの実行であり、葛藤を引き起こす思考を抑えられます。
まずは「朝起きてから仕事に取り掛かるまで」「仕事を始めてから仕事を終えるまで」の流れを確立することがおすすめです。
★仕事中のルーティン
仕事内容が複雑だと、すべての行動を前もって取り決めることは難しいです。
事細かに決めようとせずに、大枠だけをルーティンに落とし込むことをおすすめします。
・作業の流れを作る:成果物を作るためのステップを確立する
・1日の全体的な流れを作る:起床から就寝までのステップを確立する
・1日を3つのブロックに分ける:朝、昼、夕で実施する基本的なテーマ

行動量④:悩むことを先延ばしにする
「いつでも悩んでよい」と許可することは、ネガティブ感情を増長させるとともに、行動量を減らす原因にもなります。
すべての悩みを許可するのではなく、緊急度と重要度の低い悩みは先延ばしにするようにしましょう。
★悩みにおける緊急度と重要度
・緊急度が高い悩み:今すぐに解決しないと大きな損失が生まれる問題
・重要度が高い悩み:答えを間違えるとすべてが無駄になるような問題
「悩みが発生したタイミング」と「悩みを考えるべきタイミング」は必ずしも一致しません。
悩みが生まれたら、「今取り組むべきタスクより優先して悩むべきなのか」を自分に問いかけてみてください。
「何をしたいのか」と「何をすべきか」を分けて考え、どうしたらよいのかを検討してみましょう。
予定をずらしてでも悩むべき問題でないならば、「悩みリスト」に書き留めることで作業に集中しやすくなります。
★悩むことの許可
悩みがちな人は、「悩む=大切で重要なタスク」だと考えている傾向があります。
しかし、重要なタスクだからこそ悩む価値があるのであり、悩むこと自体の価値はそれほど高くありません。
すべての悩みを重要視するのではなく、考えるべき悩みとは何かを検討してみてください。
また、「本当に大切なタスク」ではなく「仕事をしている感を出す便利な手段」として悩みを用いることにも注意しましょう。

行動量⑤:心理的なボトルネックを取り除く
行動を阻む最大の原因は、心理的な抵抗感によるネガティブ感情です。
この原因に対処するには、主に次の2つの方法が挙げられます。
- 望みの強化:なぜそれを実現したいのかを多角的に捉えなおす
- 恐れの弱化:本当に恐れる必要があるのかを検討・検証する
「やりたいけれどやりたくない」と感じたら、そこにある望みと恐れを言語化してみてください。
「なぜやりたいのか」「なぜやりたくないのか」という核心を見つけ、再検討することで行動意欲が向上します。
★大量行動を阻むネガティブな感情
・目標の衝突:AをするとBが手に入らなくなる
・損失への恐れ:Aを実現するためにはBを失う必要がある
・リスクへの恐れ:Aに失敗したらBになってしまう
・できないことへの恐れ:何をしてもどうせAは実現しない
やりたくない理由の核心を見つけるには、目的論で考えることがおすすめです。
「それをやらないことで何を得られるのか?」と検討することで、本当に恐れていることや望みが浮き彫りになります。

大量行動を阻むよくある4つの理由
ここでは、大量行動に抵抗感を示すよくある理由についてお伝えしていきます。
理由①:多忙感
大量行動と聞くと、何かをたくさんやらなければならないと感じて抵抗感が強まります。
努力は苦しいですし、忙しいのは人生を無駄にしている感覚になり、回避したくなるのが普通の反応でしょう。
しかし、多忙感は大量行動とセットの感情であり、折り合いをつけない限り苦しい日々が続いてしまいます。
多忙感によって大量行動が嫌だなと感じたら、「私は何に時間を使いたいのか?」を検討して時間の再分配をおこなってみてください。
★大量行動をするのがなんだかんだ一番ラク
短期的には「何もしないこと」や「遊ぶこと」をラクだと感じやすいです。
しかし、ふと我に返った瞬間、これらの時間の使い方はストレスの原因になることがよくあります。
「私は何をしていたんだろうか」と時間を浪費したことを後悔して、自分を責めてしまうのです。
短期的なラクを選びたくなったら、長期的にもラクなのかを検討してみてください。
このときのポイントは、「実行過程」ではなく「結果」だけに焦点を当てて考えることです。
・実行過程:勉強はどれほど大変で辛いのかをイメージする
・結果:受験に「合格した未来」と「不合格だった未来」をイメージする
準備中:多忙感
理由②:失敗への恐怖
失敗への恐れには、損失を回避するために行動を止めようとする効能があります。
「失敗による損失具合」や「失敗への確信度合い」が強いほど、大量行動を止める力は大きくなるでしょう。
- 失敗による損失具合:失敗すると何を失うことになるのか
- 失敗への確信度合い:どれほどの確率で失敗すると考えているのか
失敗への恐怖を弱めるには、失敗を歓迎する態度を身につけることが有効です。
成功を確信することは難しく、失敗することを受け入れて前向きに捉えられるようになるほうが建設的なためです。
失敗への恐れを感じたら、「挑戦から得られるもの」と「失敗で失うもの」を具体的にしてみてください。
「1度の失敗で失うものは限定的であり、むしろ得られるもののほうが大きい」と捉えられれば、失敗を価値あるものとして受け入れられるようになります。
★失敗による損失
・焦り:早く成功しないと破滅してしまうのに…
・徒労感:また労力を割いて成功を目指さなければならないのか
・完璧主義:自分や周囲の期待を裏切ってしまう
・他者評価:周りから「ダメなやつ」とレッテルを貼られてしまう

理由③:成功者への誤解
大量行動というと、泥臭くて愚者がやることだという認識を持つ人がいます。
成功者はもっとスマートであり、あちこち遠回りすることは無能の証明になると考えてしまうのです。
自分の有能さを証明するためにも、成功者と同じように少量行動で成功しなければという強迫観念が作られます。
例.テストにおける低得点者と高得点者
・低得点者視点:あの人は頭がいいからテストの点数が高いんだ、ずるい
・高得点者視点:あの人も私ぐらい勉強すれば点数上がるはずなのに、もったいない
しかし、どの成功者も成功の裏にはたくさんの失敗や努力が存在するものです。
理想の成功者像が誤っていると「努力=無能の証」になり、自分が不利になる制限をかけてしまいます。
大量行動をすることで自己肯定感が下がる場合は、実際の成功者と理想の成功者像を比較してみてください。
自分の中にある期待や強迫観念を検証することで、大量行動への抵抗感が弱まる可能性があります。
- 実際の成功者:成功者の人格や振る舞い、苦しみや困難、挑戦と失敗の回数
- 理想の成功者像:想像上の成功するに相応しい人格や振る舞い、私が惹かれる成功者イメージ

理由④:不確実な挑戦への不安
成功するか否かは、ある程度計画を進めてみないと分からないものです。
そのため、成功への進歩が明確になるまで不安は残り続け、この努力に意味はあるのだろうかと行動を止める要因になります。
例.受験における不安感
・自分への不安感:私なんかが本当に合格できるのかな
・方法への不安感:この方法で本当に合格できるのかな
・成功への進歩の確信:たしかに模試でA判定取れるようになった。私にはこの方法があっているんだ!
答えがない挑戦をするときは、この不安な期間の立ち回り方を自分なりに習得することが必要です。
不安だから足を止めるのではなく、不安を取り除く、または先延ばしにするための術を身につけましょう。
- 不安を取り除く:誰かに保証される、成功確率の高い方法を調べる/教わる
- 不安を先延ばしにする:「検討フェーズ」と「実行フェーズ」に分ける、「実施前に分かること」と「実行後に分かること」に分ける
★不安を先延ばしにする見積力
・成果に対する労力の見積り:成功の進歩が分かるまでの距離を見積る
(例.模試を受けないことにはこの方法が効果的かは判断できない)
・成功に対する失敗の見積り:成功に必要な失敗の回数を見積る
(例.1度の挑戦では無理でも、10個も仮説を試せば何か当たるだろう)
準備中:目標の挫折理由
まとめ
大量行動では2つの問題が生じるため、それぞれに応じた対策をしましょう。
★生産性が低いことへの対処法5選
・理想と目標を明確にする
・計画を立てて締切を守る
・徹底的に調べて仮説を立てる
・フィードバッカーを見つける
・振り返ることで修正と学習を促す
★行動量が少ないことへの対処法5選
・視座を高める
・環境を整備する
・ルーティンを確立する
・悩むことを先延ばしにする
・心理的なボトルネックを取り除く
「〇〇をすれば誰でも大量行動ができるようになる」という方法は存在しません。
大量行動ができない理由は人によってさまざまであり、有効な方法も異なるためです。
内省しながら自分の原因を特定して、自分に合いそうな方法を試していくことが大切です。
起業をしたのに行動量が少ないことで1ヶ月以上悩んでいる場合は、内省と試行錯誤を支援してもらうためにもコーチングを受けることをおすすめします。
