この記事では、フリーランスの始め方についてお伝えしていきます。
「実際に稼げるようになるまでの過程」を把握するのに役立てば幸いです。
フリーランスの始め方
ここでは、フリーランスを始めるときの一般的なロードマップについてお伝えしていきます。
手順①:稼ぎ方を決める
まずは稼ぎ方を決めます。
スキルゼロからフリーランスを始める場合は、「興味」や「目標収益額」を判断基準にするとよいでしょう。
- スキルあり:自分の持っている技術を活用する独立
- スキルなし:稼げるほどのスキルを習得してからの独立
ただし、どの稼ぎ方が自分に適しているかは、実際に働いてみなければ分かりません。
可能であれば、その稼ぎ方で働いている人と交流したり、実際に体験したりしてみてください。
例.国家資格なしでも挑戦できる人気のフリーランス
・ITエンジニア
・Webライター
・Webデザイナー
・オンライン秘書

手順②:納品スキルを磨く
稼ぎ方を決めたら、仕事を納品できる程度にスキルを磨きます。
納品スキルの磨き方は、主に2つの方法に分けられます。
- 独学:情報商材をもとに自分一人で学習する
(例.書籍、youtube、webサイト、noteなど) - 教わる:「すでにできる人」に指導してもらう
(例.ティーチング、フィードバック、スクールなど)
納品スキルを磨きながら、定期的に仕事を請け負ってみてください。
それにより現状のスキル練度や課題を確認することで、この準備期間を最適化できます。

手順③:営業スキルを磨く
納品スキルをある程度磨いたら、同時並行的に営業スキルも磨いていきます。
フリーランスは自分で営業活動をしなければ仕事を受注できず、スキルがあっても売上につながらないためです。
まずは、「同じ稼ぎ方の人たちがどうやって仕事を受注しているのか」を調べることから始めてみてください。
例.よくある営業の方法
・SNSの募集案件に応募する
・クラウドソーシングの案件に応募する

手順④:大量の仕事を請け負い成長を目指す
納品スキルと営業スキルをある程度磨いたら、大量受注をしてみてください。
売上を上げること以上に、次の2つの自信を持つことを目指します。
- 納品物への品質に自信を持つこと
→もっと単価の高い仕事に挑戦する意欲を生み出す。 - いつでも仕事を得られるという自信を得ること
→働きやすい人や内容で仕事を選べるようになる。
これらの自信を持てないと、仕事の受注への恐怖が強くなるとともに、今ある仕事に執着するようになります。
低単価な仕事ばかりを請け負う現状から抜け出せなくなり、自転車操業のような働き方になるでしょう。

手順⑤:交渉スキルを磨く
仕事や営業に対する自信を持てたら、交渉スキルを磨いていきます。
自分で仕事数や価格などを交渉をしなければ、フリーランスは満足いく売上を得られないためです。
例.交渉の成否に影響を与える要素
・交渉態度:どのような口調や振る舞いだと単価が上げてもらいやすいか
・交渉材料の選定:単価を上げるための強調ポイント
・交渉余地の見極め:お客様の予算や要望を把握する
・交渉タイミングの見極め:お客様が単価UPを承認しやすいタイミング
実際にどのような交渉をするかは、業界によって異なります。
同じ業界で働く先輩に相談して、一連の交渉の流れや常識を教わってみてください。

手順⑥:価格交渉できるようになる
交渉の方法を学んだら、実際に発注者に対して交渉をしていきます。
一般的に、最初はお試し価格としての安い単価での仕事の受注です。
そのため、交渉を持ちかけても発注者に嫌われることはほぼなく、むしろ単価を上げるための条件を好意的に教えてくれるでしょう。
ただし、お客様の予算によって単価には上限が設定されています。
予算以上の単価を求めるならば、予算額を増やす価値を提示したり、予算の多い他のお客様に営業したりすることが必要です。

フリーランスを始める際のよくある疑問
ここでは、フリーランスを始める際に抱きやすい疑問についてお伝えしていきます。
疑問①:副業は会社にバレるのか
副業としてフリーランスを始めた場合、収益があると住民税の額が変わるため勤務先にバレます。
住民税の額が変わる条件は以下の通りです。
- 副業の赤字を確定申告したとき:住民税が下がる
- 副業で20万円の年間所得があるとき:確定申告の義務があり住民税が上がる
- 収益が青色申告の控除額を超えるとき::確定申告の義務があり住民税が上がる
→年間所得が青色申告の控除内なら確定申告をしてもバレない - 副業で20万円の未満の年間所得があるとき:確定申告の義務はないが、所得がある場合は市町村に申告義務があり住民税が上がる
基本的に収益があると、勤務先に副業をしていることがバレます。
副業するときは、勤務先の就業規定に違反しないかをかならず確認してください。
もしもお試しでの副業の場合は、意図的に赤字にすることが手っ取り早くおすすめします。
赤字であるなら確定申告をしない限り住民税は変わらないため、税金面から勤務先にバレることはありません。
- 収益が赤字:確定申告をしなければ住民税は上がらない
- 収益が65万円以内:青色申告で控除を最大まで適用されれば住民税は上がらない
- 収益が65万円越え:どうあがいても住民税が上がる→経費による税金対策が必須
例.赤字にするための先行投資
・仕事道具:パソコン、デスク、椅子、カメラ
・自己啓発系の自己投資:コーチング
・スキル習得のための自己投資:ティーチング、スクール、情報商材
出典:
・https://www.yayoi-kk.co.jp/fukugyo/oyakudachi/fukugyo_juminzei/
・https://www.freee.co.jp/kb/kb-blue-return/special-system/

疑問②:開業届の提出タイミング
開業届を出すことのメリットは、主に次の2つです。
- 青色申告ができる:最大65万円の控除を受けられる(青色申告承認申請書の提出も必要)
- 事業者名を得られる:銀行口座名にできる(ビジネス用口座)
開業届を出さずにフリーランス活動をしても罰則はありません。
また、開業届を出さなくてもインボイス制度に登録できます。
そのため、本格的に収益が見込める段階になったタイミングで開業届を提出することをおすすめします。
ただし、赤字を青色申告することで、その赤字を翌年以降(最長3年間)に繰越すことができます。
白色申告では繰り越させないため、赤字金額や事業計画によって判断するとよいでしょう。
出典:
・https://www.freee.co.jp/kb/kb-kaigyou/invoice-and-report-opening/
・https://www.freee.co.jp/kb/kb-kaigyou/blue-return-basic/
・https://www.freee.co.jp/kb/kb-blue-return/blue-return-deficit/
疑問③:確定申告すべきタイミング
確定申告すべきボーダーは、本業と副業で異なります。
- 本業:「48万円以上の年間所得」がある場合に限り確定申告の義務が生じます
- 副業:「20万円以上の年間所得」がある場合に限り確定申告の義務が生じます
所得とは、1月1日~12月31日の年間売上から経費を差し引いた金額のことです。
ただし、ボーダーを下回るとしても、黒字の場合は住民税が免除されないため市町村への申請義務が残ります。
- 確定申告をした場合:税務署から市町村に通達される
- 確定申告をしない場合:自ら市町村に申請する
出典:https://www.yayoi-kk.co.jp/shinkoku/oyakudachi/shinakuteiikingaku/
フリーランスとしてスタートダッシュするには
ここでは、フリーランスとして素早く稼ぐための振る舞いをお伝えしていきます。
ステップ①:目的と目標を設定する
目指す地点を明確にすることで、緊張感が生まれて行動意欲が高まります。
また、粘り強さも生まれるため、全力ダッシュできる期間が延びてより大きく前進できるでしょう。
- 目的:副業をして叶えたいこと、イメージできるもの
(例.余裕をもって推し活をしたい) - 目標:目的を叶えるための条件、数値化できるもの
(例.3カ月後までに毎月3万円稼げるようになる)
目的にはワクワク感が、目標にはひしひし感が重要になります。
これらを明確に分けて、まずは目的から設定してみてください。
- ワクワク感:純粋にその状態になりたいと思う気持ち
- ひしひし感:全力を出す必要性への実感(簡単すぎず難しすぎない難易度)

ステップ②:とにもかくにも大量行動
目指す地点を決めたら、あとはとにかく大量行動を心掛けましょう。
「情報収集、仮説構築、仮説の検証、振り返り」のそれぞれをたくさんこなすことでしか、ビジネススキルは上がらないためです。
- 情報収集:インターネットで調べる、知っている人に尋ねる、実際に体験してみる
- 仮説構築:目標を達成するための条件を自分なりに挙げる
- 仮説の検証:仮説を実行する
- 振り返り:検証から得た情報をもとに再び情報収集や仮説構築をする
副業を始めてから時間が経過するほど、周囲の目に怯えて「できること」しか取り組めなくなります。
初心者という肩書があるうちに、たくさんの行動をしてたくさんの失敗経験を積んでみてください。
- 初心者:親切に教えてくれる人が多い、期待されていないから失敗しても笑って許されやすい
- 熟達者:周りはこんなに稼いでいるのに私はまだ…、今さらこれを知らないとは言えない…

ステップ③:課題を見つけてからの自己投資
大量行動から自分の課題が明確になったら、自己投資により解消するとよいでしょう。
パッケージ商品よりも課題解消商品のほうが、コストパフォーマンスが高い傾向にあるためです。
- パッケージ商品:すべてを教える系の商品(30万円~100万円が相場)
(例.3カ月で30万円を稼ぐ方法、noteで100円を稼ぐ方法など) - 課題解消商品:部分的な躓きに対する指南系商品(数千円~10万円が相場)
(例.プロフィールの作成方法、提案文の書き方、添削など)
「何も分からないから自己投資をしよう」とする人がよくいますが、あまりおすすめしません。
自己投資商品は玉石混交であり、ギャンブルな側面があるためです。
予算が少ないのならなおさら、最低限の自己投資で済ませられるように大量行動で補いましょう。

ステップ④:効率化は時間が足りなくなってから
効率化をしようとするタイミングは、慎重に判断してください。
誤ったタイミングによる効率化は、成果が出るまでの期間が遠のく原因になるためです。
- 最初から効率化をしようとする:量が足りなくなる、経験不足、1日の生産量の低下
- 一度の成功で効率化をしようとする:質と再現性の低い仕組みになりやすい
最初から効率化を目指してしまうと、完璧主義性が増して行動量が著しく低下してしまいます。
「やりたいことが他にもたくさんあり時間が足りない」という状態になったときが、効率化のタイミングとしておすすめです。
効率化が頭によぎったら、その目的について掘り下げてみましょう。
「がんばりたくない」「失敗したくない」という理由なら、効率化ではなくその抵抗感と向き合う必要があります。
★業務の効率化
業務の効率化をするときは、それを量産する意味について検討してみてください。
その品質のものを量産することの意味が不明確ならば、まだ効率化するフェーズではない可能性が高いです。
例.効率化の目的
・この品質の文章を100個リリースして効果性を検証したい
・この品質の効果性は検証しておりあとはただ量産すればいいだけ

フリーランスのよくある失敗
ここでは、フリーランスにおけるよくある失敗についてお伝えしていきます。
失敗①:準備期間で停滞する
準備期間とは、目標としている収益を得られるまでの期間のことです。
現状のスキル練度や時間的・金銭的リソースによって異なりますが、3カ月から1年程度が準備期間に相当します。
しかし、一部の人はこの準備期間に数年を費やし、ほとんど進捗のない日々を過ごします。
理由は主に「初めてのことを実行する勇気不足」であり、失敗への恐怖によって完璧主義性が強まるためです。
例.準備期間に留まる人の傾向
・情報収集だけに専念して実行しない
・「いつかがんばる」と機会を待ち続ける
・「他者がすべてを教えてくれる」と信じて待ち続ける
・成功確率が100%の方法以外は試す価値がないと断じる
・「~がないからできない」と行動しない言い訳に焦点を当て続ける
準備期間で停滞しないためには、「スキル不足という自認状態でも実行できるようになること」が重要になります。
ただし、まったくのスキル不足では単なる挫折経験になるだけなので、次のような目途を立てる必要があるでしょう。
- 他者に保証される:これなら稼げるよとスキル練度を保証してもらう
- 鍛錬期間を設定する:3カ月後には仕事を請け負ってみると決めきる

失敗②:予想以上に稼げない
フリーランスがもっとも躓きやすい壁は、バイト以上の効率で稼げるようになることです。
たとえばwebライターなら、文字単価1.5円まではたどり着きやすいですが、そこから先は一部の人しかたどり着けません。
フリーランスになってもバイト並みの時給止まりになりやすく、本業として生計を立てるには不安が残ります。
例.バイト並みの時給になりやすい理由
・競合が多い(同じスキル練度の人が多い)
・仕事内容ごとに単価の上限には天井がある
フリーランスとしての収入を増やすためには、「量を増やす」か「仕事内容を変える」かの2通りだけです。
しかし、自力では量を増やすにも限度があり、スキルや伝手の不足から仕事内容を変えることもできずに低単価の仕事に留まってしまいます。
- 量を増やす:効率化、仲介など
- 仕事内容を変える:高単価の仕事を受注する、別の収入源を作るなど
低単価の仕事をこなしているだけでは、相当な幸運と出くわさない限りバイトの時給を超えられません。
本当に稼ぎたいのであれば、稼ぐためのロードマップを作り、スモールゴールを達成していきましょう。
目標の収入を得るための条件を把握し、その条件を満たすための行動を常に心がけることで、収入の壁を超えられるはずです。
- 収入の壁に躓く人:今ある仕事、今できる仕事だけをこなそうとする
- 収入の壁を乗り越えらえる人:目標額から単価と量を逆算して目標にする

失敗③:働く意欲を失ってしまう
副業時代では強かったやる気が、フリーランスを本業にした途端に弱まることがあります。
この現象の主な理由は、「フリーランスとして働くことの動機が消失したこと」です。
「会社を辞める」という目的が達せられたがために、働く動機が失われてしまったのです。
- 副業時:会社を辞めたいという欲求が副業をすることへの意欲になっている
- 本業時:すでに会社を辞めておりフリーランスで働く必要性が失われている
この状態を打開するためには、「新たな目的を見つける」か「別の会社に就職する」しかありません。
目的のないままフリーランスをしていると、妥協を繰り返してどんどん働かなくなり、年季だけのフリーランスになってしまいます。
それをよしとするならばよいのですが、そうでないならば苦しいだけの人生になってしまうでしょう。
- 目的がないことをよしとする:生きていけるだけの最低限の稼ぎで満足する、結婚や趣味を諦める
- 目的がないことをよしとしない:自分の願望を認める、現実とのギャップを埋めようとする
フリーランスであり続ける必要性がないならば、就職活動をすることをおすすめします。
就職できない、またはしたくないのであれば、「フリーランスとしてどんな人生にしたいのか」という自分の願望と向き合ってみてください。

失敗④:仕事とプライベートの両立
フリーランスとして安定して稼げるまで、意識や熱量を労働に注ぐ必要があります。
この3カ月から1年の期間は、プライベートを堪能する余裕はほぼありません。
短期的な旅行ぐらいは可能ですが、恋愛や家族関係の改善などの長期的なイベントをこなすことはできないでしょう。
そのため、フリーランスとして稼ぐと決めるときは、その期間を注ぐ余裕があるのかを検討してみてください。
「仕事に専念する」と決断できないのなら、「その決断ができる状態になること」を目先の目標として優先することをおすすめします。

まとめ
フリーランスを始めるには、次のステップをおすすめします。
- 手順①:稼ぎ方を決める
- 手順②:納品スキルを磨く
- 手順③:営業スキルを磨く
- 手順④:大量の仕事を請け負い成長を目指す
- 手順⑤:交渉スキルを磨く
- 手順⑥:価格交渉できるようになる
フリーランスになって後悔するパターンの1つは、目標が消失することです。
フリーランスとして働く意味や気力を失ったとき、自分の取り組んでいることに疑問を持ちストレスが生じ始めます。
フリーランスとして生きていくならば、目指したい地点を常に明確にしてください。
妥協による現状維持を望みやすいならば、フリーランス活動は副業にとどめることをおすすめしま。す