定期的に屋根の塗装を行わないと、雨漏りなどの家の不具合の原因となってしまうということを知っていますか?
メンテナンスは10年に一度といわれていますが、気温や日当たりによって差があります。
あなたの家の屋根は大丈夫でしょうか?
今回は、屋根の種類と塗り替えのサイン、屋根の塗り替え方法と必要な道具を紹介しています。
もしあなたが屋根の塗り替えを自力でやろうと考えているのでしたら、一読することをおすすめします。
屋根の注意点
まず屋根の塗り替えを行うということは、「命を落とすリスクのある作業」であるということを覚えておきましょう。
高所作業で行う屋根の塗り替えは、落ちたら間違いなく重症を負うことになります。
プロ業者でさえ、年間20人ほどの死亡者がでているので、素人が行うときはより慎重にならなければなりません。
屋根から落下する原因
屋根の塗り替えによる怪我は、ほとんどが屋根からの落下が原因で起きます。
ではなぜ落下してしまうのか。
3つの原因を紹介します。
1. 脚立から落ちる
足場を組み立てないで屋根を塗装する場合、屋根に上るには脚立を使うのが一般的です。
しかし、平屋でも屋根までの高さは約3mあります。
高さがあればあるほど、脚立や梯子は不安定になりますので、ひとりで屋根に上ろうとすると危険が伴うのです。
もし脚立や梯子を使って屋根に上る場合は、誰かに支えてもらったり、紐で固定するなどの対策をしましょう。
2. 風が強いときに作業する
作業は不安定な屋根の上で行うので、強い風に煽られるとバランスを崩してしまい転倒してしまう場合があります。
足場を立てない屋根の場合、風が地上より強く吹きますので、注意しなければいけません。
対策としては、風が強いときに作業しないことや、ダボダボな服装や履きなれていない靴の使用をやめることでしょう。
3. 屋根が滑る
屋根の傾斜が急な場合、とても滑りやすいです。
そういう屋根での作業は十分に気をつけなければなりません。
傾斜が急な屋根は、水滴がついているだけでもとても危険です。
滑りにくい手袋や靴を装備して作業をするようにしてください。
もし、少しでも滑りそうと感じたら、作業を中止して業者に依頼するなどの対応を取りましょう。
落下防止の方法
屋根から落下しないようにするにはどうすればよいでしょうか。
屋根から落下しないための対策を3つ紹介しますので、できる限り取り入れるようにしてください。
1.足場を組み立てる
屋根から落下しないためのもっとも効果的な方法は「足場を組み立てる」ことです。
できることなら足場を全面組み立てるのが理想になりますが、局所的でも、道具の運搬が非常に楽になるので十分に効果はあるでしょう。
足場の組み立ては素人でも行えますが、プロ業者に頼んだほうが楽で安全ですので、できる限りプロ業者に頼むことをおすすめします。
2.二人以上で作業をする
二人以上で作業することはとても重要なことです。
二人以上で作業するもっとも重要なことは、たとえ屋根から落下してもすぐに救急車を呼んでもらえるということ。
すぐに適切な処置をしてもらえばたとえ落下したとしても、命を落とさずに済むかもしれないからです。
他にも梯子をおさえたり、作業時間を減らすことができたりと、メリットはたくさんあります。
3.傾斜を下りながら作業はしない
屋根の傾斜は上るときよりも下るときのほうが滑りやすいです。
横着して屋根の傾斜を下りながら作業すると、大変危険になります。
しゃがむ場合は、屋根と向かい合った状態になるようにすると、屋根から落ちにくくなるので、覚えて置いてください。
そしてできる限り屋根の上で移動しないように心がけましょう。
屋根には種類がある
今回紹介する屋根は、「トタン」・「コロニアル」・「セメント瓦」の3種類です。
これからそれぞれの屋根の特徴と塗り替えのサインを紹介します。
あなたの家の屋根に塗り替えのサインが出ているのか、確認してみましょう。
トタン屋根の特徴と塗り替えのサイン
トタン屋根とは、画像のような屋根です。
安くて軽いという特徴から、一時期人気化しましたが、デメリットが多くあるので主流にはないりませんでした。
定期的にメンテナンスをしないとすぐに雨漏りをしてしまうため、トタン屋根の家に住んでいる人は気をつけてください。
トタン屋根は「粉っぽくなる」・「錆びる」・「艶がなくなる」というのが塗り替えのサインですので、見逃さないようにしましょう。
コロニアル屋根の特徴と塗り替えのサイン
コロニアル屋根とは、画像ような屋根です。
非常に安価で、施工期間が短く、太陽光が設置できるなどの利点があります。
しかし、メンテナンスをしないと色あせたり、割れやすかったりとデメリットもあるので覚えておきましょう。
コロニアルの屋根が「色あせる」・「藻が生える」・「割れる」の症状が出た場合は、塗り替えを検討するようにしてください。
とくに、「割れる」症状が出ている場合は、人に怪我をさせてしまう可能性もあるので、早急に対応しましょう。
セメント瓦の特徴と塗り替えのサイン
セメント瓦とは画像のような屋根です。
日本瓦より安価で軽いというメリットがありますが、割れやすくて防水性がないというデメリットがあります。
防水性がないため、定期的に塗り替えを行わなければいけません。
セメント瓦が「色あせる」・「藻が生える」・「割れる」の症状が出た場合は、塗り替えを検討するようにしましょう。
割れた瓦を取り替える場合、和瓦や洋瓦などの種類があるので、あなたの家の瓦はなんなのかを確認してから購入することをおすすめします。
種類別の屋根塗り替え工程
同じ屋根の塗装とはいえ、種類によって工程は異なります。
あなたの家に適した工程で行わないと、失敗の原因にもなりますので、覚えておきましょう。
「トタン」・「コロニアル」・「セメント瓦」の塗り替えの工程を紹介しますので、参考にしてください。
トタン屋根塗り替えの工程
1.洗浄
まずはトタン屋根の洗浄を行いましょう。
高圧洗浄機による洗浄が理想ですが、ない場合は水とブラシを使って汚れを落としましょう。
きれいに汚れを落とさないと、塗料が付着せずにすぐに剥がれてしまうので、丁寧に行ってください。
2.けれん・目あらし
屋根が乾いたら、けれん・目あらしを行いましょう。
けれん・目あらしとは、屋根の錆などを取り、細かい傷をつける行為です。
これを行うことで、塗料が密着しやすくなります。
「紙やすり」や「ワイヤーブラシ」を使うとよいでしょう。
一通りけれん・目あらしが終了したら、箒を使ってカスを掃除しましょう。
あまりにも錆がひどいようでしたら、洗浄より先にけれん・目あらしを行っても大丈夫です。
3.養生
掃除が終わったら、養生です。
養生は、汚れて欲しくない部分に行いましょう。
アンテナの付け根などの付属物が対象になると思います。
場合によっては壁や樋にも養生を行いましょう。
4.下塗り
養生が終わったら、下塗りです。
まずは刷毛を使ってローラーでは塗りにくい部分を塗っていきましょう。(ダメ込み)
デコボコの入隅や屋根の先などを塗っていきます。
ダメ込みが終わったら、ローラー塗りです。
ダメ込み部分では塗らなかった部分を塗っていきましょう。
ちなみに、トタン屋根は金属なので、錆びないように「さび止め塗料」を使うことをおすすめします。
5.上塗り
下塗りが完全に乾いたら、上塗りを行いましょう。
上塗りのやり方も、下塗りと同様です。
「ダメ込み→ローラー塗り」の順で行い、かすれのないようにしてください。
上塗りを2回行うと、かすれもなくきれいに仕上がるので、おすすめです。
しかし、上塗りを1回塗りにするか、2回塗りにするかは、あなたの判断でよいです。
6.養生の片付け
上塗りが乾いたら、養生をはがしましょう。
しっかりと上塗りが乾いていない場合は、足跡がついてしまう可能性があるので注意してください。
もし、足跡がついてしまうか不安でしたら、上塗りのダメ込みをしたときに、一緒に養生をはがしてしまうとよいでしょう。
養生は塗料が乾きにくいので、壁などに付着させないように気をつけてください。
7.清掃
最後に清掃をしましょう。
モノを移動させたのでしたら、元の位置に戻します。
家周辺にゴミが落ちていないか確認し、箒で掃いていきましょう。
これを終えたら、一通りの作業は終了です。
※
もし錆びなどが原因で、穴や亀裂がある場合は下塗りの前に補修をしましょう。
「コーキング剤」もしくは「アルミテープ」を使用することをおすすめします。
「コーキング剤」を使用する場合は、「コーキングガン」も準備しましょう。
コロニアル屋根塗り替えの工程
1.洗浄
まずは水を使い、洗浄を行いましょう。
理想は高圧洗浄機を利用することですが、ない場合はブラシと水で汚れを落としていきましょう。
このときに、藻などの汚れが付着していると、塗料がすぐにはがれてしまいます。
特に高圧洗浄機を利用しない場合は、入念に洗いましょう。
2.養生
屋根が乾いたら、養生をしていきます。
養生は、塗料が付着して欲しくない部分に行いましょう。
アンテナの付け根などの付属物が対象になると思います。
場合によっては壁や樋にも養生を行いましょう。
3.下塗り
養生が終わったら下塗りです。
まずは、刷毛を使い、ローラーでは塗れない部分を塗っていきます。(ダメ込み)
デコボコしている部分や、付け根の部分に行うとよいでしょう。
ダメ込みが終了したら、ローラー塗りをします。
ローラー塗りは、ダメ込みでは塗らなかった部分をぬっていきます。
ダレをつくらないように、大量に塗料を塗りつけることはひかえましょう。
4.タスペーサー
コロニアル屋根の場合、塗料を塗ってしまうと板の隙間がなくなってしまいます。
そうすると、雨漏りの原因になりますので、これを阻止しなければなりません。
多くの業者は「縁切り」という作業を行います。
これは、上塗りが乾いてから、かわすきを使って塗膜をきっていく作業です。
しかし上塗りの上を歩くと足跡がついてしまったり、汚れの原因になってしまいます。
そこで最近流行しているのが「タスペーサー」の使用です。
下塗りが終わった段階で「タスペーサー」を使用して無理やり隙間を作ることで、「縁切り」を行わずに済みます。
ぼくとしても、「縁切り」より「タスペーサー」を使用する方がおすすめです。
5.上塗り
タスペーサーを取り付けたら、上塗りを行いましょう。
上塗りは下塗りと同じように、「ダメ込み」→「ローラー塗り」の順序で行ってください。
タスペーサーはダメ込みのときに一緒に塗ってしまいましょう。
上塗りを2回行うと、かすれもなくきれいに仕上がるので、おすすめです。
しかし、上塗りを1回塗りにするか、2回塗りにするかは、あなたの判断でよいです。
6.養生の片付け
上塗りが乾いたら、養生をはがしましょう。
しっかりと上塗りが乾いていない場合は、足跡がついてしまう可能性があるので注意してください。
もし、足跡がついてしまうか不安でしたら、上塗りのダメ込みをしたときに、一緒に養生をはがしてしまうとよいでしょう。
養生に付着した塗料は乾きにくいので、壁などに付着させないように気をつけてください。
7.清掃
最後に清掃をしましょう。
モノを移動させたのでしたら、元の位置に戻します。
家周辺にゴミが落ちていないか確認し、箒で掃いていきましょう。
これを終えたら、一通りの作業は終了です。
セメント瓦塗り替えの工程
1.洗浄
まずは屋根を洗いましょう。
高圧洗浄機を利用することが理想ですが、ない場合はデッキブラシと水を使って洗っていきます。
藻などの汚れが付着したままの状態ですと、塗料がすぐにはがれる原因になってしまいます。
ですので、汚れが落ちきるまで、丁寧に洗浄しましょう。
2.瓦の点検
瓦が割れていないか、ずれていないか確認しましょう。
このとき、ずれていたら元の位置に戻してください。
割れている場合は、新しいものに交換しましょう。
もし大量に割れているのでしたら、業者に屋根に異常がないのか点検してもらうことをおすすめします。
3.養生
養生は、塗料が付着して欲しくない部分に行いましょう。
アンテナの付け根などの付属物が対象になると思います。
場合によっては壁や樋にも養生を行いましょう。
4.下塗り
養生が終わったら下塗りです。
まずは、刷毛を使い、ローラーでは塗れない部分を塗っていきます。(ダメ込み)
瓦と瓦の境や、壁から近いの部分に行うとよいでしょう。
ダメ込みが終了したら、ローラー塗りです。
ローラー塗りは、ダメ込みでは塗らなかった部分を塗っていきます。
ダレをつくらないように、大量に塗料を塗りつけることはひかえましょう。
5.上塗り
下塗りが乾いたら、上塗りを行いましょう。
上塗りは下塗りと同じように、「ダメ込み」→「ローラー塗り」の順序で行ってください。
上塗りを2回行うと、かすれもなくきれいに仕上がるので、おすすめです。
しかし、上塗りを1回塗りにするか、2回塗りにするかは、あなたの判断でよいです。
6.養生の片付け
上塗りが乾いたら、養生をはがしましょう。
しっかりと上塗りが乾いていない場合は、足跡がついてしまう可能性があるので注意してください。
もし、足跡がついてしまうか不安でしたら、上塗りのダメ込みをしたときに、一緒に養生をはがしてしまうとよいでしょう。
養生に付着した塗料は乾きにくいので、壁などに付着させないように気をつけてください。
7.清掃
最後に清掃をしましょう。
モノを移動させたのでしたら、元の位置に戻します。
家周辺にゴミが落ちていないか確認し、箒で掃いていきましょう。
これを終えたら、一通りの作業は終了です。
種類別の屋根の必要な道具
屋根の塗る工程がわかったら、次は必要な道具です。
必要な道具は、他の作業でも使いまわすことができるので、揃えてしまうことをおすすめします。
道具の詳しい説明は<DIY> ペンキを塗るときに必要な道具 とは?刷毛やローラー以外にも <DIY>塗装屋さんが使う養生道具・養生テープにて紹介していますので、一読してください。
トタン屋根塗り替えに必要な道具
1.洗浄道具
①高圧洗浄機使用
・高圧洗浄機
・高圧洗浄機付属パーツ(ノズルなど)
・水道ホース
・大きいバケツ
②高圧洗浄機不使用
・水道ホース
・デッキブラシ
2.けれん・目あらし道具
・サンドペーパ or ワイヤーブラシ
3.養生道具
・ガムテープ
・マスカー
・ブルーシート(塗料の準備をするところに敷く)
4.下塗り道具
・下塗り塗料
・水性の平刷毛
・水性のスジカイ刷毛
・ローラー
・ローラーの柄
・継ぎ柄
・かわすき
5.上塗り道具
・上塗り塗料
・油性(溶剤)の平刷毛
・油性(溶剤)のスジカイ刷毛
・ローラー
・ローラーの柄
・継ぎ柄
・かわすき
6.その他
・脚立 or 梯子
・箒
・ちりとり
・コーキング剤
・アルミテープ
コロニアル屋根塗り替えに必要な道具
1.洗浄道具
①高圧洗浄機使用
・高圧洗浄機
・高圧洗浄機付属パーツ(ノズルなど)
・水道ホース
・大きいバケツ
②高圧洗浄機不使用
・水道ホース
・デッキブラシ
2.養生道具
・ガムテープ
・マスカー
・ブルーシート(塗料の準備をするところに敷く)
3.下塗り道具
・下塗り塗料
・水性の平刷毛
・水性のスジカイ刷毛
・ローラー
・ローラーの柄
・継ぎ柄
・かわすき
4.タスペーサー
・タスペーサー(縁切りを行う場合は不要)
5.上塗り道具
・上塗り塗料
・油性(溶剤)の平刷毛
・油性(溶剤)のスジカイ刷毛
・ローラー
・ローラーの柄
・継ぎ柄
・かわすき
6.補修道具
7.その他
・脚立 or 梯子
・箒
・ちりとり
セメント瓦塗り替えに必要な道具
1.洗浄道具
①高圧洗浄機使用
・高圧洗浄機
・高圧洗浄機付属パーツ(ノズルなど)
・水道ホース
・大きいバケツ
②高圧洗浄機不使用
・水道ホース
・デッキブラシ
2.かわらの点検
・予備の瓦(瓦の点検後に購入することをおすすめします)
3.養生道具
・ガムテープ
・マスカー
・ブルーシート(塗料の準備をするところに敷く)
4.下塗り道具
・下塗り塗料
・水性の平刷毛
・水性のスジカイ刷毛
・ローラー
・ローラーの柄
・かわすき
5.上塗り道具
・上塗り塗料
・油性(溶剤)の平刷毛
・油性(溶剤)のスジカイ刷毛
・ローラー
・ローラーの柄
・かわすき
6.その他
・脚立 or 梯子
・箒
・ちりとり
おすすめの塗料
準備中
まとめ
・屋根の塗り替えには危険が伴うため、絶対にヘルメットを着用すること
・できるなら、足場を組み立てることをおすすめする
・一般的な屋根の種類は「トタン屋根」「コロニアル屋根」「セメント瓦」の三種類ある
・工程は基本的に「洗浄」「養生」「下塗り」「上塗り」「片付け」の順で行う
・「洗浄」のおすすめは高圧洗浄機を使用すること
・塗りの基本は、「ダメ込み」→「ローラー塗り」
・屋根の上塗りは基本的に「油性」(溶剤)
・「トタン屋根」の補修にはコーキング剤やアルミテープを使う
・「コロニアル屋根」は縁切りよりタスペーサーがおすすめ
さいごに
いかがでしたでしょうか?
屋根を塗り替え自体はそれほど難易度の高い作業ではありません。
しかし、命を落とす可能性のある作業ということを覚えておいてください。
ぼくとしては、できれば足場を組み立ててもらうことをおすすめしたいです。
ついでに外壁塗装を行いえば、足場代もそれほど痛くはないでしょうし。。。
DIY|外壁塗装の方法と工程-ペンキ塗りの注意事項 では外壁塗装の方法を紹介しているので、外壁塗装をやろうと考えているのでしたら、一読することをおすすめします。
なんにせよ、怪我だけはしないように、慎重に行ってください。
以上で DIY|屋根の塗り替え方法と必要な道具_トタン/コロニアル/セメント瓦 をおわります。