素人でも、ペンキを塗ることができるということを、
あなたは知っていましたか?
しかし、ただペンキを塗るだけでは、
きれいに仕上げることができません。
ちょっとしたコツを意識する必要があるのです。
この記事では、
ペンキを塗るコツについて紹介しています。
ペンキの落とし方も併せて紹介しているので、
これから作業する人の参考になれば、幸いです。
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ペンキを塗る前にやるべきこと
ペンキを塗るとき、
いきなりペンキを塗り始めてはいけません。
ペンキを塗る前に、養生や下地処理をしないと、
塗装の完成度がひどく低下してしまうのです。
以下では、ペンキを塗る前に、
やっておくべきことを紹介していきます。
下地処理
ペンキを塗る前に、
下地処理を行いましょう。
下地処理は、亀裂や穴が開いている壁や床を、
平らにするための作業です。
亀裂や穴が開いている場合は、
パテを使用して塞ぎます。
塗膜が浮いていたり、ゴミがついていたりする場合は、
金ベラやサンドペーパーを使って平らに均してください。
下地処理を怠ると、きれいにペンキを塗っても、
短時間で塗膜がはがれる原因になります。
ペンキの耐久年数を上げるためにも、
かならず下地処理を行うようにしましょう。
・【パテ補修】DIYでもパテは必要?パテの使い方と必要な道具!
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養生
養生とは、ペンキで汚さないように保護するための工程です。
たとえば、天井や階段など、
ペンキで汚れて欲しくない物をビニールなどで保護します。
ペンキを塗るときに、
最も時間がかかるのが養生であるといっても過言ではありません。
養生を怠ると、ペンキを落とすのが大変になるので、
かならず養生をするようにしてください。
ペンキを塗るための道具
以下で紹介する内容は、
必要な塗料と道具についてです。
ペンキを塗るためには、
塗料と道具を用意する必要があります。
壁を塗るのか、天井を塗るのかなど、
なににペンキを塗るのかによって、準備する塗料や道具が異なるので、
ケースに合わせて、準備する道具を検討してください。
下塗り塗料と上塗り塗料を準備しよう
ペンキを塗るときは、
下塗り塗料と上塗り塗料を準備してください。
下塗り塗料と、上塗り塗料は、
塗料の種類がそれぞれ異なります。
かならず、下塗り専用塗料と、
上塗り専用塗料の2種類を用意するようにしましょう。
下塗り塗料も、上塗り塗料も、
水性と油性(溶剤)に分かれています。
何を塗るのかによって、
使う塗料が異なるので注意してください。
しかし、近年の水性塗料は、
性能がとても進化しています。
外壁でも水性塗料を使うほどですので、
特にこだわりがない場合は、水性塗料を選択することがおすすめです。
・【塗料薄め液】塗料に適した種類とは?希釈方法も紹介!
・下塗り塗料の種類と使い分け方|おすすめの下塗り塗料紹介
塗装に最低限必要な道具
塗装に必要な道具は、以下の6つです。
- 刷毛
- ローラーの柄
- ローラーの毛
- ローラーネット
- バケット
- バケットカバー
この他にも、
脚立や継ぎ柄など、必要になるかもしれません。
何を塗るのかによって、必要となる道具は異なりますので、
何の道具が必要なのかを事前に確認しておくことをおすすめします。
また、安全のために、
軍手やヘルメットを用意しておくとよいでしょう。
・DIY| ペンキを塗るときに必要な道具とは?刷毛やローラー以外にも
・DIY | 継ぎ柄の基本的な使い方と継ぎ柄の選び方_初めての塗り替え塗装
・壁の隙間にジョイントコーク!使い方と用途について
ペンキの塗り方のコツ
ペンキを塗るには、
さまざまなコツが存在します。
その中でも、ここで紹介するコツは、
初心者でも意識しやすいペンキ塗りのコツです。
以下の11個のコツを紹介していくので、
ペンキを塗るときの参考にしてください。
- ローラーが入らないところは刷毛で広めに塗る
- 養生の周辺は薄く塗る
- みみずをつくらないようにしっかりならそう
- 塗膜を厚くしない
- 塗る量は一定に
- 刷毛は一定の方向に払う
- 塗るときはかならず1.5往復する
- Wに塗ってから縦に塗る
- ローラーは0.5個分ずつ進んでいこう
- ローラーや刷毛の塗る方向
- 一度塗ったところは生乾きの状態のときいじらない
以下でそれぞれ解説してきます。
ローラーが入らないところは刷毛で広めに塗る
ペンキを塗るときは、
ローラーを塗る前に、刷毛で塗るのが一般的です。
この刷毛で塗る作業を「ダメ込み」というのですが、
「ダメ込み」は、できる限り幅広く塗りましょう。
「ダメ込み」を狭く塗ってしまうと、
ローラーで天井や電球に、ぶつけてしまう恐れがあります。
ローラーをぶつけてしまうと、養生が壊れる可能性があるので、
絶対にローラーをぶつけないぐらいに、「ダメ込み」を広く塗ってください。
具体的には刷毛2~3つ分の面積を「ダメ込み」すれば、
安心してローラーで塗ることができます。
養生の周辺は薄く塗る
養生の周辺は、薄く塗るようにしてください。
養生の周辺を塗る作業は、
基本的に「ダメ込み」の役割です。
しかし、刷毛で塗るため、
意識をしないと、塗膜が厚くなってしまいます。
養生周辺に対して、塗膜を厚く塗ってしまったら、
養生をはがすとき、塗料膜も一緒にはがれてしまう可能性もあるのです。
これを避けるためにも、
養生に接する部分は、できる限り塗膜を薄く塗るようにしましょう。
みみずを作らないようにしっかり均そう
ローラーや刷毛を使うときは、
みみずを作らないように、しっかりと均しましょう
ペンキを塗ると、ローラーの端や刷毛の端っこに、
みみずのように塗膜が厚くなる部分があります。
この部分を放置していると、
ダレの原因になるので注意が必要です。
ローラーの場合は、塗り進めるほうにミミズを作り、
最後に綺麗にならすことを意識してください。
右から塗っていく場合は、ローラーの左側に少し力を入れれば、
自然と左側にみみずが出来上がります。
刷毛の場合は、ミミズの部分をこすって、
平らに均すとよいでしょう。
平らに均すときは、刷毛から塗料をしごいて、
今以上に塗料がつかない状態でこすることが秘訣です。
塗膜を厚くしない
ペンキを塗るときは、
塗膜を厚くしないようにしてください。
塗膜とは、ペンキを塗ったときの厚さです。
ペンキを厚塗りにすると、
ダレの原因となり、仕上がりが悪くなる恐れがあります。
ペンキは厚塗りにすればするほど難易度が上がっていくので、
慣れない内は、薄く平らに均すことを意識してください。
2度塗りだけではなく、3度塗りをしてもよいので、
できる限りダレを作らないようにしましょう。
塗る量は幅や高さを一定に
刷毛やローラーでペンキを塗るときは、
幅や高さが一定になるように塗っていきましょう。
たとえば、ローラーを高さ1mを3往復したら、
また塗料をつけて繰り返すといった具合です。
3往復の次に4往復になったり、
3往復の次に2往復になったりしないように気をつけてください。
塗料の幅や高さを一定に塗らないと、
塗膜の暑さが不均一になってしまいます。
これは、ムラの原因になるので、
一定の幅と高さに塗っていくようにしましょう。
刷毛は一定の方向に払う
刷毛で塗るとき、
必ず一定の方向(塗ってある方向)に払いましょう。
たとえば、右から左に塗って苦場合は、
常に左に払うようにします。
そうすることで、
塗膜の暑さが、一定にすることができるのです。
これを怠ると、
ダレやムラの原因になるので、注意してください。
塗るときはかならず1.5往復する
ペンキを塗るときは、
かならず1.5往復するようにしてください。
同じ場所を一方向でしか塗らないと、
塗りきれなかったり、塗膜が不均一になります。
これでは、掠れやダレが多くて、
仕上がりが非常に汚いです。
刷毛の場合は、
塗ってない方向から塗ってある方向に1.5往復。
ローラーの場合は、上から下を1.5往復。
このように、同じ箇所を1.5往復することで、
掠れやダレが少ないきれいな仕上がりになります。
ローラーはWに塗ってから縦に塗る
ローラーで塗るときは、
Wに塗ってから、縦に塗ることをおすすめします。
慣れない内は、ローラーにつける塗料の量が調整できません。
その状態で壁や天井を塗ってしまうと、塗膜の厚さが不均一になるのです。
しかし、Wに塗ってから縦に塗るように、
塗料を散布する工程を加えれば、初心者でも均一に塗れます。
この工程ひとつで、
仕上がりがとてもよくなるので、ぜひ実践してください。
ローラーは0.5個分ずつ進んでいこう
ローラーで塗るときは、
0.5個分ずつ進むのが基本です。
これを怠ると、塗料膜の厚みが不均一になり、
掠れやムラの原因となってしまいます。
というのも、ローラーで塗るとき、
1.5往復したらローラーを進路方向にずらすのが通常です。
このとき、ローラーの横幅が長ければ長いほど、
ローラーの右端から左端までに散布される塗膜の厚さが異なります。
もし、ローラー1個分を進路方向にずらしていったら、
ローラーの右側で塗った部分は塗膜が薄く、
ローラーの左側で塗った部分は塗膜が厚くなってしまいかねません。
これでは、ムラが目立ち、
仕上がりがとても悪くなってしまうでしょう。
これを防ぐには、
ローラーを0.5個分ずつ進路方向にずらしていくしかありません。
この方法なら、ペンキ初心者でも、
ムラなくペンキを塗れるので、おすすめです。
ローラーや刷毛の塗る方向
ローラーや刷毛を塗る方向は、決まっています。
状況によって異なる場合もありますが、
基本的には以下の通りに塗るようにしてください。
1.右利きの人
ローラー
→上から下、右から左
刷毛
→上から下、左から右
2.左利きの人
ローラー
→上から下、左から右
刷毛
→上から下、右から左
一度塗ったところは完全に乾くまでいじらない
一度塗ってしまったところは、
完全に乾くまで触れてはいけません。
生乾きの状態で触れると、
塗膜の厚さが不均一になります。
というのも、ペンキを塗った後を見直していると、
塗り残しを見つけることが多々あるのです。
しかし、見つけたからといって、
生乾きの状態で触ると、仕上がりが汚くなります。
もし、塗り残しを見つけたら、
その部位を覚えておき、完全に乾ききってから補修しましょう。
また、塗料はすぐに乾いてしまいます。
それなのに、同じところを長時間いじっていては、
生乾き状態の塗膜をいじっているのとかわりません。
それでは仕上がりが汚くなるので、
慎重に素早くペンキを塗るようにしてください。
完全に乾いたら、手直しができるので、
同じところを何度もいじらないようにしましょう。
仕上げは養生はがし
綺麗に塗れたら、最後に養生はがしです。
養生をはがすだけだからといって、
甘く見ないようにしてください。
養生を雑にはがすと、
塗膜も一緒にはがれてしまう恐れがあるのです。
養生をはがすとき、塗膜も一緒にはがれそうなら、
カッターで切れ目を入れると、きれいに養生がはがれます。
窓やドアノブ周辺など、
線を作りたい場合は、カッターを使うとよいでしょう。
ペンキの落とし方
ペンキの落とし方は、
水性、油性(溶剤)で方法が異なります。
以下でそれぞれ紹介するので、
参考にしてください。
水性塗料の落とし方
水性塗料は、
水でごしごしふけば落とせます。
お風呂に浸かっているだけでも、
ほとんどとれるでしょう。
シンナーならもっと簡単に落とせますが、
水でも十分落とせるので、安心してください。
スポンジや激落ちくんを使えば、
もっと簡単にペンキを落とすことができます。
油性(溶剤)塗料の落とし方
油性塗料を落とすには、
塗料用シンナーやラッカーシンナーが必要です。
もしくは、塗料洗浄液や化粧落としで落とすことができるので、
皮膚が弱い人は、塗料洗浄液や化粧落しを用意してください。
床や壁についた塗料は、
カッターや金ベラで塗膜を薄くすると、簡単に落ちます。
一応灯油や石油でも落ちますが、
とても燃えやすいので燃えないように注意してください。
※ちなみに水性塗料は、
油性(溶剤)塗料の落とし方でも簡単に落とせます。
さいごに
今回紹介したコツを実施すれば、
ペンキ初心者でも、それなりの完成度を追及できます。
しかし、それでもプロとは完成度が異なるでしょう。
作業時間もプロの方が圧倒的です。
もし、ペンキ塗りに完成度を求めるのなら、
リフォーム会社に依頼することをおすすめします。
「リショップナビ」なら、厳選されたリフォーム業者に、
一括で積りを請求することが可能です。
あなたが塗るのと、プロが塗るのでは、
どちらかお得かを考えてみるのも、よいかもしれません。
とにかく、ペンキ塗りは、
時間をとても使います。
あなた自身で塗る場合は、
誰かに手伝ってもらうことも検討してみてください。
以上で、「【ペンキ塗りのコツ】元塗装職人が教えるコツとペンキの落とし方!」をおわります。