DIYで塗装をするのなら、刷毛は必須アイテムです。
しかし、刷毛と一言でいっても、
刷毛には、様々な種類があることをご存知でしょうか?
動物、植物、化学繊維などの毛の種類や、
水性、溶剤、万能などの材質を指定した刷毛があります。
そして、どの種類の刷毛を使うかで、
仕上がりが全く異なるのです。
この記事では、塗装で使う刷毛にスポットをあてて解説しています。
刷毛の洗い方も一緒に紹介するので、参考になれば幸いです。
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刷毛について
以下では、刷毛の基本的なことを紹介していきます。
刷毛は、何を塗るのか、
何の材料を使うのかで、使い分けなければいけません。
以下の内容を読み、何が必要なのかを検討してください。
刷毛の種類
ペンキで使う刷毛は、
「水性刷毛」と「油性(溶剤)刷毛」に分類されます。
あなたが使用する塗料によって、
どちらの刷毛を購入するのか決めましょう。
水性刷毛も油性刷毛も、
「動物」「植物」「化学繊維」のどれか作られており、
素材によって使用感がまったく異なります。
また、水性刷毛も油性刷毛も、
「スジカイ刷毛」
「平刷毛」
「メジ刷毛」
「筆刷毛」
のように、形状にも種類があります。
基本的に、床や天井・壁などを塗る場合は、
「スジカイ刷毛」「平刷毛」
の、ふたつを用意しましょう。
外壁を塗るときは、
「メジ刷毛」を用意すると、作業がしやすいです。
「筆刷毛」は、細かい部分を塗るときにしか使わないので、
住宅を塗装する場合は、ほとんど使うことがありません。
刷毛は値段が高いほうがよいのか?
刷毛は、値段が高いほうが使いやすく、
ペンキ初心者の人にも、比較的上手に塗ることができます。
また、値段が高いほうが、
刷毛自体が長持ちするでしょう。
しかし、安い刷毛でも、
塗装することは十分可能です。
もし、刷毛を使う頻度が少ないのなら、
無理して高い刷毛を買う必要はありません。
高い刷毛を買うより、
しっかりと、用途にあった刷毛を選ぶことが肝心です。
ですが、木の塗装の場合は、
高い刷毛を購入することをおすすめします。
木の塗装は「拭き取り塗装」なら安い刷毛でもよいのですが、
「塗りっぱなしの塗装」の場合は、ムラの原因になってしまいます。
もし、木の「塗りっぱなしの塗装」をするのなら、
それなりに品質の高い刷毛を、購入しましょう。
おすすめの刷毛
以下では、ぼくが職人時代によく使っていた刷毛を紹介します。
どの刷毛も、プロが使える品質ですので、参考になれば幸いです。
水性刷毛のおすすめ
水性刷毛のおすすめは、以下の3つです。
- ひよこ
- 水星
- 塗来
「ひよこ」は、比較的安価ですが、
ダメ込みはしづらいかもしれません。
繊細な作業になるのでしたら、
断然「水星」「塗来」が、おすすめです。
油性刷毛(溶剤刷毛)のおすすめ
油性刷毛のおすすめは、以下の3つです。
- 桃
- はやて
- 白鳩
「桃」「はやて」は、安価で使い勝手がよいですが、毛がよく抜けます。
毛がよく抜けるので、ペンキを塗ったあと、
塗装した壁が、毛だらけになってしまうのです。
塗膜に毛が付着していると、
塗膜がはがれる原因にもなりかねません。
そのため、「桃」「はやて」を使う場合は、
使用前に、あらかじめ毛をむしっておく必要があります。
「白鳩」は、値段が少し高いですが、
価格差以上に、塗りやすいです。
値段に大した違いがないので、
購入するのなら、「白鳩」をおすすめします。
刷毛の洗い方と保管方法
以下では、刷毛の洗い方と保管方法を解説してきます。
手入れをしていない刷毛は、使い物になりません。
塗装後は、かならず手入れを怠らないようにしましょう。
刷毛の洗い方
「水性刷毛」か「油性刷毛」かによって、洗い方が異なります。
刷毛を使いまわす場合は、しっかりと適した洗い方をしましょう。
1.水性刷毛の洗い方
- 水性刷毛を使い終わったら、新聞紙などで、余分な塗料を拭き取る
- お風呂場や洗面所で水を使って刷毛に付着した塗料を洗い落とす
塗料の色が出てこなくなるまで、しっかり洗う - 使った水は、水性塗料処理剤を使用し、処分する
- さいごに、毛を上向きにして乾かす
2.油性刷毛の洗い方
- 水性刷毛を使い終わったら、新聞紙などで余分な塗料を拭き取る
- 「ペイント薄め液」を使って刷毛を洗う
付着した塗料の色が出てこなくなるまで、入念に洗う - 使用したペイント薄め液は、布に湿らせて乾燥させてから捨てるか、処理剤を使用して捨てる
※絶対に塗料を水道や河川に捨てないようにしてください - さいごに、毛を上向きにして乾かす
・DIY|塗料薄め液の種類とは?水性/油性/ラッカー系の薄め液!
刷毛の保管方法
刷毛の保管方法も、水性刷毛と油性刷毛で異なります。
以下でそれぞれ紹介するので、参考にしてください。
1.水性刷毛の保管方法
水性刷毛の保管方法は、以下の2通りあります。
- 刷毛先を上に向けて乾燥させる方法
- 毛の部分を水につけておく方法
ひとつ目は前述したように、
刷毛先を上に向けて乾燥させる方法です。
刷毛に塗料が付着している状態で乾かすと、
刷毛が塗料によって固まってしまいます。
しかし、刷毛を丁寧に洗えば、問題はありません。
この方法で保管する場合は、
しっかりと刷毛を洗うようにしてください。
ふたつ目は、
毛の部分を水につけておく方法です。
水につけておけば、
多少塗料が付着していても固まることがありません。
しかし、水を3日に1回程度のペースで取り替えないと、
水が腐ってしまうので、気をつけてください。
また、刷毛を持つ柄の部分が、腐る場合もあるので、
長期間の保管には適していません。
2.油性刷毛の保管方法
油性刷毛の保管方法も、以下の2通りあります。
- 刷毛先を上に向けて乾燥させる方法
- 毛の部分を水につけておく方法
ひとつ目は前述したとおり、
刷毛先を上に向けて乾かす方法です。
油性刷毛の場合は特に、
塗料が付着していると、すぐ固まってしまいます。
かならず、刷毛を入念に洗うようにしてください、
ふたつ目は、
ペイント薄め液に毛の部分をつけておく方法です。
この方法なら、
多少塗料が付着していても固まることがありません。
数日程度なら塗料が固まらないので、
この方法も検討ください。
ちなみに、ぼくが職人時代におこなっていた刷毛の保管方法は、
水やペイント薄め液につけておく方法です。
しっかりと洗うことが必要ですが、
この方法をおこなっている塗装職人が多いように感じます。
実際にこの方法で保管しても、
刷毛が駄目になることはありませんでした。
しかし、100円で買えるような安い刷毛の場合は、
薄め液につけておくと、使い物にならなくなる可能性があります。
安い刷毛を保管する場合は、
薄め液につけておく方法は、おすすめしません。
まとめ
- 刷毛は「水性刷毛」「油性刷毛」に分類される
- 刷毛の形状は「スジカイ刷毛」「平刷毛」「メジ刷毛」「筆刷毛」などがある
- 刷毛の毛は「動物」「植物」「化学繊維」からできている
- 水性刷毛は水で洗い、乾燥もしくは水につけて保管する
- 油性刷毛はペイント薄め液で洗い、乾燥もしくはペイント薄め液につけて保管する
さいごに
刷毛は毛の種類によって、
高価なものから安価なものまで、様々な製品があります。
製品によって塗る使用感はまったく異なり、
仕上がりも変わってくるので、用途によって使い分けましょう。
しかし、いくら高価な刷毛でも、
雑に扱ったら、すぐに使い物にならなくなります。
洗い方や保管方法が悪いと刷毛が劣化してしまうので、気をつけてください。
塗る機会が少ないなら、安価な刷毛を購入して、
作業が終わり次第、刷毛を捨てることをおすすめします。
これなら刷毛の手入れも必要ありませんし、
刷毛が劣化する心配もありません。
下手に高い刷毛を買うより、
コストパフォーマンスが高いので、おすすめです。
以上で、「DIY|刷毛の種類と手入れの方法_刷毛の洗い方」をおわります。
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